2010年度公務労協情報 23 2010年4月9日
公務公共サービス労働組合協議会
 公務員労働組合連絡会

本年勧告に関わる民間給与実態調査について地公部会が全人連に要請−4/9

 公務員連絡会地公部会は4月9日、本年勧告に関わる民間給与実態調査についての全人連要請を実施した。
 午後2時35分から行われた要請には、阿部地公部会副議長(都市交委員長)はじめ地公部会幹事等が出席し、全人連側は、関谷会長はじめ都道府県人事委員会のブロック代表及び政令市の代表者が対応した。
 冒頭、阿部地公部会副議長が要請書(別紙)を手交して「2010春闘は大手の集中回答を終えたものの、すべての労働者の雇用確保と賃金・労働条件の改善を求めて厳しい取組みが続いている。各人事委員会におかれては、今後行われる民間の給与実態を精確に調査されるよう要請する。その上で、何点か申し上げる」として、以下の通り要請した。
(1) 地方公務員においては、財政難を理由とした特例条例による給与削減が6割を超える自治体で実施されている。各人事委員会においては、このような事態が常態化していることを重く受け止め、労働基本権が制約されている間においては、基本権の代償機関としての人事委員会勧告制度を十全に機能させるよう一層の取組みを強く要請する。
(2) 全国の自治体には、60万人とも言われる臨時・非常勤職員が働いている。「職員並みの仕事をしながら、「官製ワーキングプア」とも揶揄されるように賃金・労働条件は低く抑えられ、雇用も不安定な状態におかれている。各人事委員会の責任において、可能な取組みをもっと積極的に進めて頂きたい。

 続いて、藤川地公部会事務局長から、要請の内容を説明した。こうした地公部会の要請に対して、関谷全人連会長は以下の通り回答した。

全人連会長回答

2010年4月9日

 ただいまの皆様からの要請につきましては、確かに承りました。
 早速、役員府県市を通じて、全国の人事委員会にお伝えします。
 さて、最近の経済情勢についてですが、去る3月15日に発表された月例経済報告において、政府は、景気の基調判断を「着実に持ち直してきているが、なお自立性は弱く、失業率が高水準にあるなど厳しい状況にある」とし、先行きについて、「景気の持ち直し傾向が続くことが期待される」とする一方、「海外景気の下振れ懸念、デフレの影響など、景気を下押しするリスクが存在することに留意する必要がある」として、引き続き警戒感を示しています。
 民間賃金の状況については、3月31日に発表された「毎月勤労統計調査」において、2009年冬のボーナスが前年冬の実績に比べ過去最大の減少率となったという厳しい結果が示されています。
 また、本年の春季労使交渉では、3月中旬の大手企業の一斉回答において、定期昇給については維持とする一方、賃金改善についてはゼロ回答とする企業が大半を占める状況が見受けられ、今後の中小企業の回答を含めて、結果を注視していく必要があると考えております。
 今後、各人事委員会におきましては、5月初旬から、民間給与実態調査を人事院と共同で実施していくことを予定しており、民間の賃金水準の適切な把握に引き続き努めてまいります。
 本日、要請をいただいた個々の内容は、各人事委員会において、その調査結果や各自治体の実情等を踏まえながら、本年の勧告に向けて検討をしていくことになるものと思います。
 公務員の給与を取り巻く環境が非常に厳しい中、私ども人事委員会は、本年も中立かつ公正な第三者機関として、公務員の給与等の勤務条件について社会情勢に適応した水準となるよう、その使命を果たしてまいります。
 全人連といたしましても、人事院や各人事委員会との意見交換に、十分努めてまいりたいと考えております。


(別紙)

2010年4月9日

全国人事委員会連合会
 会 長 関 谷 保夫 様

公務員連絡会地方公務員部会
議 長  佐 藤 幸 雄

民間給与実態調査に関わる要請書


 貴職の地方公務員の賃金・労働条件の改善に向けたご努力に敬意を表します。
 2010春闘は、徐々に景気回復の兆しが見えているとはいえ、厳しい経済、雇用情勢のもとで闘われていますが、大手の集中回答では、賃金カーブを維持し、水準はほぼ維持できた結果となりました。賃金水準の低下を阻止する今春闘の本番はこれからであり、厳しい交渉が続きます。
 公務においては、この民間春闘の結果を踏まえ、賃金実態を正確に把握し、公務員労働者の賃金を維持・改善すること、臨時・非常勤職員の処遇改善などを強く求めます。
 地方公務員においては、6割を超える自治体で特例条例による給与削減が実施されており、労働基本権制約の代償機関としての人事委員会勧告制度を十全に機能させることが重要な課題となっています。
 貴職におかれましては、人事委員会の使命を十分認識され、下記事項の実現に向け最大限の努力を払われますよう要請します。



1.公民給与比較方法について、民間賃金実態を正確に把握し、公務員労働者の賃金を維持し、改善すること。当面、現行の比較企業規模を堅持すること。また、一時金の公民比較は、月例給と同様に、同種・同等比較を原則とするラスパイレス比較を行うこと。

2.各人事委員会の勧告に向けた調査や作業に当たっては、組合との交渉・協議、合意に基づき進めること。

3.諸手当の改善については、地域の実情を踏まえつつ、組合との十分な交渉・協議に基づくこと。

4.臨時・非常勤職員の処遇改善に関する指針を示すこと。

5.公立学校教職員の給与について、引き続き、各人事委員会が参考としうるモデル給料表を作成、提示すること。また、作成に当たっては、関係組合との交渉・協議、合意のもと進めること。

以上