2009年度公務労協情報 74 2009年 8月24日
公務公共サービス労働組合協議会
 公務員労働組合連絡会

書記長クラスが人勧取扱いで人事・恩給局長交渉−8/24
−明日(25日)給与勧告通り実施を閣議決定へ−

 公務員連絡会吉澤事務局長ほか書記長クラス交渉委員は、24日16時30分から総務省で村木人事・恩給局長と交渉を持ち、2009人勧取扱いの検討状況などについて今日段階の政府の見解を質した。これは、勧告日の8月11日に提出した要求書に対する回答を求めて行ったもの。
 これに対して村木局長は、「明日、第2回給与関係閣僚会議が開かれ、国家公務員の給与について勧告どおり改定する旨の決定がなされると見込んでいる」と、明日(25日)、2009人勧を勧告通り実施する閣議決定を行う見通しであることを明らかにした。 回答に対して吉澤事務局長は、「勧告の内容には不満であるが、それはさておいても、勧告からわずか2週間で決定することは極めて遺憾」と強く抗議し、今後、超過勤務手当割増率の見直しや育児休業法改正の意見の申出の取扱い、高齢雇用施策の検討、非常勤職員の任用制度見直し等について十分話し合うよう要請した。
 明日の閣議決定を受けて政府は、給与法改正法案の策定作業に入るが、選挙後の政治日程が不透明であることから、公務員連絡会は、総選挙後の新政権の動向を踏まえて取組み方針を決定し、適切に対応していくことにしている。
 交渉経過は次の通り。

<人事・恩給局長交渉の経過>
 16時30分から行われた交渉の冒頭、公務員連絡会側が2009人勧取扱いの検討状況を質したのに対し、村木局長は次の通り見解を示した。
(1) 本年度の国家公務員の給与改定については、去る8月11日に人事院勧告を受け取って以来、関係府省間で検討を進めてきたところである。総務大臣からも、国の財政事情をはじめ国家公務員給与を取り巻く環境が極めて厳しい中、給与関係閣僚会議において、労働基本権制約の代償措置の根幹をなす人事院勧告制度を尊重すべきとの立場で意見を申し上げてきた。
(2) その結果、明日、第2回目の給与関係閣僚会議を開いていただくことになり、そこでは、国家公務員の給与について勧告どおり改定する旨の決定がなされるものと思っている。給与関係閣僚会議で決定がなされれば、その後の閣議において政府として取扱方針が決定されることになる。
(3) 本年の給与改定は、職員の皆様にとって厳しい内容となるが、何卒御理解願うとともに、今後とも、国民の信頼にこたえ、公務能率及び行政サービスの一層の向上に努めていただきたい。

 これに対して吉澤事務局長は、次の通り見解を述べ、今後、給与勧告以外の課題については十分交渉・協議を行うことを約束するよう強く迫った。
(1) 明日、給与勧告通り決定するとのことであるが、われわれは、勧告内容が厳しいものであり、職員の士気に係る課題であるだけに十分な交渉・協議を行うよう求めてきた。その上で、使用者として、職員の納得を得るメッセージを発するべきではないか。勧告からわずか2週間のしかも選挙期間中のこの段階で拙速に決定することは極めて遺憾である。
(2) 意見の申出、育児休業法等の改正について、どのように対応するのか。
(3) 今後、給与法改正法案、超過勤務手当割増率の見直し等の作成作業の過程においては、われわれと十分交渉・協議を行うことを約束していただきたい。超過勤務手当については、割増率の引き上げが行われても、支給される手当額が増えない、つまり未払い超勤の取扱いを含め抜本的に超過勤務を縮減する必要がある。労使でできることを本気で話し合う必要がある。
(4) 高齢雇用施策について、人事院は段階的に65歳までの定年延長を行うこととし、来年中に意見の申出を行うことを報告している。他方、国家公務員制度改革推進本部の工程表では、再任用の原則化を行い、その後、定年延長を行うかどうかについて検討することにしており、明らかに食い違っている。われわれは年金と雇用の接続は定年延長で行うべきと考えており、勤務条件に係る事項について第三者機関である人事院が指摘したということを踏まえ、われわれと十分話し合いながら進めていただきたい。
(5) 非常勤職員の任用制度の見直しについては、人事院としては年度内に結論を出すということなので、総務省も非常勤職員の雇用の安定と処遇の改善に繋がる仕組みとなるよう前向きに対応していただきたい。検討に当たっては、われわれと十分交渉・協議を行っていただきたい。

 要請に対し、村木局長は、「育児休業法等の改正等については、民間に準じた取扱いとして、意見の申出に基づく対応が当然である。この他指摘された事項については、今後とも、皆さんとは十分に話し合って参りたい」と答えた。
 最後に、吉澤事務局長が「明日の閣議決定は納得できるものではない。改めて、十分な交渉・協議を実施することを強く求める」ことを指摘し、交渉を締めくくった。

以上