2005年度公務労協情報 43 2005年8月2日
公務公共サービス労働組合協議会
 公務員労働組合連絡会

人勧期最後の中央行動実施-8/2
本年の較差マイナス・一時金微増、給与見直し勧告明言、勧告日来週後半か

 公務員連絡会は、2005人勧期闘争最終盤の2日、第5次中央行動を実施し、人事院に対して誠意ある回答を迫った。この行動は、7.22第4次中央行動時の交渉で人事院の回答が極めて不満な内容に止まったため、要求実現に向けさらに行動を強化する必要があるとの認識に基づいて実施されたもの。各構成組織は、この中央行動に合わせて職場集会や人事院への要請打電など、第4次の全国統一行動を実施した。この行動を背景に行われた書記長クラスと給与局長との交渉では、@一時金は微増となるものの本年の官民較差がマイナスとなることA地域給与・給与制度見直し勧告・報告は行うことを前提に最終作業を行っていること、などの厳しい回答が示された。これに対して公務員連絡会は、最終の総裁交渉で要求を踏まえた誠意ある回答を示すよう、強く求めた。
 これに先立って行われた公務員連絡会の企画・幹事合同会議では、来週後半と想定される勧告日まで、これらの重点ポイントに対する回答を求めてギリギリの努力を行うことを確認した。

 午後3時から日比谷大音楽堂で開かれた中央決起集会には、全国の仲間3千人が参加。佐藤副議長(全水道委員長)を議長に選出。冒頭主催者を代表して挨拶にたった丸山議長は「2005人勧期の闘いの最終場面を迎えているが、人事院は今年地域給与や給与制度見直しの勧告を行う決意を固めている。勤務実績反映の給与制度の問題をはじめ、多くの課題についてわれわれ側の闘う決意としっかりした対応が求められている。公務員連絡会は、総裁交渉のギリギリの段階まで人事院の誠意ある回答を求めてがんばる」と、残された時間は少ないが公務員連絡会の要求を反映するよう最後までがんばるとの決意を表明した。
 続いて、山本事務局長が基調報告にたち、本日の給与局長交渉に臨む姿勢を報告。
 構成組織の決意表明には、都市交・林中央執行委員、税関労連・鬼塚副委員長が登壇し、公務員連絡会に結集して最後まで闘い抜く決意を表明した。
最後に丸山議長の音頭で団結がんばろうを三唱して集会を終えた全参加者は、人事院前に場所を移して交渉支援行動を実施、2005人勧期最後となる怒りのシュプレヒコールをあげた。
 この日行われた人事院給与局長との交渉経過は次の通り。

<人事院給与局長交渉の経過>
 人事院山野給与局長との交渉は、午後3時50分から行われ、公務員連絡会側は書記長クラス交渉委員が臨んだ。
 冒頭、山本事務局長が、「本日は事務レベルの最後の交渉であるので、われわれが納得できる回答をお願いしたい」とし、見解を求めた。
 これに対して、山野給与局長は、以下の通り回答した。

1.本年の給与改定関係
(1) 較差・特別給について
@較差はマイナスの見通しである。
A特別給は、最小限の増加は期待できるかもしれない見通しである。
(2) 配分について
@俸給表と手当の改定を考えている。
A俸給表は一律的な改定を考えている。
B給与引下げに伴う年間給与の調整については、平成15年(2003年)の方式を考えている。
(3) 今年度の改定と来年度からの制度改正との関係について
 今年度分の改定俸給表と、そこからさらに5%程度引下げ、号俸分割等した俸給表の双方を作成し、前者は今年度に実施、後者は来年度から実施されるよう勧告する。

2.地域給与・給与制度見直し関係
(1) 俸給表引下げ率
 最も低い地域ブロックの官民比較の3年平均を指標とする方向で検討中である。なお、俸給の調整額についても整合するよう調整基本額見直しを検討中している。
(2) 号俸延長
 現在の枠外者の少なくとも過半数をカバーするよう検討中である。
(3) 55歳昇給停止
 これまで申し上げてきたように難しいが、なお検討はする。
(4) 地域手当
 要望を踏まえ、引き続き検討中である。
(5) 勤務実績反映
 組合の意見は重く受け止め、なお引き続き検討する。
(6) 本府省手当
 ご意見も踏まえ、実施の時期については、引き続き検討する。
(7) 経過措置
 ご要望は十分承知している。一方、5年程度で新制度を段階的に完成していかなければならず、財源的にどこまで可能か、引き続き検討中である。
(8) 広域異動手当
 60km以上300km未満の場合3%、300km以上の場合6%、3年間を限度に支給する方向で検討中である。
(9) 特別調整額の定額化
 定額化に伴い、V種以下について、若干の改善の方向で検討中である。
(10) 専門スタッフ職俸給表
 5年程度内の実施を目途に準備を進める方向で検討している。
(11) 勧告日については、現在調整中である。

 以上のように、局長の回答は、@一時金は微増との見通しであるものの、本年の官民較差がマイナスであることA地域給与・給与制度見直しの勧告に踏み切ることを前提に最終検討を行っていること、などの極めて厳しい内容のもの。
 これに対し、公務員連絡会側は、@本年の官民較差のマイナス幅を極力抑え、一時金の月数増に最大限努力することA地域給与見直しに関わる俸給表引下げ率を極力抑制することB「55歳昇給ストップ措置」を廃止することC地域手当についての公務員連絡会のポイントを踏まえた誠意ある回答を示すことD本府省手当は本年勧告しないことE激変緩和措置として「現給保障」を明確にすることF勤務実績反映の給与制度見直しは行わないこと、などについて局長の見解を迫った。しかし局長は、「現在検討中であり、わたしの段階ではこれ以上は答えられない」とし、当初の回答を越える見解を示さなかった。
 そのため、公務員連絡会側は、「われわれの要求や意見を重く受け止め、最終の総裁交渉では誠意ある回答を行う」よう求め、事務レベルの交渉を締めくくった。

以上