2012年度公務労協情報 19 2012年3月9日
公務公共サービス労働組合協議会
公務員労働組合連絡会

2012年春季要求で幹事クラスが総務省と交渉−3/9
−中間的回答に不満の意を表明し、さらに誠意ある回答を求める−

 公務員連絡会幹事クラス交渉委員は9日13時30分から、総務省人事・恩給局次長と交渉し、2月24日に提出した2012春季要求に対する中間的な回答を引き出した。
 2012春季要求交渉については、「2012年春季生活闘争方針」において、「幹事クラス交渉及び書記長クラス交渉については、協約締結権付与を視野に入れ、人事・恩給局とは国公連合を中心とした交渉の配置を検討する」こととしており、本日の交渉は、3月2日の企画調整・幹事合同会議で確認した交渉体制に基づき、高倉国公連合書記次長ほかの国公連合構成組織の各幹事を中心として交渉に臨んだ。

 交渉では、はじめに、高倉書記次長が2012春季要求に対する総務省の回答を求めたのに対し、平山次長は「本日は、先日受け取った要求事項のうち、主な点について、現時点における状況等を回答させていただく」として、次の通り回答した。

1.労働時間、休暇及び休業について
 超過勤務の縮減は、職員の健康、士気の向上はもとより、自己研鑽や家族との時間の確保のために重要であると認識している。
 このため、従来から全省庁一斉の超過勤務縮減キャンペーン等を行っているほか、@平成22年4月から、60時間を超える超過勤務手当の割増や、超勤代休時間制度の新設によりコスト意識を持った超過勤務抑制に努めるとともに、A超過勤務縮減を管理職員の人事評価の対象として明確化した。
 今後とも、超過勤務縮減のための取組を進めてまいりたい。

2.福利厚生施策の充実について
 メンタルヘルス対策については、昨年4月に見直しを行った「国家公務員福利厚生基本計画」において、これまでの職員一人ひとりの心の健康の保持増進、心が不健康な状態になった職員への早期対応、円滑な職場復帰の支援と再発防止等の施策に加え、「心が不健康になりつつある職員への配慮」、「職場復帰の際の受入方針のモデル作成」、「管理職員に対する教育の徹底」等の充実を図ることとしており、今年度からe―ラーニングによる新任管理者のためのメンタルヘルス講習を開始した。
 いずれにせよ、メンタルヘルス対策に当たっては、当局としても十分に配慮してまいりたい。

3.労働基本権確立を含む公務員制度改革について
 労働基本権の確立に向けては、政府としては、国家公務員制度改革基本法に基づく自律的労使関係制度を措置するための法案を昨年6月3日に国会に提出しているところであり、本法案をできるだけ早く成立させていただきたいと考えている。

