2003年度公務員連絡会情報 11 2002年11月15日

公務員労働組合連絡会

地方確定推進・地方財政確立を求める中央行動実施−11/14

−総務省、各政党、地方6団体へ申入れ−

 公務員連絡会は11月14日、地公部会を中心に2002地方確定推進・地方財政の確立を求める中央行動を実施した。
 この行動は、19日からの集中交渉ゾーンに向けて情勢の確認と取り組みの意思統一を行うために実施したもの。地公部会として、確定期の行動目標を@国の水準を下回らない地公賃金の確定、A地財危機を理由とする定員削減・労働条件切り下げ反対、公務・公共サービスの充実、B強制的市町村合併反対、分権時代にふさわしい地方税財政の確立、C地方自治の本旨をふまえ、分権型で開かれた民主的地方公務員制度の改革、に置き、取り組みを進めることにしている。
 14日午後1時から社会文化会館で700人が結集して中央集会を開くとともに、13日から14日にかけて政府(13日付情報bW参照)、政党、地方6団体に対し地方確定と地方税財政確立に関する要請を行った。なお、政党要請については、給与法改正案の修正を求める要請と一体で実施した(情報bX参照)。

 中央集会は加藤幹事の司会で始まり、主催者挨拶にたった松島地公部会世話役委員長(都市交委員長)は、「大都市の交渉状況をみても、新たに賃金カットを提案してきた自治体が増えるなど今年の確定は非常に厳しい。減額調整はぎりぎりまで交渉を行うことが必要だ。国の税収不足が新たに地方財政へ影響を与えることも懸念される。様々な課題があるが、地公部会としてしっかり連帯して確定期をたたかおう」と訴えた。
 次いで、「分権型自治体サービスの充実と地方税財政制度の課題」と題して、池上岳彦立教大学教授より講演を受けた。池上教授は、地方分権と「構造改革」、税源移譲と課税自主権、地方交付税の意義と改革、国庫補助負担金改革の課題などについて、現在の議論状況の紹介と政府の政策を批判しながらわかりやすく解説した。
 そのあと、岩本事務局次長が確定期の課題と取り組み方針について提起、岩間地公部会幹事が集会決議を提案し、全体で確認した(集会決議は別紙1)。最後に足立全水道委員長の音頭で団結がんばろうを三唱し、確定闘争の意思を固めあった。



<別紙1>

集会決議


 2002年地方確定は、各都市・都道府県人事委員会の勧告が出揃い、本格的なたたかいの局面を迎えている。
 今年の賃金改定勧告は、国、自治体とも史上初めての月例給引き下げを内容とするものであり、こうした事態を招いた政府の経済政策の失敗をまず厳しく糾弾しなければならない。国の給与法改正案は現在国会審議中であるが、この改正案は「減額調整」として、実質的に不利益を4月に遡及する内容を含んでいる。これは民間の労使関係に与える影響が懸念され、公務員連絡会全体として遡及を許さない取り組みを最後まで進めていく。
 人事委員会の勧告では、公民較差が自治体間で拡大しており、賃金カット措置とも相まって、地方公務員の統一的な水準確保がいっそう重要な課題となっている。また、自治体財政の危機を理由とする賃金削減提案の動きも後を絶たない。
 こうした情勢を踏まえ公務員連絡会地公部会は、国を下回らない賃金改定を基本に、11月19〜26日を集中ゾーンとする2002年確定の山場に全力を集中する。
 地域に勤務する公務員の賃金について人事院が研究会で検討を開始し、退職手当について政府が次期通常国会に引き下げ法案を提案するとしており、これらは自治体において連動必至であり、いっそう取り組みを強めていく必要がある。
 一方、公務員制度改革は、政府が次期通常国会への公務員法改正案を提案するための閣議決定が重要な山となる。現下の最大目標である「大綱」の撤回をめざす連合官公部門の11月行動に組合員の総結集をはかる。
 地方財政は引き続き厳しさを増しており、大幅な財源不足により2002年度の実質的な地方債依存度は16.5%、地方財政の借入金残高は195兆円と見込まれている。
 こうした状況で、経済財政諮問会議は地方交付税の見直し、地方財政計画の歳出抑制を強く打ち出している。他方で、地方税財政改革の具体化が期待された地方分権改革推進会議の最終報告は、税源の移譲も補助金制度改革も抜本改革の具体策に言及しなかった。政府の歳出削減で、自治体財政はいっそう困難に陥ることは明らかである。
 市町村合併を含めた自治体の行政、税財政の議論が重要局面にあることを踏まえ、分権型社会にふさわしい税・財政制度の確立をめざし、地方6団体などと連携した取り組みの強化が求められている。
 われわれは、本日の集会を突破口にして地方確定推進・地方税財政確立に向けた今秋季年末のたたかいに総力をあげて取り組む。
 以上決議する。
2
002年11月14日
地方確定推進・地方財政の確立を求める中央集会



