2011年度公務労協情報 54 2011年10月3日
公務公共サービス労働組合協議会
公務員労働組合連絡会

2011人勧を受けて地公部会が全人連に申入れ−10/3
−各構成組織から現給保障廃止を行わないよう強く要請−

 公務員連絡会地方公務員部会は、10月3日午前11時から、2011年人事院勧告を受けて全国人事委員会連合会(全人連)に対する申入れを行った。地公部会側は、岡崎議長代行、氏家企画調整委員(自治労書記長)、藤川事務局長と幹事が出席、全人連側は、関谷会長(東京都人事委員会委員長)はじめ、都道府県人事委員会のブロック代表及び政令市人事委員会の代表者が対応した。
 冒頭、岡崎地公部会議長代行は、要請書(別紙)を手交し、「人事院は9月30日、月例給は50歳台を中心に40歳台以上を念頭に置いた俸給表の引下げ改定のほか、給与構造改革による現給保障について来年度から2年間で廃止し、一時金については当然引上げになる調査結果であるにもかかわらず、恣意的な判断に基づき据え置くとの本年の給与勧告・報告を行った。特に、給与構造改革実施に当たっての約束であった現給保障の廃止勧告を強行したことは断固認めることはできない。地方公務員にとっては、現給保障廃止によって被る影響は極めて甚大であり、各人事委員会におかれては現給保障の廃止を勧告しないよう強く求める」と、申入れの趣旨を述べた。
 藤川地公部会事務局長による申入れ内容の説明に続き、氏家企画調整委員(自治労書記長)が、「現給保障の廃止は、地方公務員に極めて大きな影響を与えることから人事委員会は勧告をすべきではない、臨時・非常勤職員の処遇改善についても人事委員会として必要な対応をお願いしたい」と要請した。引き続き、各構成組織の出席者から以下の要請を行った。
<日教組>
 教育職は簡素な給料表であり、ほとんどの職員は2級適用である。昨年、国家公務員の現給保障者は26%と聞いているが、日教組の調査によると教育職は約40%が現給保障者であり、廃止した場合、50歳台の教職員の意欲に与える影響は大きいことを踏まえて対応すべき。
<日高教>
 50歳台の教職員の職務上の責任は重く、それから考えると現給保障の廃止は整合性を欠くことなどから、廃止をすべきではない。
<全水道>
 公営企業職員は、労働協約で給料表は決定できることになっているが、人事委員会勧告は与える影響は大きく、公平、中立の立場からの勧告をお願いしたい。
<自治労連>
 職員は、各地域で住民の目線に立って汗をかき、プライドを持って働いている。この職員の努力に報いるような勧告を行って頂きたい。

 こうした地公部会からの要請に対し、関谷会長は以下の通り回答した。

<全人連会長回答>

平成23年10月3日


 ただいまの皆様からの要請につきましては、確かに承りました。
 早速、役員県を通じて、全国の人事委員会にお伝えいたします。
 さて、去る9月30日に、人事院勧告が行われ、その概要について改めて申し上げますと、本年の民間給与との較差は、899円、率にして0.23%、公務員給与が民間給与を上回るとしております。
 人事院は、この較差を解消するため、俸給表の引下げ改定を勧告し、改定に当たっては、50歳台の職員が在職する号俸を中心に40歳台以上の俸給に限定して引下げを行うとしております。一方、医師に適用する俸給表については、医師の処遇確保の観点から、本年も改定は行わないとしております。
 特別給についてですが、東北3県を除く民間の調査結果は、国の現行支給割合を上回ったものの、東北3県において調査が行われていないことを考慮し、改定を見送るとしております。
 給与構造改革に伴う経過措置については、平成25年4月までに廃止する一方で、廃止に伴って生じる原資により、若年・中堅層を中心に、抑制されてきた昇給を回復するとしております。
 また、人事院は、国家公務員の定年を段階的に65歳まで引き上げることが適当であるとする意見の申出を行い、60歳を超える職員の給与制度や、役職定年制の導入等について言及しております。
 このほか、本年は、公務員制度改革に関する報告が行われ、人事行政の公正の確保や協約締結権付与に関する論点が提示されております。
 人事院勧告につきましては、必ずしも、これに従うべきものではございませんが、今後、各人事委員会が勧告作業を行う上で、参考となるものであることから、その内容については、十分に吟味する必要があると考えております。  現在、各人事委員会では、勧告へ向け、鋭意作業を進めているところです。
 今後は、皆様からの要請の趣旨も十分考慮しながら、それぞれの人事委員会が、地域の実情を踏まえつつ、主体性をもって対処していくことになるものと考えております。
 公務員の給与を取り巻く環境は、厳しい状況にありますが、人事委員会といたしましては、本年も、中立かつ公正な人事行政の専門機関として、その使命を十分に果たしてまいります。
 全人連といたしましても、各人事委員会の主体的な取組を支援するとともに、人事院、各人事委員会との意見交換に十分努めていきたいと考えております。