 これに対し高倉書記次長は、「いま、次長からは労働時間、福利厚生、労働基本権の3点についてだけしか回答がなかったが、本年の課題について改めて一通り考えを申し上げておきたい」と述べ、以下の通り課題について質すとともに総務省の更なる取組みを求めた。
(1) 国家公務員の総人件費削減の問題については、賃金削減・厳しい定員管理のみならず、地域主権改革や独立行政法人・国の出先機関見直し等あらゆる方向から進められている。サービス低下を招かないために組合員が極めて厳しい労働を余儀なくされているという実態からの要求であることを受け止め対応願いたい。
 また、6日に行政改革実行本部において岡田副総理が、3月中に、2013年度の新規採用について、これまでの抑制を大幅に上回る抑制を決めるべく各大臣に要請したと聞いているが、定員は超過労働解消など組合員の労働条件に係る重要な課題だ。われわれの話を聞きながら、職場実態を踏まえて丁寧に対応してもらいたい。
(2) 現在、出先機関の原則廃止に向けた検討として、国から地方への人員移管の検討の場が設置され作業が行われている。また、本年1月には独立行政法人の制度・組織見直しが決定された。職員の雇用には影響させないことが基本であるが、仮に雇用問題が生じる場合には、国が雇用の承継に責任を持ってもらいたい。
(3) 2012年度賃金については、要求提出の際、大臣との間で一定の整理を行い、その後、3党合意の法案が成立した。改めて、昨年5月に我々がどういった思いで合意に至ったのか受け止めてもらいたい。その上に立って、労使合意した内容を基本に履行していくことを改めて求めておきたい。
 また、震災対応を含めた超過勤務手当の全額支給のための予算確保についても努力することが昨年の交渉で確認されている。昨年の4月以降、新年度になっても震災対応は継続されており、各府省における作業となるが、きめ細かにとりまとめを行い予算確保に努めるよう総務省から指導してもらいたい。
(4) 非常勤職員の処遇改善や雇用の安定に向けては、これまで一定の改善が図られてきてはいるが、依然として低い賃金水準の問題や雇用不安という課題は解決されていない。
 昨年、期間従業員制度が適切に運用がなされ定着するよう見守りたいとの話があったが、運用状況の調査を行って問題点の把握と改善に取り組んでもらいたい。
 また、国公給与の引下げに関わって、非常勤職員は給与水準が低く、身分も不安定であり、配慮する必要があるのではないか。非常勤職員の給与取扱いの通知を出されると聞いているが、どのようなことを考えているのか。
(5) 超過勤務縮減に向けては、これまでに、いろいろな取り組みが行われているが、反面、公務員連絡会が昨年実施した生活実態調査では、一人あたりの超過勤務時間数が長時間化の傾向にあり、成果が上がっているとは言えない。これまでの取組みの効果を検証し、ワーク・ライフ・バランスを確保する観点から、着実に縮減できるよう、もう一歩踏み込んでもらいたい。
 また、超勤手当を全額支給されている組合員は6割に止まっている。事前の超勤命令がされていない職場も実態としてある。予算不足だけではなく、管理者が超勤実態を把握していないことも手当未払いの原因となっているのではないか。総務省として事前の超勤命令を徹底するよう各府省を強力に指導すべきだ。また、連絡会との話し合いを継続して、目に見える成果が上がるよう努力してもらいたい。
(6) 人事評価制度については、まだまだ職場に浸透していない実態にある。総務省として、本年もアンケート調査を行って検証をしているところであるが、結果がまとまった段階で内容を説明してもらって、円滑な運用となるよう十分議論させてもらいたい。職場の実態から申し上げると、特に、評価者である管理職が制度を理解していないという問題があることから、引き続き、管理者研修の強化に取り組んでもらいたい。
(7) 高齢雇用施策については、人事院が段階的定年延長の意見を申出を行ったが、公務員事務局では再任用の義務化という方向で議論が進められており遺憾である。公務において、雇用と年金を接続するためには定年延長でなければならないというのが、皆さんや組合を含めて人事院と検討してきた結論だ。2013年度から地方公務員を含めて年金と雇用を接続する新たな施策を実施することが不可欠であることを十分認識してもらって、総務省としても定年延長という方針が確立されるよう、積極的に働きかけてもらいたい。
(8) 福利厚生については、昨年見直された計画に沿って各府省で運用されているが、特に超勤縮減対策、メンタルヘルス対策の強化が重要と考えている。各府省が新たな基本計画に基づいて着実に施策を実施するよう各府省の実施状況を点検しながら指導も含めて、しっかり取り組んでもらいたい。
 メンタルヘルス対策では義務づけられている管理者への研修内容を充実させることが重要だ。ひき続き 取組みを強化してもらいたい。
 公務員連絡会の調査では、人材不足で労働負荷が高まってい職場で過労気味の職員が増えていると感じている組合員が7割強となっている。メンタルヘルスは 過労から始まるのが最も多い実態にあり、そういった労働環境の改善にも努力してもらいたい。
(9) 自律的労使関係制度については、「法案をできるだけ早く成立させてもらいたい」との回答があった。四法案は、昨年の国家公務員の給与引き下げ交渉の際、政府からは自律的労使関係制度を先取りする形で、との考え方が示され交渉に臨み合意している。その意味で、政府には四法案を成立させ、自律的労使関係制度を確立する責任と義務がある。現在行われている第180通常国会で四法案を成立させるよう、主体的かつ積極的に、全力で対応してもらいたい。
(10) 退職手当制度については、人事院から民間退職給付調査の結果が報告され、今後、制度見直しが検討されることになるが、退職手当は勤務条件そのものであり、組合員の退職後の生活設計に大きく影響する。その見直しに当たっては、これまで同様、十分議論して、合意に基づいて進めてもらいたい。

