2009年度公務労協情報 76 2009年10月 9日
公務公共サービス労働組合協議会
 公務員労働組合連絡会

人勧取扱い等で原口総務大臣交渉を実施−10/9
−大臣は「勧告どおり実施すべく給与法改正法案の策定を進める」と回答−

 公務員連絡会は、9日、原口総務大臣と会い、本年の人事院勧告の取扱いなどについて、新大臣の見解を質した。

左側が中央が公務員連絡会岡部議長代行、右側の手前中央が原口大臣

 交渉は、15時から総務省内で行われ、公務員連絡会側から委員長クラス交渉委員が参加し、総務省側は原口大臣、階政務官らが対応した。冒頭、岡部公務員連絡会議長代行は次の通り述べ、原口大臣の見解を求めた。

(1) 大臣就任おめでとうございます。新政権が、「国民生活第1」を掲げ、これまでの新自由主義的な政策の転換を目指して奮闘されていることに心から敬意を表する。是非、国民生活の安心・安全の確立に向けて行政の最前線で働いているわれわれの声も反映していただければと考えているので、よろしくお願いする。
(2) さて、人事院勧告制度は労働基本権制約の代償措置であり、政府としてそれを尊重し、十全に機能させることは当然のことである。本年の人事院勧告は、月例給、一時金とも大きなマイナスとなる厳しいものであり、われわれとしては、生活に影響を与える不満な内容であるが、これが民間の実勢を反映したものであればやむを得ないものと考えている。新政権として本年の人事院勧告の取扱いについてどのような方針で臨むのか、国家公務員の育児休業法の改正の取扱いも含め、給与担当大臣としての総務大臣の見解を伺いたい。
(3) また、地方公務員の給与改定については、本来、地方自治の本旨に則って地方自治体毎の労使交渉に基づいて自主的に決定されるべきものと考えており、自宅に係る手当を含め中央政府が「こうあるべき」として「指導」すべきものではないと考えているが、この点についても大臣の見解を伺いたい。

 これに対し、原口大臣は次の通り考えを明らかにした。
(1) 公共サービス基本法の提案者として法案を成立させていただいたが、公務に働く皆さんの権利、労働環境条件の整備が何よりも大事なことだと思っている。
(2) 8月11日の人事院勧告の内容は、国家公務員の月例給0.22%マイナス、ボーナス0.35月引下げなど非常に厳しいものであるが、これは、昨年来の世界金融危機を受けて日本経済が深刻な状況に陥った結果、民間の労働条件が極めて悪化したことを反映したものと考えている。
 申し上げるまでもなく、現段階においてはなお、公務員の労働基本権が制約されている状況にあり、このような状況の下においては、労働基本権制約の代償措置の根幹をなす人事院勧告制度が尊重されるべきことは当然であるというのが私の基本姿勢である。私としては、本年の国家公務員の給与改定については、このような基本姿勢に立って、人事院勧告どおり実施すべく給与法改正法案の策定を進めていきたいと考えている。
 地方公務員についてもまさにお話の通りであり、公共サービス基本法の理念が貫徹できるように、各自治体の労使がきちんと話し合われることが大事だ。
 職員の皆様にとっては厳しい内容となるが、何卒御理解願うとともに、今後とも、国民の信頼にこたえ、公務能率及び行政サービスの一層の向上に努めていただきたい。
(3) また、しっかりと協議をしながら労働者の権利を保障することがこの政権の一番大きな政策であり、まさに労働を中心とした福祉型社会を作るため、むき出しの新自由主義ではなく、民間においても公務においても育児休業を始めさまざまな労働者の権利を保障することを、手を携えてしっかりと進めていく。
(4) 公務員制度改革においても、労働基本権の回復を俎上に載せて具体的に前進をしていきたいと考えている。今後とも、共同するパートナーとしてのご協力をお願いしたい。

 これらの大臣の見解について、岡部議長代行は次の通り述べ、引き続き交渉協議を行うことと併せて、労働基本権問題をはじめとする諸課題を解決するため、信頼関係のある労使関係を構築していくことを求めた。

(1) 勧告通り実施していくということであれば、われわれとしては、勧告の中身は厳しいものであるが、受け止めていきたい。また、引き続き、給与法改正法案、育児休業法改正法案作成作業の過程においても、われわれと十分交渉・協議してもらいたい。
(2) 公務をめぐっては、労働基本権確立を含む公務員制度の抜本改革が急がれているし、国の出先機関・独立行政法人の見直し、高齢者雇用施策や非常勤職員の問題など、さまざまな課題が山積している。これらの課題を解決していくためには、労使がお互いに責任を持って真摯に話し合い、問題を解決していくような信頼関係のある労使関係を構築していくことが必要だ。大臣には、是非、こうした労使関係を構築していくための使用者としての努力をお願いしたい。

 以上のように、原口大臣から、新政権としても人事院勧告通り実施するための給与法の改正作業等に取り組むとの姿勢が表明されたことから、公務員連絡会は、今後、給与法や育児休業法の改正作業等について、交渉・協議を強めていくことにしている。

以上