 公務員連絡会が14日に行った政党要請の概要は以下のとおり(各党共通申入書は別紙2)。

<公明党への要請>
 公明党への要請は9時20分より行われた。公明党からは桝屋総務部会長ほかが対応、公務員連絡会からは、北岡代表委員(自治労委員長)、岩本事務局次長、水本都市交書記長、大門自治労政策局長が参加した。
 冒頭、北岡代表委員から、「一度支払ったものを遡って減額させるという調整措置は乱暴だ。民間の賃金決定に与える悪影響からして決して認めることはできない」としたうえで、給与法改正法案の修正に政権与党としての最大限の協力を求めた。その後、岩本事務局次長から@雇用創出・安定の実現A強制による市町村合併を行わないB地方公務員制度改革にあたっては、地方自治の本旨を踏まえること、など地方財政確立等に関する事項について要請した。
 これに対し公明党・桝屋総務部会長は、給与法に関しては、「決め方について問題があることは承知している。市長村合併については、党内の3200名の地方議員も公務員連絡会の皆様と基本的には同じ考えであると思う」と述べ、地方公務員制度改革については、「従来の枠組みを大きく変えることなので党としても慎重に議論を重ねていきたい」と述べた。

<自由党への要請>
 自由党に対する申入れは午前10時から行い、公務員連絡会からは、北岡自治労委員長、武田自治労連委員長、君島自治労書記長、中村日教組書記長、山本公務員連絡会事務局長が参加し、自由党からは藤井裕久幹事長、中井洽副代表常任幹事、東祥三組織委員長が対応した。
 冒頭、地公部会側が申入れの趣旨を述べ申入書を手交したあと、項目にしたがって具体的な説明を行い、自由党の認識を求めたのに対して、藤井幹事長は、概ね次の通り回答した。@遡及の問題は、重要な問題である。各委員会で対応するようにしたい、A財政・経済の問題は、小泉内閣の姿勢の現れであると思っている、B公務員制度改革をめぐるILOでの議論の問題は、一緒に勉強していきたい。
 これに対して、地公部会側は、労働基本権問題について近くILOが日本政府に対して勧告を行うであろうことについて説明し、この問題についての理解を求め、最後に、今国会での自由党の取り組みに期待を表明し、申入れを終えた。

<民主党への要請>
 11時から行われた民主党への要請には、丸山代表委員をはじめ松島都市交委員長、中村日教組書記長らが出席し、民主党側は島ネクスト総務大臣が対応した。
 冒頭、丸山代表委員は、11月7日に行われた衆議院総務委員会で示された給与法改正案に対する民主・社民の共同提案の修正案について触れ、「山場を迎える地方確定闘争の糧となる」として、謝意を伝え、次に中村日教組書記長が申入れに関する説明を行った。
 これに対し、島ネクスト総務大臣は、幕政下の長野・松代藩を題材に、「賃金が不安では、いい仕事ができない」と賃金と労働意欲の関係を説明し、「現下の経済情勢は厳しい状況だ。共済長期給付金などの一般財源化が言われているが、財源が担保されていない。小泉首相の言う三位一体とは全く違う。一方的に地方に押し付けるだけだのものだ」と述べた。
 また、「当時の松代藩は、重要性を認識している。今は議員も、歳費削減の時代であり、それは、世の中の流れでもある。そういう形に理解をしている。組合とは率直な意見交換をして、ざっくばらんな意見交換をしていきたい」と述べ、交渉を終えた。

