連合官公部門情報
2001年10月3日

第1回「公務員共済年金財政単位一元化研究会」の概要
 10月3日、午前10時から総務省で第1回「公務員年金財政単位一元化研究会」が開催された。
 この研究会は、2月28日に発表された公的年金制度の一元化に関する懇談会報告「公的年金制度の一元化の更なる推進について」と3月16日の「閣議決定」に基づいて、国家公務員共済と地方公務員共済の財政単位の一元化を具体的に検討するために開催されたもの。財務省主計局と総務省自治行政局が事務局を担当する。委員には、国共済から3名、地共済から3名、有識者2名の計8名(別紙名簿)が参加し、国共済から国公総連の丸山委員長、地共済から自治労の大原委員長が参加し、座長に西尾国際基督教大学教授が選ばれた。
 本日の研究会では、@委員の確認と座長の選出、A研究会の位置づけの確認、B検討項目の確認、C公的年金制度一元化のこれまでの経緯の報告、D過去の財政調整事業の紹介、E国共済と地共済の保険料率の将来見通し、国共済と地共済の長期給付システムの違い、現在の地共済内部の財政調整制度についての報告などが行われた。
 検討項目については、事務局から、@国共済・地共済間での財政調整の仕組み、A国共済・地共済の保険料率一本化の時期、の2点が示された。そして、「一元化懇報告書における、『財政単位の一元化』とは、複数の年金制度の財政単位を一体のものとして捉え、これを計算の基礎として年金財政を運営していくことであるが、国共済・地共済間においては、組織、制度としては独立したままで、両制度間で財政調整を行いつつ、最終的に保険料率を一本にすることを考えている」との説明が行われた。
 また、検討のスケジュールについて、「一元化懇報告、閣議決定で『次期財政再計算はこの財政単位の一元化を前提として実施する』とされており、平成16年の財政再計算までに国共済・地共済の間の財政調整の仕組み等について結論を得て、これを受けて行う所要の制度改正を前提に行うことを意味する。そのため、平成15年夏までにこの研究会で結論を得たい」と提案された。
 これら、検討項目、検討のスケジュールについては、若干の意見交換の上で確認された。
 過去の財政調整事業については、委員から「従来のものは、赤字になったJR・JT共済を救済するためのもので、今回の財政単位の一元化とは性格が全然違う。そのため、参考にはならない。今回の財政調整は、公務の特性に関わるもので、公務員制度の一環である共済年金制度を維持する目的で行われるべきものである」との整理が行われ、確認された。
 また、国共済と地共済の保険料率や長期給付の制度の違いについては、現在の国共済が18.39%、(標準報酬制)地共済が16.66%(本俸制)の保険料率をどのように均していくのか、また、保険料算定や業務運営の違いについて、財務省と総務省の間でワーキンググループをつくり、当面は制度の相違点について明確にすることが提案され、了承された。
 最後に、@次回の研究会は、国共済と地共済の違いについてのワーキンググループと地共済の組織再編の作業の進捗状況をみながら今年度中に行うこと、A研究会の議事要旨はホームページで公開すること、B資料は記者クラブに配布することが提案され、確認され第1回研究会を終了した。


「公務員共済制度財政単位一元化研究会」名簿

 板 倉 敏 和(総務省自治行政局公務員部長)
 大 原 義 行(全日本自治団体労働組合中央執行委員長)
 杉 本 和 行(財務省主計局次長)
 寺 村 信 行(国家公務員共済組合連合会理事長)
◎西 尾   勝(国際基督教大学教授)
 丸 山 建 藏(国家公務員労働組合総連合会委員長)
 森   繁 一(地方公務員共済組合連合会理事長)
 渡 辺 俊 介(日本経済新聞論説委員)
  ◎印 座長

一元化懇談会報告より抜粋 2001.2.28
○国家公務員共済組合及び地方公務員共済組合については、ともに公務員という職域に適用される年金であることから、両制度の財政単位の一元化を図ることとする。  このため、今回の財政再計算結果に基づき速やかに具体的な枠組みについて政府及び関係者において検討を進め、次期財政再計算はこの財政単位の一元化を前提として実施することとすべきである。

閣議決定より抜粋 2001.3.16
 国家公務員共済組合及び地方公務員共済組合については、ともに公務員という職域に適用される年金であることから、両制度の財政単位の一元化を図る。
 このため、速やかに具体的な枠組みについて検討を進め、今回の財政再計算結果に基づき速やかに具体的な枠組みについ手検討を進め、次期財政再計算はこの財政単位の一元化を前提として実施することとする。

以上