2004年度公務労協情報 10 2004年1月26日

公務公共サービス労働組合協議会

寒冷地手当見直しについて人事院が説明−1/26
−「民間準拠を基本とした抜本的見直し」を「今夏に勧告」の基本方針提示−

 人事院は、26日午後、公務員連絡会に対して、寒冷地手当見直しの基本方針を説明してきた。寒冷地手当については、昨年の人事院報告で見直しの考え方が提示されるとともに、10〜11月に民間実態調査が行われ、公務員連絡会や全国寒対協との話し合いも進められてきたが、本日、人事院としての基本方針を示したものである。説明会には、公務員連絡会労働条件委員会が参加し、人事院は鈴木職員団体審議官、宮本参事官が対応した。
 冒頭、鈴木審議官が、人事院の基本方針として、別紙の「寒冷地手当の見直しについて」を説明するとともに、@調査結果の集計を今後進めていくが、最終的に別紙の参考に記したような傾向が確認されれば、北海道以外は支給地域として維持するのはかなり難しい、A支給水準の集計はこれからであるが、既存の調査結果が確認されることになれば、現行の国家公務員の寒冷地手当の4〜5割という数字が出てくる可能性が高い、と今後の見通しを述べ、「今後、こうした点を含めて議論することにするが、現在は戦後設けられた経緯もあり寒冷地手当法に基づいて支給されているが、今日時点でもそのあり方が妥当かどうかを議論していかなければならない」との見解を示した。
 公務員連絡会側は、別紙や審議官の見解について、@基本方針では「本年夏の勧告で見直しを行う」という言い切り型の表現になっているが、これはあくまで人事院の現時点での姿勢、考えであり、われわれや寒対協との話し合いの結果に基づいて結論を得ることになると受け止めてよいか、A「今後の見通し」は人事院の考えか、審議官の見解か、B「支給方法等」とはなんのことか、C調査結果はいつまとまるのか、D手当が基本給に含まれているということはないのか、と審議官の見解を質した。
 これに対し審議官は、@お示ししたのは、人事院としては本年夏に勧告しなければならないと考えているということであり、最終的にどうするかは夏の時点で決まることになる、A「今後の見通し」の話は、審議官としての見解である、B「支給方法等」は、一括支給かあるいは分けて支給するか、また、世帯単位の支給をどうするかなども含めて全般的に検討する必要があるということだ、C調査結果のとりまとめはなるべく早くできるよう作業を進めているがまだいつとは言えない、D基本給に含まれている場合にはそれを調査しているが、ほとんどない状態であり、(それによって手当の額が過小になるという)影響はないのではないか、との考えを示した。
 最後に小林労働条件専門委員長が、「きょうの人事院の提案を持ち帰って部内で検討し、来週にも改めて申し入れを行う。そこから、交渉・協議のスタートだ」と、今後の交渉・協議に十分対応するよう要請、人事院もこれに同意した。

 寒冷地手当見直しに対して公務労協はすでに対応方針を決定し、寒対協と共同で今月末段階から署名行動などに取り組むこととしている。本日の人事院の提案を受け、公務員連絡会として来週中にも申入れを行い、見直しを巡る交渉・協議を正式にスタートさせ、3月12日には中央行動を実施することとしている。


資料−人事院の説明内容

寒冷地手当の見直しについて(平成16年1月26日)


 寒冷地手当については、昨秋以来、関係団体等とも意見交換をしながら民間の実態把握等に努めてきたところであるが、同手当を巡る状況は非常に厳しく、本年夏の勧告において、寒冷地手当制度全体の抜本的な見直しを行うことが不可避であると考える。

見直しの基本方針
(1)今回の見直しでは、民間準拠を基本として支給対象地域及び支給額の見直しを行うとともに、支給方法等全般にわたって抜本的見直しを行うこととする。
(2)見直しは本年夏の勧告において行うこととする。
(3)見直しに当たっては関係団体等とよく意見交換しながら作業を進めることとする。

(参考)
 民間事業所における寒冷地手当の支給状況等については現在調査結果を集計中であるが、同手当支給事業所の割合を道府県別にみると概ね北海道では約81%、青森県では約25%、その他の府県では20%以下となっている。

以上