<社会民主党への要請>
 社民党への要請は、11時から社民党本部で行われた。公務員連絡会からは榊原日教組委員長、足立全水道委員長、佐藤全水道書記長、山本連絡会事務局長が参加、社民党は福島幹事長、重野公務員特対事務局長が応対した。
 冒頭、榊原委員長が申入書を手渡し、要請の趣旨を説明。この中で「衆議院における給与法案審議では、修正案の提出と附帯決議の採択を巡り、大変お世話になった」と謝意を表した。
 これに対し社民党は、「給与法案では、衆議院で民主党と共同で修正案を出し、問題点を明らかにしがんばった。残念ながら政府提案通り通過したが、附帯決議をつけることができた。衆議院でも共同歩調をとってがんばりたい。ご主旨は十分理解している。人勧の減額勧告を受け地方では厳しい状況だ。社民党は都道府県連合にしっかりやるよう指示をおろしたい。地方財政確立については、外形標準課税など皆さんと同じ認識に立っている。広域市町村合併も政府の強引なやり方には絶対反対だ。公務員制度を巡るILO勧告は、おっしゃるとおり重要なターニングポイントだ。国会では民主党と協議し、共産党とも話し合って対応する。国会審議の大きなテーマに押し上げたい」と回答した。
 さらにこれを受けて出席した要請団から個々に要望が出され、社民党からは皆さんの意を体して引き続き奮闘するとの見解が表明され、交渉を終えた。

<自由民主党への要請>
 午後12時30分から行った自民党への申入れには、公務員連絡会から榊原日教組委員長、北岡自治労委員長、古山税関労連委員長、君島自治労書記長が参加し、自民党からは、長勢甚遠政調副会長(労政局長)が対応した。
 冒頭、地公部会側が申入れの趣旨を述べ申入書を手交したあと、項目にしたがって具体的な説明を行い、長勢政調副会長の認識を求めたのに対して、概ね次の通り回答した。@給与の関係は、人事院と皆さんが話し合って、勧告がでているのではないか、A公務員制度の問題を本当に取り上げようとするならば、公務員制度審議会のようなものを党で設置しなくてはならない、B雇用問題は、私の所管であることからもこの間ずっと取り組んでいるが、中小企業の経営者は確かに大変だと思うが、失業率5%という数字を過大に捕らえすぎているのではないか、C市町村合併は、無理なく進めるのが基本だと思う。ただ、合併する自治体には財政優遇措置があり、合併しない自治体は財政上不利になるというのは仕方がないと思うのだが、総務省の「合併しない場合でも不利にはならい」という説明が理解できない。
 これに対して、連絡会側は、@人事院は第三者機関で、労働側の意見をよく聴くべきであるのに、非常に形式的であり、今回の内容に我々は同意していない。決定過程に当事者である労働組合を参加させることが重要だ、A日本の労働基本権問題については、近々ILOが日本に勧告を行うという状況にまでなっていることをよく認識して頂きたい、B中高年者の転職が困難な状況、中高年の自殺者が数万人いる状況、若者がフルタイム労働者として働きたくても働けない状況をみれば、雇用問題が深刻であることは明らか、C市町村合併の問題では、小規模自治体を無くしてしまおうという乱暴な意見も出てきている。全国町村会では、11月に開催の総会で、これに対する特別決議を行うとしているが、自民党においても強制合併ということのないようよく議論していただきたい、などと返しながら、これらについての意見交換を行い、申入れを終了した。

【首長3団体要請の概要】

 全国知事会、全国市長会、全国町村会の3団体に対して、公務員連絡会地公部会が13日午後に要請を行ったが、その概要は以下のとおり(3団体共通の申入書は別紙3)