 これに対し平山次長は以下の通り回答した。
(1) 人件費削減については、内閣府行政改革実行本部において、定員削減や独立行政法人の見直し等が行われている。今回の採用抑制もそこで検討されており、内閣官房の動向を見守っていきたい。
(2) 超過勤務については、各省でどんな取組みを行っているかアンケートを行い、それを各省に紹介しながら、具体的施策を講じているものの、なかなか減らないのが現状である。一方、震災対応で超勤が増えていると聞いている。昨年6月の閣議で総務大臣が震災対応を行って生じた超過勤務については十分な予算確保をはかるよう各大臣に要請したところであり、各大臣においてもその趣旨を踏まえた対応がなされたと考えている。いずれにしても超勤縮減は喫緊の重要な課題であり、引き続きさまざまな工夫をしながら取り組んでまいりたい。
(3) 非常勤職員に対する給与改定特例法の適用については、一時金が常勤職員と同水準に満たない非常勤職員は適用除外することを考えており、近いうちに通知を出す予定である。
(4) 人事評価については、施行されてから相当経つが、いかに円滑に運用するかが重要である。総務省としても毎年、運用実態に関するアンケートを実施しており、本年度アンケートについては現在集計中である。集計が終了次第、概要を取りまとめたいと考えている。またきちんと人事評価してもらうためにも、評価者の研修が必要であり、講習会を開く回数をふやすとともに内容も充実させていくなど、引き続き取り組んでいきたい。
(5) 雇用と年金の接続については、公務員制度改革本部で、民間の状況や本年1月に労働政策審議会の建議が出されたことも加味しながら、有識者の意見交換会の場も含めて検討していると聞いており、その動向を見守っていきたい。
(6) メンタルヘルスについては、さまざまな施策を講じてきているが、管理者に対する研修も充実させるなど、引き続き取り組んでまいりたい。
(7) 公務員制度改革関連四法案については、できる限り早く国会で成立させていただきたいと考えている。
(8) 退職手当については、7日に人事院から民間企業の退職給付調査結果と見解が示されたが、共済年金職域加算の検討状況もあわせて見極める必要があると考えている。職員や職員団体の皆さんが重大な関心をもっている事項であると認識しており、職員団体の皆さんの意見も伺いながら検討していきたい。

 平山次長の回答を受け、各交渉委員から「定員削減がなされる一方、仕事は減らず超勤が増えている中、新規採用を相当抑制するという動きに対して現場の職員は困惑が強まっている。事務事業の遂行に必要な人をしっかり確保してもらいたい」「給与改定特例法について、結果として議員立法で措置されたことが、労働基本権付与の下での労使関係の信頼性に疑念を抱かせることになってはならない。今後、政府として努力すべきだ」「人事評価について、各府省における課題を把握しながら、制度の信頼性や納得性を高めるべく努めてもらいたい」「雇用と年金の接続について、これまでわれわれが積み上げてきた議論を十分踏まえ、定年延長の実現に最大限努めていただきたい」「退職手当については、働く意欲にも大きな影響を与えることでもあり、更なる深掘りといったことがないよう政府としてしっかり対応していただきたい」と強く訴えた。
 また高倉書記次長は「公務員労働者を巡っては、勤務条件が引下げられる中で、事務事業、組織の絶えざる見直しが行われており、職場では落ち着いて仕事ができる状況でなくなっている。公務員の人事管理や能率的な業務運営に責任を持つ立場で公務員が安心して働き続けられるよう、最大限の努力をお願いしたい」と、改めて強調した。
 最後に「本日の回答は、まだまだ具体性がなく、不満だ。今後、さらに議論を積み重ねて、19日の局長クラスとの交渉では、われわれの要求について具体的かつ前向きな回答をお願いしたい」と要請し、本日の交渉を締めくくった。

以上