連合官公部門情報
2002年9月5日

退職手当見直しで総務省との交渉・協議再開(9/4)
<総務省との交渉・協議の再開に至る経過について>
(1)退職手当見直し問題については、2001年5月から総務省が民間実態調査に入ったが、その結果の集約については、行革推進事務局の公務員制度改革の動向も踏まえながら慎重に作業を進めることとし、今日まで結果発表が行われないまま推移してきている。退職手当を所管する総務省人事・恩給局と連合官公部門連絡会との交渉・協議も、2001年2〜5月にかけて民調の方法等について一応の区切りをつけて以降、調査結果の集約待ちの状態となり、事実上今日まで中断した形となっている。
(2)この間、政府内の来年度予算編成作業をめぐる検討の中で、人件費削減の項目として退職手当の削減が急浮上。6月25日の「骨太方針第2弾」の閣議決定を契機に検討が本格化し、7月23日の閣僚懇談会の席上、小泉総理が見直しを指示するなど、退職手当削減は内閣の政治的課題として位置づけられてきた。その後、マスコミでも退手削減のキャンペーンが行われ、情勢は次第に切迫したものとなってきている。また、8月末の経済財政諮問会議の集中審議でも審議が行われ、退職手当の見直しは政治的には小泉内閣の規定方針となりつつある。
(3)総務省人事・恩給局は、こうした情勢の急展開を踏まえ、これ以上作業を引き延ばせなくなったとの判断から、早急に民調結果や官民比較の結果を公表する方向で作業を進めたいとして、連合官公部門連絡会に対して交渉・協議の再開を申入れてきた。
連合官公部門連絡会共同事務局は、情勢の急展開を踏まえ、交渉・協議の再開自体はやむを得ないとしても、昨年5月時点での交渉・協議の経過を踏まえ、民調結果や官民比較の方法とその公表のあり方についても十分交渉・協議し、合意を得るよう強く求め、折衝を重ねてきた。しかし、早急に民調結果や官民比較の結果を公表したいという総務省の姿勢は堅く、いつどのような形で公表するかの問題についての折衝は難航し、継続中となっている。
(4)こうした折衝経過を踏まえて連合官公部門連絡会は、4日午後、合同専門委員会(公務員連絡会労働条件専門委員会、国営企業労働条件対策委員会)を開いてこうした経過を報告し、総務省に一方的な作業を行わせないためにも退手見直し問題に関わる交渉・協議を再開することを確認。同時4時30分から総務省人事・恩給局参事官と合同専門委員会の交渉メンバーが、民調結果や官民比較の方法等について緊急に交渉・協議を実施し、それらの問題についての交渉・協議を継続することを約束させた。
 一方、共同事務局としては、情勢の急展開を踏まえて早急に官公部門の書記長会議等を実施(9日午後3時予定)して対応方針を協議し、官民比較結果等の公表のあり方やその後の交渉・協議のあり方について、総務省人事・恩給局長との交渉を実施する方向(17日の週の前半に予定)で調整を行うこととしている。

<総務省人事・恩給局との交渉・協議の経過について>
 4日午後4時30分から行われた総務省人事・恩給局上田参事官との交渉・協議には、連合官公部門連絡会合同専門委員会(公務員連絡会4、国営企業4、社保専門委員長)の交渉メンバーが出席した。
 冒頭、上田参事官は、今般、退職手当見直しの交渉・協議を再開した趣旨について、次の通り説明した。
(1) 退職手当については、平成13年3月から民間調査を実施してきており、現在取りまとめ作業が最終段階に入っている。平成13年12月までに最終的な回収作業を終え、その後、集計・分析作業を行ってきた。職員の生活に与える影響が相当大きいことから、民間の退職金支給の動向を的確に反映できるよう、慎重に調査・研究してきたところである。
(2) 一方、本年の人事院勧告後、マスコミはじめ各方面から、早急に見直すべきとの論議が巻き起こっている。そうした中で、民間実態調査に対する関心も高まってきていると認識している。
(3) 退職手当を取り巻く情勢は、調査開始時点から大きく変化してきている。行政を取り巻く厳しい情勢を踏まえると、調査をしておきながら外向けに何も出さないというわけにはいかないと思っており、遅滞なく公表していくことが必要である。あわせて、内外の関心の高い官民較差についても公表していくことが不可欠である。タイムリーな公表は、調査結果に対する信頼を確保するためにも重要と考えており、ご理解願いたい。
(4) 官民比較方法については、官民の退職者構成の違い(勤続年数、退職事由)があることから、その違いをならすため、国家公務員基準のラスパイレス比較が適当ではないかと考えている。
(5) 調査結果と官民較差の公表後は、退職手当見直しのための法案作成作業を進めることになるが、その過程でも職員団体の皆さんのご意見を十分たまわって参りたい。

以上