<全国知事会への要請>
 全国知事会への要請は、午後2時30分から行われ、公務員連絡会からは地公部会書記長クラスが、全国知事会からは遠目塚事務局次長、石上調査第一部長が出席し、公務連絡会の山本事務局長が申入れの趣旨を説明した。
 遠目塚事務局次長は、概要、次のとおり回答した。
@ 公務員制度改革については、最近の報道からしても、労働基本権の確立が世界的な潮流なのかとも考える。現在、国では、能力主義的な人事給与制度を中心に検討が進められており、国と並行して地方公務員制度も改革されることとなるが、同じ公務員でも国公と地公は違う。右ならえ、というわけにはいかないと考えている。制度的にどのようなものとなるのか、その姿が見えていない現段階では具体的な回答はできないが、皆さんとも協議をしていきたい。
A 公務員の給与の問題について、この問題は非常に難しく、つまるところ財政や景気の問題ではないかと考えている。
B 国と地方の税財源の配分については、期待はずれの議論が展開されている。知事会としては巻き返しをはかっていきたい。また、景気対策にかかる事業や施策の実施にあたって、地方の負担を増やすような動きについては警戒し、意見反映をしていく。
C 法人事業税の外形標準化については、課税される側の理解を求めるなかで、今年度中には実現を勝ち取っていきたい。12月の全国知事会議では税財源について話し合われることとなっている。法人事業税の外形標準化の実現をめざし、来年の通常国会に向けた具体的な議論展開をはかっていきたい。
 これに対し地公部会側は、長野県で県財政の逼迫を理由に職員給与の8%カットが提案されている事態をとりあげ、「財政の逼迫は、職員の賃金カットの合理的な理由にはならない。人事委員会の勧告の内容を超えて賃金カットされるようなことはあってはならない。全国知事会としてもこのような動きについては阻止すべく、働きかけていただきたい」と要請した。遠目塚事務局次長は、「給与については、勧告ベースの予算は確保されているはず。また、ラスパイレス100を下回っての賃金カットは行わないはず。職員の生活を確保できる給与となるよう、働きかけていきたい」と答えた。

<全国市長会への要請>
 全国市長会への要請は、午後4時15分から行われ、公務員連絡会からは地公部会書記長クラスが、全国市長会からは小林行政部長、樋山財政部長が出席し、公務員連絡会の岩本事務局次長が申入れの内容について説明した。
 全国市長会側は、概要、次のとおり回答した。
@ 公務員給与については、住民の目が厳しくなってきている。とりわけ「減額調整」措置については、自治体で国と違う措置をとるということは、財政等の事情もあり難しい。国が不利益不遡及の原則に反しないと主張している以上、市長としても苦しい選択を迫られているということを、ご理解いただきたい。
A 補助金、交付税、税源移譲の議論が三位一体で進められれば良いのであるが、義務教育費国庫負担金に関して一部削減とし税源移譲については不透明なままで、退職金の話だけが先行している。このようなことについては認められない。これまで官房長官らに申入れ等も行ってきているが、今後さらに対応を強めていきたい。
B 地方公務員制度の改革については独自の制度とするべき。ただし、国の公務員制度改革の状況については、正式には市に対して情報提供がなされておらず、情報入手にも苦慮している。地方公務員制度の改革については不透明な部分も多いため、総務省に対しては申し入れを行い、今月あるいは来月中に地方公務員制度の改革の方向性についてどのように考えているのかの説明を受けることとなっている。
C 法人事業税の外形標準化については、皆さんと同様の考え方である。11月21日の地方六団体の決起集会で、地方税財政に関わる決議をあげ、今後の対応をはかっていきたい。
D 地方財政を確立し、地方分権を推進するため、みなさんとの意見交換・協議については行っていく。
 これに対し、地公部会は「地方公務員制度の改革については、六団体としても国に準ずるものではないという姿勢を堅持して欲しい」「人事委員会勧告の内容を超えるような賃金カットについては容認できない。自治体の財政が危機的な状況にあるのは分かるが、人件費だけをターゲットに削減をするようなことはやめていただきたい」と求め、要請を終えた。

