2004年度公務労協情報 55 2004年8月25日
公務公共サービス労働組合協議会
 公務員労働組合連絡会

杉浦官房副長官への申入れ実施−8/25

 公務員連絡会丸山議長と人見・森越副議長および山本事務局長は、25日、午後2時10分から首相官邸で杉浦官房副長官と会い、本年の人事院勧告の取り扱いに関わる申入書(別紙、内容は6日付公務労協情報bT2掲載の申入書と同じ)を提出した。この日の申入れは、6日の総務大臣、厚生労働大臣への申入れに引き続いて行われたもので、政府側は伏屋官房副長官補、太田政策統括官らが同席した。
 冒頭、丸山議長は、申入書の内容を説明し、@本年の人事院勧告については不満な点もあるが、勧告通り実施することA地域給与見直し報告については、地域別官民較差に基づいて俸給表水準を一律に引き下げる手法については反対であること。地域給与・給与制度見直しは基本的な賃金労働条件であり、組合との十分な交渉協議を行い、人事院に対して拙速な勧告を行わない旨申し入れること、を要請した。
 これに対して杉浦官房副長官は、「政府としては勧告通り実施する方針である。できるだけ早く閣議決定できるようにしたい」と述べ、「公務員連絡会側の意見については責任を持って官房長官に伝える。労使の円滑なコミュニケーションがはかれるよう努力したい」との見解を示した。
 この見解を受けて公務員連絡会側は、次に、「経済財政諮問会議の答申に基づいて閣議決定された骨太方針2004では、地域給与見直しや地方公務員の給与水準について政治的方向付けをするような記述がある。これは労働基本権制約の代償措置である人事院勧告制度の否定ないしは形骸化につながるものであり、極めて遺憾である。方針案とりまとめに当たって、当該の組合には一回のヒアリング要請さえなかった。今後はこうしたことがないようにすべきだ」と求めたのに対し、副長官は「労使の意思疎通が大切だ。経済財政諮問会議を担当している竹中大臣にもその趣旨を伝えたい」と応じた。
 最後に組合側は、公務員制度改革の中で公務における労使関係制度をきちんと整備するよう重ねて求め、この日の申入れを締めくくった。


(別紙)

2004年8月25日


 内閣総理大臣
  小 泉 純 一 郎 殿

公務員労働組合連絡会  
議 長 丸 山 建 藏



本年の人事院勧告・報告に関わる申入れ


 常日頃、公務員労働者の処遇改善にご努力頂いていることに心から感謝申し上げます。
 さて、人事院は6日、月例給・一時金を据え置き、教育職(二)(三)表を廃止するなどの給与勧告と寒冷地手当見直しの勧告を行いました。
 民間賃金の動向からして、月例給については当然のことといえますが、一時金の据え置きについては期待が大きかっただけに納得がいきません。また、寒冷地手当の見直しについても、該当地域にとって極めて厳しい内容であり、不満といわざるを得ません。しかし、人事院勧告が労働基本権制約の代償措置であること、公務員給与を巡る極めて厳しい状況のなかで6年ぶりに年間総収入が確保されたことなどを踏まえ、本年の人事院勧告については勧告通り実施すべきものと考えます。
 地域給与見直し報告に対しては、われわれは、地域別官民較差に基づいて俸給表水準を一律に引き下げる手法については反対です。貴職におかれても、給与構造の見直しが重大な勤務条件の変更事項であり、人事管理にも大きな影響を与えることを認識し、使用者としての立場と責任において人事院に対して拙速な勧告を行わないよう申し入れることを求めます。
 以上のことから、下記事項を申し入れますので、その実現に向けて最大限努力されるよう、強く要請します。



1.本年の人事院勧告については、勧告通り実施すること。

2.地域給与・給与制度見直しに当たっては、使用者の立場と責任を踏まえ、われわれと十分交渉・協議のうえ、人事院に対して拙速な勧告を行わないよう申し入れること。

以上