2003年度公務員連絡会情報 50 2003年9月12日

公務員労働組合連絡会

委員長クラスが総務大臣と人勧取扱いで交渉−12日
−16日の第2回給閣で「勧告通り実施」を決定する予定−

 公務員連絡会委員長クラス交渉委員は、政府が来週冒頭にも第2回給与関係閣僚会議を開いて勧告の取扱い方針を決定する予定であることから、12日午後1時30分から総務省で片山総務大臣と交渉を持ち、政府の方針を質した。
 交渉の冒頭、丸山代表委員は、「8月8日の人事院勧告を受けて、当日、大臣に対して勧告の取扱い方針を決定するに当たってはわれわれと十分話し合い、協議を行うよう申し入れした。その後、人事・恩給局長とも事務レベルで交渉・協議を積み上げてきたが、きょうは大臣から、本年の人勧の取扱い方針について見解をいただきたい」として、大臣の回答を求めた。
 これに対し片山大臣は、次のとおり答えた。

(1) 本年の人事院勧告については、8月8日に勧告を受けて以来、関係者のところで検討を進めてきたところであります。総務大臣としては、民間の経済状況や国の財政事情など国家公務員給与を取り巻く環境には極めて厳しいものがある中、労働基本権制約の代償措置の根幹をなす人事院勧告制度を尊重するとの立場で、給与関係閣僚会議等でも意見を申し上げてまいりました。
(2) 関係者と協議を行ってきた結果、16日、第2回目の給与関係閣僚会議を開いていただくことになり、そこでは、勧告どおり決定する旨の決定がなされるものと考えております。給与関係閣僚会議で決定がなされれば、その後の閣議において政府として取扱い方針を決めることになると思います。
(3) 本年の給与改定は、職員の皆様にとって厳しい内容となりますが、どうぞぜひご理解をいただいて、よろしくお願いしたいと思います。

 見解にに対し丸山代表委員は、「本年の勧告は、2年連続のマイナスベアや一時金の大幅な月数削減で過去最大の年間給与の引き下げとなり、組合員の不満は極めて大きい。これが、地方公務員や中小民間賃金にも波及していけば、経済的にも大きな影響を与えることになることからも、極めて不満である。しかし、本年の勧告に当たっては、人事院との間でいろいろと協議し、その結果、勧告となったものである。われわれの賃金・労働条件が民間準拠の枠組みのもとで決定されるシステムである限り、われわれとしても政府が勧告通り実施することを決定することはやむを得ないものと受け止める。今後は、政府として給与法改正法案作成作業を進める段階に移っていくこととなるが、その段階においてもわれわれと十分交渉・協議を進めることを求めておきたい。ところで、最近、テレビや週刊誌などで公務員給与バッシングともいえるような風潮が高まってきている。情報公開の時代において、国民が公務員給与に対してより透明性を高めることを求めることは当然であると考えるが、誤解や意図的なものを出すことについてはわれわれとしても見過ごすことはできないと考えている。こうした動向に対しては、大臣には、使用者としての政府として、毅然として対応されるよう強く求めておきたい」として、さらに要望した。
 片山大臣は、「皆さんと協議するということは心がけてきたところであり、今後もそのように進めてまいりたい。マスコミ報道などの問題は承知しているので、私どもとしても気を付けていきたい」として、政府としても適切に対応していく姿勢を確認した。

 公務員連絡会は、総人件費抑制政策や公務員給与バッシングが一段と強まっている予断を許さない秋闘情勢にあることから、政府が勧告に基づかない改定を行わないよう取り組みを強めてきた。本日の交渉で16日にも勧告通り実施する方針を決定する予定であることが確認されたことから、今後は給与法改正法案作業に対する取り組みを強め、必要に応じて総務省人事・恩給局との交渉・協議などを進めることとしている。政府は、本年の臨時国会が短期・集中型であることから、9月下旬に予定される国会冒頭にも改正法案を国会提出する方針であり、それに対応した取り組みも進める。また、今後本格化する地方公務員や独法、特殊法人等の賃金確定闘争に力点を置いて取り組みを進めることとしている。

以上