<全国町村会への要請>
 全国町村会への要請は、午後3時20分から行われ、公務員連絡会からは地公部会書記長クラスが、全国町村会からは関場事務局次長が出席し、公務連絡会の山本事務局長が申入れ内容を説明し見解を求めた。
 関場事務局次長は「政府税調や経済財政諮問会議での議論など、現在、町村のおかれている立場には厳しいものがある。都市型論が優先し、地方交付税など町村への圧力が強まっている」と述べ、要請内容に対しては、概要、次のとおり回答した。
@ 公務員制度改革については、現在、検討されているところ。その具体的な姿が見えてきた段階で、意見反映等を行っていく。
A 法人事業税の外形標準化の実現については、直接、町村に直結する問題ではないが、都道府県の財政基盤の安定は町村にとっても重要と考えている。町村会としてもバックアップをはかっていく。
B 公務員の給与についてであるが、皆さんの要請の趣旨については理解する。これまでも不況の時には槍玉にあげられてきているが、打開策を講じられるよう努力したい。
 これに対し地公部会側は、市町村合併の問題に触れ、「国のやり方には憤りを感じている。地方制度調査会で検討されている2級自治体などについては、分権自治の流れに逆行するものとして到底受け入れられるものではない。地域の住民の立場にたった行政をやっているのは町村であるということについては、すべての首長が感じているはず。国の合併のやり方に対しては、もっと声を大にして意思表示をして欲しい」と要請した。
 関場事務局次長は、「27日に開く全国町村長大会では、市町村合併や地方交付税の問題にしぼったメリハリのある議論をできるように工夫をしている。地方制度調査会専門小委員会における、今後の基礎自治体のあり方についての‘西尾私案’は、町村を潰そうとするものであり容認できる内容ではない。町村会は昨日、この私案についての意見を決議し、意見書を提出したところである。また、国は合併について、その目的を分権の受け皿をつくることとしているが、財政効率が目的であると考えている。このような国のやり方に対しては、皆さんと協力して対応していきたい」と答えた。

【議長3団体要請の概要】

 全国都道府県議会議長会、全国市議会議長会、全国町村議会議長会に対しては、12日から15日にかけて、連絡会地公部会として要請を行ったがその概要は以下のとおり(議長3団体共通の申入書は別紙4)。

<全国都道府県議会議長会への要請>
 全国都道府県議会議長会に対する申入れは、15日午前10時より30分間、公務員連絡会から、岩本事務局次長をはじめ公務員連絡会地方公務員部会(以下地公部会)の幹事4名、全国都道府県議会議長会からは、若林調査一部長他2名が出席して行われた。
 冒頭、岩本事務局次長は、地公部会からの地方財政確立等に関する申入れの趣旨説明を行い、特に自治体賃金の決定に当たっては労使の交渉を尊重し「減額調整」を行わないことや、地方公務員制度の改革は労働基本権を確立し民主的な公務員制度改革とすることを求めた。
 若林部長の回答は、「申入れについては会長に伝える。また、税源移譲など安定した地方財源を確保することは、公務員連絡会と同じ考えであり、6団体で取り組みを強める」とした。

<全国市議会議長会への要請>
 12日午前11時から行われた全国市議会議長会の要請行動には、公務員連絡会岩本事務局次長と地公部会幹事が参加した。全国市議会議長会からは、政策第一部の久野部長、平本副部長が対応した。
 冒頭、岩本次長が申入書を手渡し、5項目にわたる内容を説明、その中で、特に自治体賃金の確定にあたっては、労使交渉を尊重するとともに不利益を遡及する「減額調整措置」を行わないこと、法人事業税の外形標準化や国庫補助負担金制度の改革、税源移譲など安定した地方税財源の確保、などを強く要請した。
 これに対して、久野部長からは、地方財政確立に向けて、「今月21日に地方6団体が集まって大会を開き、地方財政確立に向けた運動を進めていく決議を採択することにしている。また、地方分権推進委員会にも地方財政確立に向けて要請している」と述べた。その他の項目については、「検討していきたい」と答えるにとどまった。
 最後に、公務員連絡会側が、「われわれも今月14日に地方財政確立に向けた集会を開くので、ともに地方財政確立に向けてご協力をお願いしたい」と述べ、要請行動を終了した。

