2012年度公務労協情報 16 2012年2月29日
公務公共サービス労働組合協議会

国公「給与改定及び臨時特例法案」が可決、成立−2/29

 民主、自民および公明の三党が共同提案した「国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律案」について、同法案が22日に国会に提出されるとともに、同法律案の修正案が自公2党の共同提案で提出され、23日午前中の衆議院総務委員会の審議を経て、同日12時30分から開催された衆議院本会議において起立多数で通過しました。その後、参議院に送付され、15時からの参議院総務委員会で趣旨説明が行われた後、28日10時からの同委員会での質疑、採決を経て、本日参議院本会議で可決・成立した。
 28日の参議院総務委員会では、江崎孝議員が質疑に立ち、国家公務員の給与引下げに伴う地方公務員給与及び自治体財政への政府の姿勢を質し、総務大臣から@総務省から各地方公共団体に対して、国家公務員に係る時限的な給与削減措置と同様の措置を実施するよう要請することや強制することは考えていないこと、A地方財政計画の策定にあたり、臨時特例法に定める給与削減措置と同様の措置が一律に実施されることを前提とした給与関係経費を計上することは考えておらず、義務教育費国庫負担金の取扱いを含めて、必要な地方交付税総額を確保していくこと、などの回答を引き出した。
 本日、「国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律」が成立したことにより、本年4月から国家公務員給与は平均7.8%削減され、東日本大震災の復旧・復興のための財源として活用されることとなる。公務労協は、19日の第59回公務員制度改革対策本部会議で確認した声明(公務労協情報No.12参照)に基づき、「国家公務員制度改革関連四法案」の今国会における成立、「地方公務員の労働関係に関する法律案」等の早期国会提出と成立に向け、連合とともに組織の総力を挙げて取り組んでいくこととしている。
 本日の臨時特例法の成立を受け、連合事務局長が別紙1の談話を、総務大臣が別紙2の談話を発信した。

(別紙1)

第12-50672号
2012年02月29日


「国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律」の成立にあたっての談話


日本労働組合総連合会
事務局長 南雲 弘行



1.2月29日、国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律(以下、「給与に関する法律」)が成立した。「給与に関する法律」のみが先行し、労働基本権の回復などを盛り込んだ国家公務員制度改革関連四法案(以下、「関連四法案」)について、いまだに審議されていないことは極めて遺憾であり、与野党には速やかに国会での審議を開始するよう強く求める。

2.2012、2013年度の国家公務員の給与は、人事院勧告実施分を含め平均7.8%引き下げられる(自衛官等については経過措置有り)。また、2011年度の人事院勧告(平均0.23%引き下げ)は昨年4月にさかのぼって実施され、本年6月の期末手当において年間調整が行われる。人事院勧告見送りの閣議決定が覆ったことは、残念である。

3.政府には、国家公務員の給与引き下げが、中小・地場企業の労使交渉に悪影響を与えることがないよう、しっかりと説明責任を果たすことを求める。「給与に関する法律」は、厳しい財政状況のもとで東日本大震災に要する費用をまかなうための時限的な措置であり、これに便乗して人件費引き下げを行うことがあってはならない。

4.連合は、政府・与野党に「関連四法案」の速やかな審議入りを働きかけるとともに、関係組織と連携し、今国会での成立をめざし全力で取り組んでいく。あわせて、消防職員への団結権付与を含む地方公務員制度改革関連法案の早期提出を求めていく。

以上


(別紙2)
総 務 大 臣 談 話

平成24年2月29日


1 本日、国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律が議員立法によって成立しました。この法律は、昨年9月の人事院勧告に鑑み、国家公務員の給与の改定を行うとともに、我が国の厳しい財政状況及び東日本大震災に対処する必要性に鑑み、一層の歳出削減が不可欠であることから、国家公務員の人件費を削減するため、国家公務員の給与について臨時の特例措置を定めたものです。

2 政府としても、昨年6月、国家公務員の給与の臨時特例に関する法律案を提出したところでありますが、本日成立した法律は、給与の臨時特例措置について、政府案の考え方を踏襲していただいたものと承知しています。

3 国家公務員の諸君が震災からの復興を始めとした職務に日夜精励していることは高く評価しています。しかしながら、これまでも内閣総理大臣及び内閣官房長官の談話で述べられているように、今回の措置は、未曽有の国難に対処するためのやむを得ないものであります。国家公務員の諸君には、このような事情を理解いただき、日本を再生していくため、引き続き、専門家として持てる力を最大限に発揮し、職務に全力で取り組むことで、より一層国民の信頼を勝ち得るようお願いします。