2007年度公務労協情報 47 2007年10月15日
公務公共サービス労働組合協議会
 公務員労働組合連絡会

早急な人勧取扱い決定求め秋闘第2次中央行動実施−10/15
−人事・恩給局長交渉を実施し、勧告通り実施の早期閣議決定を迫る−

 公務員連絡会は、15日午後、本年給与勧告の早期完全実施を求めて2007秋季闘争第2次中央行動を実施した。行動では、中央集会のほか、書記長クラスによる総務省人事・恩給局長や地公部会の公務員部との交渉を実施し、それを支援する行動を行い、給与改善勧告の完全実施を直ちに閣議決定することなどを要求した。
 この日の行動は、安倍前総理の突然の辞任で政治空白が生じ、本年の人事院勧告の取扱い決定の作業が遅れていることから、早期完全実施の閣議決定を実現することを最重要課題とし、あわせて地方公務員給与を改善し自治体間格差を拡大しないことなどを求めて実施したもの。
 中央集会は、13時30分から開かれ、社会文化会館ホールに全国から1千人の仲間が集まり、要求実現に向けた決意を固め合った。
 冒頭、主催者を代表して福田議長は「福田新政権は「自立と共生」を掲げ、見せかけの国民負担緩和を行っているが、総人件費抑制政策が強まることは必至だ。対抗軸を明確にして、なによりも政府の構造改革路線を転換させていかなければならない。人勧取扱いは、いまだ方向が見えてこない。厳しい情勢であり、不退転の決意で取り組みを進めよう」と正念場のたたかいへの決起を訴えた。続いて岩岬副事務局長が基調提起を行い、「福田内閣の公務員給与に対する姿勢は極めて慎重だ。閣議決定は月末にまでずれ込むこともあり得る厳しい情勢だ。政府が不完全実施を検討する作業に着手する場合には、組織の総力を挙げて第3次の行動に取り組むことを9日の企画調整・幹事合同会議で決めた。なんとしても本日の行動で完全実施に向けた道筋を切り開こう」と、早期完全実施に向け、全力で取り組む方針を提起した。
 構成組織決意表明には日教組・荘司副委員長、国公総連・三浦全財務副委員長、都市交・浅野副委員長、国交職組・岡崎四国地本委員長が登壇し、人勧完全実施、地方の格差拡大の阻止、公営交通の合理化反対、労働基本権の回復などに全力で取り組むとの決意を述べた。
 最後に福田議長の発声で「団結ガンバロー」を三唱して集会を締めくくった。集会終了後、参加者は、総務省前に移動し、「人勧の完全実施の閣議決定を行え」「地方の賃金格差拡大反対」「人事評価制度で交渉・協議を行え」「労働基本権を回復しろ」などと、シュプレヒコールを上げるなど交渉支援行動を繰り広げ、総務省人事・恩給局長交渉や公務員部との交渉経過の報告を受け、この日の行動を終えた。
 この日、午後2時45分から実施した書記長クラスによる総務省人事・恩給局長交渉の経過は以下の通り。なお、2時から実施した地公部会の公務員部給与能率推進室長交渉の経過は後日報告。

<総務省人事・恩給局長交渉の経過>
 総務省藤井人事・恩給局長との交渉は、人勧の取扱いの課題に絞って14時45分から行われ、公務員連絡会からは書記長クラス交渉委員が出席した。
 最初に山本事務局長が、10月19日の交渉以降の、本年人事院勧告の政府における検討状況、今後の見通しを質したのに対し、藤井局長は次の通り答えた。
(1) 8月8日の勧告を受けて8月10日に第1回の給与関係閣僚会議が開かれ、関係省庁が引き続き検討作業を進めようということになった。その後、関係省庁の議論を進めているが、人事院勧告を尊重すべきとの意見、最近の厳しい財政状況を考慮すべきとの意見があり、議論は平行線をたどっている。また、民間の経済状況や賃金・雇用情勢をどう見るかという点や公務員の不祥事等との関連で国民の理解がどうか、などという議論がなされている。
(2) 総務省としては、人事院勧告制度は労働基本権制約の代償措置であり、ルールににしたがって、引き上げる勧告がされれば引き上げるし、下げる勧告であれば下げるべきと考えている。財政事情については、これまでも厳しい財政事情の下で対応してもらって来ていることなどを申し上げているし、民間賃金の動向については単純なセンサスとの比較には反論し、国民の理解については、不祥事には厳しく対応することは当然とし、それと人勧の取扱いは切り離して考えるべきと主張している。
(3) 総務省としての基本姿勢であるが、人事院勧告制度の意義を十分理解していただいて、完全実施されるべきであるというスタンスで最大限の努力を払っていきたい。しかし厳しい状況であり、今後、議論がどうなるかは、今の段階では確たることを申し上げられる状況にないが、国会の会期が11月10日までであることを念頭に置き、早急に結論を得るべく努力している。

 これに対し公務員連絡会側が、@議論が平行線という中身は何かA第2回給与関係閣僚会議はいつごろ行い、3回目で決めるということか、と藤井局長の見解を質したところ、局長は、@月例給や一時金についてどこをどうするということではなくて、基本的認識の問題で平行線ということであるA2回目の給与関係閣僚会議をいつやるかは言える段階ではないが、国会の会期を考えてできるだけ早期に開いてもらうよう努力しているということだ。ここ数年の中で極めて厳しい状況にあると認識しており、2回目で結論が得られるという甘い見通しは持っていない。いずれにしろ、長年の慣行である年内支給を実現するためには臨時国会で法案が改正される必要があり、いま必死に努力中だ、との考えを示した。
 こうした局長の見解を受けて最後に山本事務局長は「会期末を考慮に入れれば、もはや時間的猶予はない。総務省として完全実施に努力しているとの見解は承ったが、重要なのは結論だ。公務員労働者の期待を裏切らないよう政府が早急に完全実施の閣議決定を行うよう最大限の努力を要請する」と強く要求し、交渉を締めくくった。

以上