<全国町村議会議長会への要請>
 全国町村会議長会への要請は、14日午前11時から行われ、地公部会からは岩本次長、加藤幹事(自治労)、岩間幹事(日教組)、菅野幹事(自治労連)、横沢幹事(都市交)、水越幹事(全水道)の6名が出席、議長会は政務部の福島好一副部長が対応した。
 はじめに岩本次長が申入れ項目について説明、とりわけ「自治体賃金の確定」について、「減額調整措置は明らかに不利益不遡及の原則に抵触すると考えており、民間賃金への悪影響も懸念される、労使交渉を尊重し前向きな対応を」と求めた。
 これに対し福島副部長は、@賃金確定について、申入れの趣旨を伝える、A景気回復のためにも雇用の安定、確保は必要と認識している、B地方分権について政府は「三位一体」の改革といっているが、推進会議報告は肝心の税源移譲はなく当然納得できない。地方6団体として、国庫補助負担金の削減問題での内閣への申し入れなど統一して対応している、C公務員制度改革は、具体的な動きは承知していない、などと回答。
 最後に地方六団体としての取り組みに敬意を表するとともに、ひきつづき地方分権・地方財源確立に向けた意見交換・協議など、連携した取り組みを確認しあい終了した。



<別紙1>

2002年11月14日


公務員労働組合連絡会地方公務員部会
全日本自治団体労働組合   
中央執行委員長 北岡勝征
日本教職員組合       
中央執行委員長 榊原長一
日本都市交通労働組合    
中央執行委員長 松島 稔
全日本水道労働組合     
中央執行委員長 足立則安
全国自治団体労働組合連合  
中央執行委員長 武田幸男


地方財政確立等に関する申入れ


 貴職の地方自治の確立と地方公務員の処遇改善にむけたご努力に敬意を表します。
 2002年人事委員会の勧告が出され、自治体の賃金確定は山場を迎えています。行政サービスに従事する地方公務員の生活を保障する立場から賃金の改善と、労使自治を尊重した賃金確定が求められます。
 一方、政府で進められている公務員制度改革も重要な段階を迎えています。
 地方分権一括法の施行を受けて、いっそうの分権の推進と地方自治の確立が求められ、そのための地方税財源の充実が課題となっています。しかし地方分権改革推進会議の最終報告は、財源移譲を明示せず全く不十分です。地方財政は厳しい状況にあることに加え、2003年度以降の地方交付税総額の圧縮も懸念されます。
 また、雇用情勢は悪化の一途をたどり、いっそう重大な社会問題となっています。こうしたことからも、福祉や保健・医療、防災、環境対策など地域が必要としているニーズに対応した雇用創出が必要です。
 貴職におかれましては下記事項の実現に向けてご尽力を頂きますようお願い申しあげます。



1.景気対策にかかる事業や施策の実施については、国の責任と負担により財源確保をはかるとともに、雇用創出・安定の対策を行うこと。
2.法人事業税の外形標準化や国庫補助負担金制度の改革、税源移譲など安定した地方税財源を確保するための制度改革を急ぎ、地方分権の推進、地方自治の確立を図ること。また、住民自治の観点から、強制による市町村合併は行わないこと。
3.地方公務員制度の改革にあたっては、労働基本権を確立し、地方自治の本旨を踏まえ分権型で開かれた民主的な公務員制度とすること。



<別紙2>

2002年11月13日

全国知事会
 会長 土屋義彦 様

公務員労働組合連絡会地方公務員部会
全日本自治団体労働組合   
中央執行委員長 北岡勝征
日本教職員組合       
中央執行委員長 榊原長一
日本都市交通労働組合    
中央執行委員長 松島 稔
全日本水道労働組合     
中央執行委員長 足立則安
全国自治団体労働組合連合  
中央執行委員長 武田幸男


