2012年度公務労協情報 20 2012年3月13日
公務公共サービス労働組合協議会

参予算委で武内議員が「関連四法案」について質す
−野田総理「早期成立に向け最大限努力」との決意を明確に表明−

 本日開催された参議院予算委員会で、武内則男議員が質疑に立ち、その中で@「国家公務員制度改革関連四法案」(以下「関連四法案」)の国会提出に至るまでの公務員制度改革に係る経過、A2008年6月に成立した国家公務員制度改革基本法と関連四法案の自律的労使関係制度の確立との関係、B今後の行政運営に資するための労使関係の改革の効果について、政府の認識を質した上で、野田内閣総理大臣に「関連四法案」の今国会における成立に向けた決意を求めた。
 これに対し、野田内閣総理大臣は、「国家公務員制度改革関連四法案はILO勧告を参考にしながら自公政権下において成立した国家公務員制度改革基本法を踏まえて検討され、昨年6月に国会に提出」したものとした上で、「早期成立に向け最大限の努力を行ってまいりたい」との決意を明らかにした。

 武内議員の質疑およびそれに対する野田総理大臣、政府の答弁の概要は以下の通り。

<質疑、答弁の概要>
1.「国家公務員制度改革関連四法案」の国会提出に至るまでの公務員制度改革に係る経過に関し、政府としてどのように認識しているのか。
<岡田公務員制度改革担当大臣>
 国家公務員制度をどのように構築するかということは国の基本に関わることで、きわめて重要な問題であり、大いに議論が必要であるが、きちんと結論を出していかなければいけない問題であると考えている。
 平成9年の行政改革会議最終報告のほか、平成19年10月19日の行政改革推進本部専門調査会の報告「公務員の労働基本権のあり方について」においても、一定の非現業職員について協約締結権を新たに付与するとともに、第三者機関の勧告制度を廃止するといったことが明記されている。
 公務員制度について歴代内閣においてさまざまな改革の取組みが行われてきており、労働基本権についても協約締結権の付与など幅広く議論され、結論が出されてきているところで、また国家公務員制度改革基本法では自律的労使関係制度の措置を含む法制上の措置を同法の施行後3年以内を目途として講ずるものとされており、今回の関連四法案はこれまでの長い取組みの一つの集大成として提案しているものである。

2.「国家公務員制度改革基本法」と「関連四法案」の自律的労使関係制度の確立との関係に係る政府の認識を明らかにされたい。また「国家公務員制度改革基本法」第12条が「便益及び費用を含む全体像を国民に提示し、その理解のもとに、国民に開かれた自律的労使関係制度を措置するものとする」と規定していることについて、これまでの政府の対応と認識を伺う。
<岡田副総理>
 関連四法案の提出に至る過程については、国家公務員制度改革基本法第12条を踏まえ国家公務員制度改革推進本部に設置された労使関係制度検討委員会における議論などを参考にしながら検討を進めてきた。
 その上で、自律的労使関係制度構築の目的、制度の概要、費用・便益等を盛り込んだ自律的労使関係制度に関する改革素案を公表し、パブリックコメントを実施している。また法案に定める主な事項を盛り込んだ国家公務員制度改革基本法等に基づく改革の全体像について国家公務員制度改革推進本部において決定し、公表した。
 こういった国民に開かれたプロセスを踏んだ上で法案を国会に提出しており、国家公務員制度改革基本法第12条の規定に沿った対応をしていると考えている。

3.行政制度の基盤的性格を有する公務員制度、自律的労使関係制度について、今後の行政運営に資するための労使関係の改革の効果に関して、政府としてどのように認識しているのか。
<藤村官房長官>
 今回の関連四法案による自律的労使関係制度の措置は、国家公務員の勤務条件の決定を第三者機関である人事院による勧告制度に依存する現状を改めて、労使交渉を通じて労使が勤務条件について自律的に決定するしくみに改めるものである。新たな制度のもとでは労使双方が当事者意識を高め、真摯に向き合い、限られた資源の中で行政の運営を行い、国家公務員が持てる力を最大限発揮するよう人事・給与制度の見直しを行うことも可能になると考えている。
 また、給与・勤務時間等の勤務条件についての労使交渉を通じて、公務を取り巻く環境や課題に対する認識を共有することになる。自らの働きぶりに対する国民の理解の下に勤務条件を決定するということであり、これは国民の皆さんの視線を一層意識して職務を遂行するとともに、労使双方が効率的な業務の進め方について考え、更なる改善を図っていくようになると考えている。
 このような自律的労使関係制度の措置は、効率的で、より質の高い行政サービスの実現に資する重要な行政改革だと考えている。

4.ILOからの6回に及ぶ勧告・報告に対する総理大臣の認識と、これを実現するという立場からの総理大臣の決意を伺いたい。
<野田内閣総理大臣>
 平成14年以降、ILOからは6回、日本政府に対する勧告があり、公務員への労働基本権の付与などの論点について関係者と協議することなどを求めているものと認識している。
 関連四法案はILO勧告を参考にしながら自公政権下において成立した国家公務員制度改革基本法を踏まえて検討され、昨年6月に国会に提出しているところである。
 その早期成立に向け最大限の努力を行ってまいりたい。

以上