2003年度公務員連絡会情報 42 2003年7月23日

公務員労働組合連絡会

労働条件専門委員会が人事院に「配分の考え方」を提示―7/23

 公務員連絡会労働条件専門委員会は、23日11時15分から人事院交渉を実施し、本年の勧告に当たっての「配分の考え方」を提示し、これに沿った配分を行うよう求めた。
 公務員連絡会は、昨日の書記長クラス交渉委員と勤務条件局長との交渉で、「俸給表の引下げが避けられない程度のマイナス較差が出る」「一時金についても月数の引き下げは不可避の情勢」と、官民較差や一時金について厳しい見解が示されたことを踏まえ、午後4時から開いた企画調整・幹事合同会議で@人事院に生活防衛できる勧告とするようもとめるとともに、その実現に向けてぎりぎりまで交渉・協議を強める、A厳しい情勢を踏まえて仮にマイナス勧告の場合の配分交渉に入る、B人事院総裁への緊急要請打電行動を実施し、8.4第3次中央行動を配置して取り組みを一段と強める、ことなどを決定。この日の交渉は、この確認に基づいて、公務員連絡会として「配分の考え方」を示したもので、人事院は鈴木職員団体審議官らが対応した。
 冒頭、小林労働条件専門委員長が、「昨日の局長との交渉で大変厳しいとの認識が示された。それをどう配分するかについては、公務員連絡会と十分な交渉・協議を行っていただきたいと考えており、『配分の考え方』を提起するのでそれを踏まえた対応をお願いしたい」として、以下の通り考え方を示した。
(1) 本俸と諸手当の配分比については、現行の構成比を大きく変えないこと。
(2) 本俸配分については、公正性・納得性の確保の観点から、均等配分とすること。
(3) 諸手当については、結果として本俸配分比を維持する観点から、生活給的手当中心の引き下げもやむを得ないが、社会情勢の変化や官民の均衡など、ルール上、納得性のあるものにすること。また、生活給的手当全般の制度的なあり方についての将来像を提示し、それと整合性のある措置とすること。

 これに対し鈴木審議官は、次の通り見解を示した。
(1) 本俸と手当の配分については、民間の比率も見ながらになるので、人事院としてもそのように考えている。
(2) 俸給表の配分について均等配分という要望の趣旨はわかるが、民間では初任給を据え置いているところが多いので、それとの均衡を考えざるを得ない。それを踏まえた上で、俸給表がいびつにならないように考えなければならない。できるだけ均等になるようにという要望の趣旨は承った。
(3) 手当についての趣旨は承った。生活給的手当は民間でも見直しが進み縮小傾向にあるので、その動向を見ながら考えていくことになる。
(4) いずれにしても、ご要望の趣旨を踏まえ、担当のところと相談して考えていきたい。

 これらの見解に対し、公務員連絡会側は、@民間初任給は据え置きが多いということだが、公務の場合全体をマイナス方向に動かすとき初任給だけは動かさないということにはならないのではないか。俸給表全体の均衡を考えてほしい。初任給のために6〜8級の組合員が割を食うのは認められない。管理職のところから回すべきではないか、A手当は扶養手当の配偶者分を考えているが、将来的には属性を外すべきと思っているので人事院として将来の方向性を示していただきたい、B通勤手当の支給方法の見直しで生み出される原資については、通勤手当の改善に振り向けていただきたいという話を昨日局長に申し上げたが、見直しの時期に同時に改善していただきたい、と重ねて見解を質した。
 これに対し審議官は、「扶養手当の将来像については人事院としても問題意識を持っているが、民間の動向も踏まえなければならない。通勤手当に対する要望はきちんと受け止めて担当のところで検討してもらう。通勤手当支給方法の見直しは実施時期はさかのぼれないので、これからの話ということになるが、要望をどうするかについてはそれに併せて検討するということはあり得るかもしれない」との考えを示した。
 最後に小林委員長から、「本日は、われわれが示した『考え方』に基づいた配分を行うよう申し入れたので、できるだけ早く機会を設けていただいて、それを踏まえた配分のあり方について議論させていただきたい」と要望したのに対し、審議官が「配分は要望を踏まえて検討したい。皆さんとの意見交換をしながら進めていきたい」と約束したことから、これを確認し、本日の交渉を終えた。

以上