地方財政確立等に関する申入れ


 貴職の地方自治の確立と地方公務員の処遇改善にむけたご努力に敬意を表します。
 2002年人事委員会の勧告が出され、自治体の賃金確定は山場を迎えています。行政サービスに従事する地方公務員の生活を保障する立場から賃金の改善と、労使自治を尊重した賃金確定が求められます。
 一方、政府で進められている公務員制度改革も重要な段階を迎えています。
 地方分権一括法の施行を受けて、いっそうの分権の推進と地方自治の確立が求められ、そのための地方税財源の充実が課題となっています。しかし地方分権改革推進会議の最終報告は、財源移譲を明示せず全く不十分です。地方財政は厳しい状況にあることに加え、2003年度以降の地方交付税総額の圧縮も懸念されます。
 また、雇用情勢は悪化の一途をたどり、いっそう重大な社会問題となっています。こうしたことからも、福祉や保健・医療、防災、環境対策など地域が必要としているニーズに対応した雇用創出が必要です。
 貴職におかれましては下記事項の実現に向けてご尽力を頂きますようお願い申しあげます。


1.公務・公共サービスの確保・向上のため、地方公務員の賃金が確保されるよう取り組むこと。
 自治体賃金の確定に当たっては、不利益を遡及する「減額調整」を行わないこと。
2.景気対策にかかる事業や施策の実施については、国の責任と負担により財源確保をはかるとともに、雇用創出・安定の対策を行うこと。
3.法人事業税の外形標準化や国庫補助負担金制度の改革、税源移譲など安定した地方税財源を確保するための制度改革を急ぎ、地方分権の推進、地方自治の確立を図ること。
4.地方公務員制度の改革にあたっては、労働基本権を確立し、地方自治の本旨を踏まえ分権型で開かれた民主的な公務員制度とすること。
5.地方財政を確立し地方分権を推進するために、共同した取り組みをめざし意見交換・協議を進めること。



<別紙3>

2002年11月15日

全国都道府県議会議長会
 会長 植田英一 様

公務員労働組合連絡会地方公務員部会
全日本自治団体労働組合   
中央執行委員長 北岡勝征
日本教職員組合       
中央執行委員長 榊原長一
日本都市交通労働組合    
中央執行委員長 松島 稔
全日本水道労働組合     
中央執行委員長 足立則安
全国自治団体労働組合連合  
中央執行委員長 武田幸男


地方財政確立等に関する申入れ


 貴職の地方自治の確立と地方公務員の処遇改善にむけたご努力に敬意を表します。
 2002年人事委員会の勧告が出され、自治体の賃金確定は山場を迎えています。行政サービスに従事する地方公務員の生活を保障する立場から賃金の改善と、労使自治を尊重した賃金確定が求められます。
 一方、政府で進められている公務員制度改革も重要な段階を迎えています。
 地方分権一括法の施行を受けて、いっそうの分権の推進と地方自治の確立が求められ、そのための地方税財源の充実が課題となっています。しかし地方分権改革推進会議の最終報告は、財源移譲を明示せず全く不十分です。地方財政は厳しい状況にあることに加え、2003年度以降の地方交付税総額の圧縮も懸念されます。
 また、雇用情勢は悪化の一途をたどり、いっそう重大な社会問題となっています。こうしたことからも、福祉や保健・医療、防災、環境対策など地域が必要としているニーズに対応した雇用創出が必要です。
 貴職におかれましては下記事項の実現に向けてご尽力を頂きますようお願い申しあげます。



1.公務・公共サービスの確保・向上のため、地方公務員の賃金が確保されるよう取り組むこと。
 自治体賃金の確定に当たっては、労使の交渉を尊重すること。また、不利益を遡及する「減額調整」を行わないこと。
2.景気対策にかかる事業や施策の実施については、国の責任と負担により財源確保をはかるとともに、雇用創出・安定の対策を行うこと。
3.法人事業税の外形標準化や国庫補助負担金制度の改革、税源移譲など安定した地方税財源を確保するための制度改革を急ぎ、地方分権の推進、地方自治の確立を図ること。
4.地方公務員制度の改革にあたっては、労働基本権を確立し、地方自治の本旨を踏まえ分権型で開かれた民主的な公務員制度とすること。
5.地方財政を確立し地方分権を推進するために、共同した取り組みをめざし意見交換・協議を進めること。

以上