2012年度公務労協情報 18 2012年3月7日
公務公共サービス労働組合協議会

人事院が民間退職給付等の調査結果と見解を公表−3/7
−厳しい結果を踏まえ、公務労協は今後の対策を強化−

 人事院は本日、民間の企業年金及び退職金の調査結果および見解を総務大臣および財務大臣に提出し、公表した。これは、昨年8月に国家公務員の退職給付制度を所管している総務大臣および財務大臣が人事院総裁に、民間企業における企業年金および退職金の実態調査の実施と調査結果に基づく見解について要請したことを踏まえたもので、人事院は昨年10月〜11月に民間の実態を調査していた。
 調査結果によると、退職給付水準の官民較差(企業年金(使用者拠出分)と退職一時金を合わせた退職給付総額での官民比較)は、民間25,477千円に対し公務29,503千円で、公務が4,026千円(13.65%)上回るという非常に厳しいものとなった。また93.5%の企業が退職給付制度を有しており、そのうち59.9%の企業が企業年金制度を有していることが明らかとなった。
 人事院は、調査結果を踏まえて、@官民均衡の観点から、民間との較差を埋める措置が必要、A退職給付の見直しに当たり、国家公務員の退職給付が終身年金の共済職域と退職手当から構成され、服務規律の維持等の面から重要な意義を果たしてきた経緯や、企業年金を有する企業が過半を占めていることを考慮した対応が必要、B過去に退職手当の引下げが行われた際には経過措置が講じられており、今回も所要の経過措置を講じることが適切といった見解を表明した。
 今後、調査結果の報告及び見解表明を受けた総務大臣と財務大臣が、関係者も含めて国家公務員の退職給付に係る具体的措置を検討していくことになる。
 ところで、政府が2月17日に閣議決定した「社会保障・税一体改革大綱」では、「公的年金としての職域部分廃止後の新たな年金の取扱いについては、新たな人事院調査等を踏まえて、官民均衡の観点等から検討を進めるものとする。」とするとともに、「平成19年法案をベースに、一元化の具体的内容について検討する。関係省庁間で調整の上、平成24年通常国会への法案提出に向けて検討する」としており、共済年金の3階部分(職域部分)をどうするかが大きな課題となっている。
 公務労協は、こうした情勢や人事院の厳しい調査結果等を踏まえ、今後の対策を強化することにしている。

以上