2008年度公務労協情報 36 2008年6月20日
公務公共サービス労働組合協議会
 公務員労働組合連絡会

非常勤職員給与ガイドライン(案)で人事院交渉−6/19
−要求内容を取りまとめ、人勧期に向け交渉継続することを確認−

 公務員連絡会・賃金労働条件専門委員会は、19日10時から人事院交渉を実施し、非常勤職員給与の改善措置の検討状況を質した。
 この交渉は、公務員連絡会が、連合の「STOP! THE 格差社会」キャンペーンの一環として、公務部内の非常勤職員の雇用の確保と処遇の抜本的改善を要求してきた結果、人事院が、昨年報告で「必要な方策について検討」することを明らかにし、本年春の総裁回答では「非常勤職員について、本年勧告時を目途として、給与決定に係る指針の検討を進める」との姿勢を示し、具体的な検討作業を行っていたことから、その内容を明らかにさせるために実施したもので、人事院側は松尾参事官、川崎地域手当調整室長が対応した。
 冒頭、石原専門委員長が人事院における検討状況を質したのに対し、松尾参事官から「非常勤職員の課題については、公務員連絡会の要求もあり、昨年春にその調査を実施し、昨年8月の人事院勧告時に「同様の職務に従事しながら、所属する府省によって必ずしも均衡がとれていない事例も見受けられる」「非常勤職員の給与の実態の把握に努めるとともに、それぞれの実態に合った適切な給与が支給されるよう、必要な方策について検討していく」との報告を行った。これを踏まえ、昨年末から本年冬にかけて、給与実態の把握のための追加調査を各府省人事担当者からのヒアリングという形で行った。これらの調査によって、非常勤職員の給与について、同じ職務内容にありながら官署の違いにより差があることが判明した。このため、給与が適正に支給されるよう、指針、ガイドラインを作成することとし、本年8月の報告の中で示したいと考えている」との説明があり、川崎室長から、別紙「非常勤職員の給与に関するガイドライン(案)」について、次の通り、補足説明が行われた。

(1) ヒアリングの結果、非常勤職員の給与を決定するに当たっては、公務の俸給表をベースにする例と、民間の地域最低賃金をベースにする例の二つの方法が見られたが、非常勤職員の給与は常勤職員の給与との均衡が基本であるので、人事院としては俸給表をベースとすることが適当であると考えて、別紙の通りの考え方を示すこととしたい。また、非常勤職員は、職務も多種多様であることから、地域、職務経験、学歴、資格免許を考慮要素にすることにしたい。
 俸給表については、行(一)の係員は1級1号を最低限にしているので、事務補助の非常勤職員についてもそれを最低限にしていこうとの考えである。これにより、民間の地域最低賃金をベースにしている地方官署の中には引上げが必要になるところが出てくる。また、民間企業の経験年数があれば、前歴換算し行(一)の1級1号に号俸を足すということもあって良い。さらに、専門的知識を持った者として任用された非常勤職員の場合は、2級であっても構わない。
(2) 通勤手当については、実費弁償として支給されるものであり、厚生労働省の民間給与調査でも、7割で支給されている実態となっているため、相当する給与を支給するというものである。本府省では不払いはないが、地方では不払いが見受けられたので、支給することを明確にした。
(3) 期末手当については、通常の勤務をしていれば支給される手当であるので、勤務期間等を考慮の上、支給するよう努めることとするものであり、1日8時間週40時間勤務で6月以上勤務の職員については、極力支給するという趣旨を含んでいる。地方では、1日6時間、週3日勤務という職員も多く、支給基準日に在勤していない例もある。そこで、昭和30年の通知(34−144給与局長)と同様にフルタイムで6月以上は極力払うこととし、その他の場合も相当期間の場合には払うよう努めることとするものである。
(4) 各府省においては、非常勤職員の給与に関し、ガイドラインの1から3までの趣旨を実施するよう、規程の整備を求めることにしており、各府省にすでに要請したところである。
(5) ガイドライン案について、各府省からは来週末までに意見をもらうことにしている。なお、この基準をクリアできていない府省の場合には、財政措置も必要となってくる。

 これに対して、公務員連絡会側から、@ガイドラインが適切かどうかを判断するためには、実態を見る必要があるので、今回の調査結果を明らかにしていただきたいA今回の調査を給与に限定した理由は何かB休暇、社会保険も勤務条件であり、実態を把握して対策を講じるべきではないかCガイドラインは、いつ頃を実施時期として考えているか、について人事院の考えを質した。
 これらについて、人事院側から、次の回答が示された。
(1) 総裁も国会で調査を行っている旨を答えており、どういう形でまとめるか、いま検討しているところだ。
(2) 昨年の報告では、非常勤職員の「給与について必要な方策を検討していく」としたが、位置付け等については「検討を行う必要がある」としている。位置付け、雇止め等についても検討していく必要があるとの認識はもっており、大きな課題であるので関係者を含めた検討が必要と考えているが、具体的にどうするかについてまだ検討に着手していない。
(3) 休暇、社会保険の適用状況については把握していないが、休暇については、民間の状況を踏まえて民間と比べて劣らないよう人事院規則で措置しているところである。社会保険の適用については、短期雇用は適用除外になっているが、人事院は、適用基準についてものを言う立場にはない。
(4) ガイドラインの発出は、9月上旬をメドとしたい。

 最後に、公務員連絡会側は「位置付け、雇止めを含めた課題に対応するため、検討の舞台づくりをしていくべきだ」と強く求めるとともに、「明日20日に人勧期の要求書を提出するので、この非常勤職員の課題についても、8月の勧告時期にむけて、今後、具体的に議論をさせていただきたい。ガイドラインに対する要求内容は改めて提出する」と要請し、交渉を終了した。
 公務員連絡会では、本日示されたガイドライン(案)の内容について、職場の非常勤職員の実態を踏まえつつ、要求内容を取りまとめ、人勧期に向けてその実現をめざすことにしている。


(別 紙)

非常勤職員の給与に関するガイドライン(案)


1 俸給に相当する給与については、当該非常勤職員の職と類似する職務の常勤職員に適用されている俸給表の1級の初号俸の俸給月額を基礎として、職務内容、在勤する地域及び職務経験等の要素を考慮して決定すること。

2 通勤手当に相当する給与を支給すること。

3 相当長期にわたって勤務する職員に対し、期末手当に相当する給与について、勤務期間等を考慮の上、支給するよう努めること。

4 各府省においては、非常勤職員の給与に関し、上記1から3までの趣旨を実施するよう、規程を整備すること。

以上