| 2010年度公務労協情報 18 |
2010年2月23日 公務公共サービス労働組合協議会 |
集会には全国から400名が参加、冒頭、主催者を代表して挨拶に立った中村公務労協議長(日教組委員長)は、「「基本法」成立は、公共サービスキャンペーンの第1段階の到達点だ。今、基本法の理念などについて、地方における条例化へ向けて、そして具体的に事務・事業を通じて公共サービスを再構築する活動の第2段階としてのスタート地点にある。取組みは「さあ、これから」だ。では、「さあ、これから」何をすればいいのか。そのための情勢認識と意思確認をし合う場が、本日の中央集会である。元気をつけて第2段階の運動をスタートさせよう」と述べ、第2段階の運動への決起を訴えた。
山口教授は、「民主党政権が目指すべき経済社会―ポスト新自由主義の理念と政策」と題して講演を行った。教授は、「政権交代は日本における第3の道のスタートだ。そのため、民主党はマニフェストに示された個別課題だけでなく、政権として何をしたいのかについて、理念や思想を明確にする必要がある」と指摘した上で、「具体的にはヨーロッパ型の社会を目指すべきだ。その際、世の中には商品化できないものがあり、医療、教育、労働を脱商品化することが新政権の課題であり、それが人間の尊厳を守るための最後の砦だ」と民主党への期待を述べた。そして公務労協に対し、「公共セクターの雇用が地域経済に重要な役割を果たしている。また、商品化してはいけないサービスを提供することが公務労協の役割だ。そこに市場競争的な原理を持ち込んではいけない。公共部門の労働組合は、地域社会を守るため、社会連帯の核として頑張ってもらいたい」と激励した。
続いてマーチン・マクアイバー氏は、「ユニソン(英国公務員組合)の公共サービスキャンペーン」と題して、英国における公共サービスキャンペーンの取組みと政権交代への対応についてユニソンの経験を披露した。英国では1997年に労働党が政権を取った結果、全国最低賃金、貧困と闘うための給付金等の引上げ、全国医療システムと教育への財政支出増などにより、公共サービスの質が向上し、ユニソン組合員の労働条件も改善し、地域経済も活性化したが、地方政府への権限移譲は部分的であり、公共サービスのさらなる民営化が進められるなど、よいことばかりではなかった現実を報告した。そのため、ユニソンは友好政党の政権のもとでも、公共サービスが多くの国民や経済全体にとって重要であるというキャンペーンを継続し、思いやり、公正さ、平等、連帯など公共サービスの価値を訴え、昨年秋からは"変化を求める百万人の声"キャンペーンを開始し、「公共サービスには投資が必要であり、削減や民営化が必要なのではない」ことなどを主張し続けていることなどを紹介した。そして、日本でも組合が支持してきた民主党が政権についていることに関わって、「自分たちの政策を実現するためには有権者に納得してもらうことが大事だ。たとえ労働組合に友好的な政権が誕生しても、労働組合としてはキャンペーンをやめるべきではない。ユニソンも皆さんのキャンペーンを支援する」と公務労協のキャンペーンに対するアドバイスと連帯を表明した。以上