2011年度公務労協情報 2 2010年11月1日
公務公共サービス労働組合協議会
公務員労働組合連絡会

委員長クラスが人勧取扱いで総務大臣交渉-11/1
−勧告通り実施と次期通常国会に自律的労使関係制度を措置する法案提出の方針決定へ−

 公務員連絡会棚村議長ほか委員長クラス交渉委員は、1日12時から総務省で片山総務大臣と交渉を持ち、2010人勧の取扱いの検討状況について大臣の見解を質した。この交渉は、勧告日の8月10日に提出した要求書に対する回答を求めて行われたもので、大臣は、本日の第2回給与関係閣僚会議及び臨時閣議で、@本年度の給与改定については人事院勧告通り実施するA次期通常国会に、自律的労使関係制度を措置するための法案を提出するとともに、人件費削減措置について必要な法案を順次提出するという内容の人事院勧告取扱方針の決定を求めることを明らかにした。
 公務員連絡会は、大臣交渉後に開いた代表者会議で、@一部野党から人勧を上回る給与引下げの法案が提出された場合には、政府提出法案に影響しないよう対策を強めるA給与法改正法案を巡る国会情勢が緊迫する場合には、第3次中央行動等の実施を検討するB政府が人件費削減を検討する場合には合意に基づく十分な交渉・協議を求めるなど、今後の取組み方針を確認した。

<総務大臣交渉の経過>
 交渉は総務省で12時から行われ、交渉の冒頭、公務員連絡会側が人勧取扱いの検討状況を質したのに対し、片山大臣は次の通り答えた。
(1) 本年の人事院勧告の取扱いについては、去る8月10日の提出を受けて以来、政府部内で検討を続けてきました。
(2) 総務大臣としては、人事院勧告制度は、労働基本権を制約する上での代償措置の根幹をなすことから、給与改定にあたっては、これを尊重すべきというのが、まず基本認識であります。
 他方、政府部内においては、人事院勧告を尊重すべきとしながらも、現下の社会経済情勢や厳しい財政事情などを踏まえると、その取扱いの決定には十分な検討が必要、という意見もあり、これまで、関係者と議論を続けてきました。
(3) こうした経緯を経て、現在、本年の人事院勧告の取扱いも含めた国家公務員の給与について、次のような二段階の対応を行う方向で検討が進んでいます。
(4) 第一は、本年度の給与改定についてですが、これについては、人事院勧告通りの改定とする予定です。
(5) 第二は、今後の給与改定についてですが、これについては、次期通常国会に、自律的労使関係制度を措置するための法案を提出し、交渉を通じた給与改定の実現を図ることとする方向です。なお、その実現までの間においても、人件費を削減するための措置について検討し、必要な法案を次期通常国会から、順次、提出する予定です。
(6)本日、第2回目の給与関係閣僚会議及び閣議が予定されており、私から、以上の内容で政府としての方針が決定されるよう求めることとしております。
(7)本年の給与改定は、昨年に引き続き、皆様にとって厳しい内容となりますが、何卒ご理解願うとともに、今後とも、国民の信頼にこたえ、公務能率及び行政サービスの一層の向上に努めていただきたいと思います。

 回答に対して棚村議長は、次の通り見解を述べ、特に人件費削減の具体化を検討する際には、公務員連絡会との合意を前提とした交渉・協議を行うよう強く要求した。
(1) 本年の人事院勧告は、2年連続で国家公務員の月例給、一時金を引き下げる厳しい内容であったが、国の財政赤字が極めて深刻であるという理由で、「人勧を上回る引下げを行うべきだ」などという議論が政府部内でも行われ、われわれは大変心配してきた。いま、お話しがあったように、勧告通り実施するということであり、労働基本権制約の下で勧告制度の尊重は当然のことだ。
(2)民主党を中心とする政権による初めての人事院勧告取扱いの閣議決定となるが、労働基本権について、今回、政府の方針としてはじめて「自律的労使関係制度を措置するための法案を提出する」ことを明記し、交渉を通じた給与改定の実現を図るということであり、公務員に対する労働基本権付与を大きく前に進めるものとして評価する。その実現に向けて、国家公務員の人事管理を所管する総務大臣にも最大のご尽力を要請したい。
 しかしながら、その実現までの間において、人件費削減のため、必要な法案を次期通常国会から、順次、提出するということであり、政府として人件費削減の具体化を検討するのであれば、われわれと「合意」を前提とした交渉・協議を行うことを強く求める。この点について、後で大臣の考えを伺いたい。
(3) 閣議決定後、給与法と、非常勤職員に育児休業制度等を適用するため国家公務員及び地方公務員の育児休業法の改正法案を国会に提出することになる。「ねじれ国会」という状況の中で、野党からさらなる給与引下げを求める修正案が提出されることが想定され、政府にとって厳しい国会運営となるが、ぜひとも政府原案通りの成立に全力を挙げて頂きたい。

 これに対して片山大臣が、「先ほど申し上げた方針が政府として決定されることになれば、人件費を削減するための措置について具体的な検討に入ることになります。その際、十分に話し合い、職員団体の理解と合意が得られるよう、努力してまいりたいと考えます」と合意に向け努力する考えを示したことから、棚村議長は、これを確認したうえで、「ただいまの大臣の回答は、組織に持ち帰って報告し、公務員連絡会としての態度を決定する」と述べ、交渉を締めくくった。

以上