2009年度公務労協情報 36 2009年 3月17日
公務公共サービス労働組合協議会
 公務員労働組合連絡会

人事評価結果の活用で人事院給与局長交渉−3/17
−実施規程の労使協議、制度の周知、評価者訓練徹底等を求める−

 公務員連絡会は、17日、新たな人事評価結果の活用について、人事院給与局長交渉を実施した。この交渉は、4月から新たな人事評価制度が本格的に始まり、その評価結果が任用や給与などに活用されることから、その最終的な確認を行うために実施したもの。
 交渉は、13時30分から行われ、公務員連絡会側は書記長クラス交渉委員が参加し、人事院側は吉田給与局長、福田人材局企画課長らが対応した。
冒頭、吉澤事務局長が、「新たな人事評価の活用措置案については、この間実務レベルで交渉・協議を積み上げてきた。本格実施が迫っていることを踏まえ、最終的に次の点について局長の見解を確認しておきたい」として、局長の確認を求めた。

@ 今後、各府省で実施規程や運用方針が定められていくこととなるが、その際、各府省においてそれぞれの組合と十分交渉・協議するよう人事院としても各府省に働きかけること。
A 本格実施に向けた準備として、制度内容の周知、評価者訓練などについて、総務省と協力して徹底した対応を行うこと。
B 活用開始後、その活用状況を点検し、組合に報告するとともに、活用のあり方について必要な見直しを行うこと。その際、われわれと十分交渉・協議すること。

 これに対し吉田局長は、「人事評価の給与等への活用に関しては、3月4日に改正案要綱を提示し、5日の団体審議官会見においてもご意見を伺ったところである。公務員連絡会の主な主張に関して改めて最終的な回答をする」とした上で、次の通り回答した。
(1) 評価結果の活用に関する制度の構築に当たっては、1年以上にわたり職員団体のご意見を伺い、議論をしてきたところである。
 本年4月から、今までお示しした内容の制度を実施することとしているが、制度実施後においても、円滑かつ公正な活用の実施がなされているか注視し、その確保を図って参りたい。
 また、制度導入後においても、その実施状況を踏まえ、特に必要があると認める場合には、職員団体や各府省のご意見を伺いながら、人事院として必要な対応をしていく所存である。
(2) 人事院としては、新たな人事評価制度が公正かつ適正に運営されるためには評価者訓練が重要であるとして、「評価能力向上研修」を開発し、各府省の人事担当者等を対象に指導者養成のための研修を実施し、また、要請に応じて各府省の評価者を対象とする研修に講師を派遣しており、現在までに相当数の者が受講している。制度施行後も引き続き、この研修を実施していくことにより、評価者の能力の向上を図って参りたい。
 また、評価結果の給与・任免等への活用制度については、各府省の実務担当者に対して規則等公布後に詳細な説明を行う予定にしており、各府省においても積極的に職員への周知を行って頂きたいと考えている。

 局長の回答に対し、吉澤事務局長から「われわれは「納得性のある人事評価の円滑な導入」を目標に交渉・協議を進めてきた。活用のあり方については、地方の1年繰り延べなど、いろいろ努力をいただいた面もあるが、この間の地方の取組み状況からして、到底それで十分とは考えていない。しかし、本格実施が目前に迫っており、いま局長から、本格実施後、活用状況を点検し必要な見直しは行うことや評価者訓練や周知を行う、という見解が示されたことを踏まえ、中央における交渉は一区切り付け、以後は、各府省段階の交渉・協議に移っていきたい」と述べ、中央における交渉については区切りを付けることとした。
 続いて、国公各組合から、次の通り要望を行った。
(1) 評価結果を活用した研修については検討中としてまだ示されていないが、研修計画を立てる時期でもあるので、できるだけ早く、各府省・組合に示していただきたい。人材育成への活用についてもメニューを示していただきたい。
(2) 本府省以外では本府省の1年後から活用されることになるが、本府省から地方に異動した場合の取扱いの結論が得られていないので、具体的取扱いを示していただきたい。
(3) リハーサル試行での組合員アンケート結果では、どう活用されるのかが分からず、不安を持っている者が多かった。また面談が1〜2分という例もあった。制度の周知と評価者訓練をしっかり行っていただきたい。
(4) 「専ら併任者」について、仕事を見ていない人から評価結果を聞いても納得できないという声が多いので、工夫するよう指導していただきたい。
(5) 新たな評価制度については、まだまだ理解が不十分であり、組合としても周知を図っていくことにするが、人事院としても、新しい制度が1日も早く定着するようリーダーシップを発揮してほしい。
 これに対して吉田局長からは、「給与局は人事評価制度のユーザーということになるが、評価そのものがうまく行われないとすれば問題であり、評価が適正に行われることが大前提である。人事院内の関係部局を含め、信頼が得られる評価ができるよう努めたい」との考えが示された。
 最後に吉澤事務局長が「総務大臣との間でも、「納得性のある、信頼性の高い人事評価制度を目指して、引き続き意見交換を行っていく」ことを確認したところであり、人事院としても、今後、引き続き誠意ある対応をお願いしたい」と強く要請し、交渉を締めくくった。

以上