(別紙)全人連への要請書

2011年10月3日



全国人事委員会連合会
会 長  関 谷 保 夫 様 

公務員連絡会地方公務員部会
議長代行  岡 ア  徹


2011年度地方公務員の給与勧告等に関する要請書


 各人事委員会の地方公務員の給与・労働条件の改善に向けたご努力に敬意を表します。
 人事院は9月30日、月例給は50歳台を中心に40歳台以上を念頭に置いた俸給表の引下げ改定のほか、給与構造改革による現給保障について来年度から2年間で廃止し、一時金については当然引上げになる調査結果であるにもかかわらず、恣意的な判断に基づき据え置くとの本年の給与勧告・報告を行いました。また、雇用と年金を接続するための段階的定年延長の実施に向けた意見の申出を行いました。
 特に、給与構造改革実施に当たっての約束であった現給保障の廃止勧告を強行したことは断固認めることはできません。地方公務員にとっては、現給保障廃止によって被る影響は極めて甚大であり、適用給料表によってその影響の度合いが大きく異なるなどの問題もあり、各人事委員会におかれまして現給保障の廃止を勧告しないよう強く求めます。
 地方公務員を巡っては、厳しい定員純減政策のもと、今日の複雑化、高度化した行政需要に対し、地方自治体における公共サービスの向上に懸命な努力が続けられており、独自に給与減額措置を執る自治体が6割を超え、労働基本権制約の代償措置としての人事委員会勧告制度の空洞化が常態化しています。
 しかし、各人事委員会におかれましては、自律的労使関係制度が措置されるまでの間、地方公務員の労働基本権制約の代償措置であることを十分踏まえ、下記事項の実現に向け最大限の努力を払われますよう要請します。


1.民間給与実態を精確に把握し、地方公務員の生活を守るための賃金水準を確保すること。
(1) 公平・公正な公民比較を行い、月例給与の水準を維持すること。
(2) 地方公務員の生活を守るため、必要な一時金支給月数を確保すること。
(3) 独自の給与削減措置が行われている自治体は、減額措置を中止するよう勧告を行うこと。
(4) 給与構造改革による現給保障の廃止を勧告しないこと。
(5) 諸手当の見直しにあたっては、地域の実情を踏まえた対応を行うこと。
(6) すべての在職者が定年まで昇給が可能となるよう号給を延長すること。特に、教育職員など級構成が簡素な職員については、早急に実施すること。

2.臨時・非常勤職員の処遇改善、安定雇用に関わって、人事委員会として必要な対応を行うこと。

3.一般職員の勤務実績の給与への反映の基準については、十分な交渉・協議、合意を前提にすること。

4.教育職員の給料表・諸手当の勧告にあたっては、当該組合との十分な交渉・協議、合意を前提にすること。

5.恒常的な超過勤務が常態化しており、人事委員会はその解消に向けて積極的な対応をはかること。また、労働基準法の改正に対応して時間外勤務手当の割増率の引上げをはかるなどの措置を行うこと。

6.本年の勧告・報告に向けては、組合との十分な交渉・協議、合意のもとすすめること。

以上