連合官公部門情報
2002年10月24日

退職手当見直しで人事・恩給局長と交渉−10/24
 連合官公部門連絡会に設置された退職手当見直し対策委員会交渉委員は、10月24日午前10時から総務省人事・恩給局長と交渉を行い、退職手当の見直しに関わる総務省の作業状況と現段階の考え方を質した。
 退職手当見直し問題については、9月20日、平成11年度に支払われた官民の退職金比較調査に基づき、官の方が5.6%高いとの結果を公表し、9月27日には、「民間企業退職金実態調査に基づき支給水準を見直すこととし、これにともなう関係法律の改正案を次期通常国会に提出する」との基本方針が閣議で確認された。

 交渉では、冒頭、官公部門側が、現段階における総務省側の見直しに関わる基本的考え方と法案策定作業の進捗状況を質した。これに対し久山人事・恩給局長は、「現在、5.6%の官民較差という調査結果に基づき、鋭意、作業を進めているところである。官民の比較時点が平成11年度であることに対する厳しい指摘もあり、改正法案についてはなるべく早期に較差を解消するという基本的立場で作業を進めたいと考えている。なお、見直しにあたって、関係方面との調整を進めているところであるが、政府内においてかなり厳しい意見が出ており、環境は極めて厳しいものと認識している。このことについては、皆さんの意見を十分聞きながら進めていくよう努力していくが、われわれを取り巻く状況は極めて厳しいということを認識していただきたい」と回答した。
 これに対し官公部門側は、「この件を取り巻く状況は極めて厳しいということだが、実施時期や経過措置をどうするのかを含め、われわれとの交渉・協議を通じ、合意に基づき実施されるべき事柄である。この間の交渉を通じ、何のために臨時国会ではなく通常国会としたのかについて重く受け止めていただきたい。信義にもとるようなことは絶対に行うべきではない」と、総務省側を牽制しつつ、見直し法案の中味についての考え方を明らかにするよう迫った。
 総務省側は、これに「9月27日の閣議では、通常国会に法案を提出するとされたところである。問題は実施時期であり、われわれを取り巻く状況からこれが大きな課題となってきている。具体的な中味については、5.6%の較差という数字に基づきこれを埋めるため、法律にどう表現するかを検討している最中であり現段階で提示できるものはないが、これまでの見直しの経過を参考にしながら改正内容を検討していきたい。また、5.6%の官民較差は行政職(一)表の職員を比較対象として算出されたものだが、他の俸給表適用者についても一律に適用するということで検討を進めている。いずれにせよ年内には法案についての考え方をまとめたい」と応じた。

 退職手当見直し対策委員会交渉委員は、最後に、「取り巻く状況は大変厳しいということについては容易に想像がつく。しかし、退職手当は重要な賃金労働条件であり、政治の圧力で可変すべきものではない。通常国会に提出するとしても、予算関連で法案提出し、来年4月から実施という考え方であれば、これまでの『十分交渉・協議を行うとの約束』を反故にするものであり認められない。われわれとしても見直しにあたっての考え方を取りまとめ、近々、提示したいと考えているので、交渉・協議に基づいて法案の中身を固めるようにしてもらいたい」と念押しし、本日の交渉を終えた。
 対策委員会側は、今月末か来月冒頭には、連合官公部門連絡会としての要求を総務省側に提示し、その実現を迫ることとしている。

以上