2007年度公務労協情報 6 2006年11月10日
公務公共サービス労働組合協議会
 公務員労働組合連絡会

給与法改正法案が参議院本会議で成立−11/10
−参院総務委で高嶋議員が評価第2次試行の開示、苦情処理で政府を追及−

 2日に衆議院で可決された給与法改正法案は、9日の参議院総務委員会で審議、全会一致で可決され、10日の参議院本会議で可決され、成立した。
 この給与法改正案を巡っては、衆議院では民主党の西村智奈美議員、森本哲生議員、社民党の重野安正議員が、参議院では民主党の高嶋良充議員、社民党の又市征治議員が、政府の要請に基づく官民比較方法の一方的な見直しの問題点について、政府、人事院を厳しく追及した。
 また、参議院では高嶋議員が「新たな人事評価の第2次試行」について、@当局側が一方的に評価するという古い勤務評定制度に代えて新しい評価制度をやるのであれば、信頼性を確保するため評価結果の開示が必要ではないかA新しい評価制度の下における苦情処理システムは労使で構成すべきではないかB制度の設計に当たっては組合と十分協議すべきだCもうそろそろ本格実施をやることを明確にすべきではないかと追及したのに対し、菅総務大臣は「現行の勤務評定制度の問題点を改善して職員から信頼され、実際の人事管理に活用できる制度を構築することが重要な課題であり、1次試行では助言・指導は行われているが評価結果を開示していない省庁も見られた。透明性、納得性の確保がきわめて大事なのでそういう方向で指導していきたい。評価結果のフィードバックのあり方や苦情処理システムの構築などは評価に対する信頼性確保の観点からきわめて重要と思っており、職員団体とは今後も十分意見を交換していきたい」、「本格実施は公務員制度改革全体の検討と関わり、確たることは申し上げられないし、試行を積み重ねる中で進めていく必要があるが、私もいたずらにいつまでも試行をやっている時期ではないと思っているので、そうした方向性はわたしの責任で出していきたい」と、谷人事院総裁は「職員団体の理解を得ることが肝要であり、引き続き関係者間で協議を行っていくことが不可欠と考えている」との見解を示した。
 公務員連絡会では、第2次試行について、以上のような国会審議も踏まえながら、来週にも総務省人事・恩給局長交渉を実施することにしている。
 なお、参議院総務委員会でも衆議院同様に附帯決議が採択されており、その内容は、以下のとおりとなっている。

一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議

平成18年11月9日
参議院総務委員会

 政府及び人事院は、本法施行に当たり、次の事項に配慮すべきである。
一、人事院は、中立・公正な第三者機関として、官民給与の精確な比較等により公務員給与の適正な水準の維持・確保に努めること。
二、人事院は、俸給の特別調整額の定額化について、民間企業における役付手当の実態などを踏まえ、管理職員の職務・職責が的確に反映されたものとなるよう努めること。
三、行政の多様化、複雑・高度化に対応するため、専門スタッフ職俸給表の新設については、各府省における複線型人事管理の取組状況等を踏まえ、具体化を図るよう努めること。
四、政府は、育児のための短時間勤務制度及び自己啓発等の休業制度について、人事院の意見の申出に基づき、関係法案を速やかに提出するよう努めること。
五、公務員制度改革を検討するに当たっては、労働基本権の在り方も含め、職員団体等の意見を十分聴取し、理解を得るよう最大限努力すること。

 右決議する。

以上