2013年度公務労協情報 12 2013年1月24日
公務公共サービス労働組合協議会
 公務員労働組合連絡会

政府が公務員の給与改定に関する取扱いを閣議決定−1/24
−高齢層職員の昇給抑制・地公給与の減額要請に、連絡会は"極めて遺憾"との声明を発表−

 政府は1月24日、給与関係閣僚会議を開いて、国家公務員の高齢層職員の昇給抑制に関して平成26年1月1日から実施するとともに、地方公務員給与について国に準じた措置を講じるよう要請するという内容を閣議決定するという方針を確認し、その後開いた閣議でその方針を正式に決定した(資料1、2、3)。
 公務員連絡会は、この閣議決定を受けて、@政府として決定した方針を2か月で変更したことは、極めて遺憾である、A多くの地方自治体では厳しい独自削減を実施してきており、地方公務員給与の減額強制は言語同断、B国会で今回の措置の問題点を追及していくとともに、地方公務員給与については、国による地方公務員給与引下げ強制に反対し、地方で自主的に決定できるよう、取組みを強化していく、との声明を発した(資料4)。


資料1−閣議決定内容

公務員の給与改定に関する取扱いについて


平成25年1月24日
閣 議 決 定 

1 一般職の職員の給与に関する法律の適用を受ける国家公務員の給与については、平成24年8月8日に高齢層職員の昇給抑制に関する人事院勧告が行われたところであるが、平成25年度(直近の昇給日である平成26年1月1日)から人事院勧告どおり改定を行うものとする。
2 特別職の国家公務員の給与については、1の趣旨に沿って対応するものとする。
3 独立行政法人(総務省設置法(平成11年法律第91号)第4条第13号に規定する独立行政法人をいう。)の役職員の給与改定に当たっては、国家公務員の給与水準を十分考慮して国民の理解が得られる適正な給与水準とするよう厳しく見直すことを要請する。独立行政法人及び主務大臣は、総務大臣が定める様式により、役職員の給与等の水準を毎年度公表する。
 また、特殊法人等の役職員の給与改定に当たっても、国家公務員の給与水準を十分考慮して国民の理解が得られる適正な給与水準となるよう厳しく対処するとともに、必要な指導を行うなど適切に対応する。特殊法人等の役職員の給与等についても、その水準を毎年度公表する。
4 地方公務員の高齢層職員の昇給抑制に関する措置については、各地方公共団体において1の趣旨及び人事委員会勧告を踏まえ、必要な措置を講ずるよう要請する。
5 各地方公共団体においては、これまでも自主的な給与削減措置や定員削減などの行財政改革の取組が進められてきたところであるが、一方で、東日本大震災を契機として防災・減災事業に積極的に取り組むとともに、長引く景気の低迷を受け、一層の地域経済の活性化を図ることが喫緊の課題となっている。
 こうした地域の課題に迅速かつ的確に対応するため、平成25年度における地方公務員の給与については、国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律(平成24年法律第2号)に基づく国家公務員の給与減額支給措置を踏まえ、各地方公共団体において速やかに国に準じて必要な措置を講ずるよう要請する。


資料2−官房長官談話

内 閣 官 房 長 官 談 話


(平成25年1月24日)

1 政府は、本日の給与関係閣僚会議及び閣議におい て、高齢層職員の昇給抑制については、次の昇給日である平成26年1月1日から人事院勧告どおりに改定するという方針を決定いたしました。
2 私は、公務員諸君が、日夜公務に精励し ている実情を十分承知しております。しかしながら、現下の厳しい諸情勢の下での決定であることを公務員諸君にも十分御理解いただきたいと思います。改めて、公務員諸君が、行政のプロとしての誇りを胸に、全ては国家国民のため、自らの判断で、政策立案に当たっては積極的に提案し、現場にあっては果敢に行動することを強く期待するものであります。
3 また、地域の課題に迅速かつ的確に対応するため、平成25年度における地方公務員の給与については、国家公務員の給与減額支給措置を踏まえ、各地方公共団体において速やかに国に準じて必要な措置を講ずるよう要請することとしております。


資料3−総務大臣談話

総 務 大 臣 談 話

平成25年1月24日


1 政府は、本日の閣議において、高齢層職員の昇給抑制について、次の昇給日である平成26年1月1日から人事院勧告どおり改定することなどを内容とする本年度の公務員の給与改定の方針を決定いたしました。
 公務員の皆さんにおかれては、今般の措置について理解いただき、職務に全力で取り組むようお願いします。
2 各地方公共団体においては、これまでも自主的な給与削減措置や定員削減などの行財政改革の取組が進められてきたところでありますが、一方で、東日本大震災を契機として防災・減災事業に積極的に取り組むとともに、長引く景気の低迷を受け、一層の地域経済の活性化を図ることが喫緊の課題となっています。
 こうした地域の課題に迅速かつ的確に対応するため、平成25年度における地方公務員の給与については、国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律に基づく国家公務員の給与減額支給措置を踏まえ、各地方公共団体において速やかに国に準じて必要な措置を講ずるよう要請してまいります。


資料4−公務員連絡会の声明

声   明


(1) 政府は、本日、給与関係閣僚会議及び閣議で、昨年11月16日の2012人事院勧告の取扱いの閣議決定を変更し、来年1月から高齢層の昇給を抑制するとともに、地方公務員の給与について、国の臨時特例減額措置に準じて必要な措置を講ずることを要請する内容の閣議決定を行った。
(2) 昨年、政府として決定した方針を2か月で変更したことは、特例減額期間中であること、官民較差に基づく措置ではないという事実などにおいて極めて遺憾である。政府の今回の決定に対し、組織の総意として強く抗議するものである。
 その内容は、最も厳しい特例減額措置が講じられている高齢層に対し、さらに昇給を抑制するという論外なものであり、到底納得できない。今後、国家公務員宿舎の廃止や宿舎料の大幅な値上げも控えているだけに、生活維持や勤務意欲に対する影響は深刻である。
(3) 地方公務員給与に対する国の臨時特例減額措置に準じて必要な措置を採ることの要請は、地方自治の本旨を蔑ろにするもので、地方交付税を減額し、給与減額を「要請する」ことは、事実上の強制であり、少なくとも給与改定・臨時特例法附則12条の「自主的かつ適切に対応する」との規定と整合しない。
 閣議決定は、防災・減災事業や地域経済の活性化を図ることを喫緊の課題とし、これに迅速かつ的確に対応するため、地方公務員給与削減を要請するとしているが、これは政府が一方的に地方自治体に給与削減を押し付けるために補足したものに他ならず、地方自治の本旨に反する。また、地方の民間給与に大きな影響を持つ地方公務員給与を削減することは、民間給与、地域経済にマイナスになり、マクロ経済の観点からも全く道理に合わない。
 加えて、多くの地方自治体では厳しい独自削減を実施してきており、重ねての減額を強制することは断じてあってはならない。地方公務員給与の減額強制は、地方六団体の指摘を踏まえるまでもなく、言語道断と言わざるを得ない。
(4) 公務員連絡会は、これまでの経過と以上の立場から、国会で今回の措置の問題点を追及していくこととする。また、地方公務員給与については、国による地方公務員給与引下げ強制に反対し、地方で自主的に決定できるよう、取組みを強化していく。
 同時に、一人ひとりの組合員が、東日本大震災からの一刻も早い復旧復興のために自らの職場での役割をしっかりと果たしながら、安心安全な日本を作るために邁進するとともに、連合・公務労協に結集し、2013春季生活闘争の取組みに全力を挙げることとする。

 2013年1月24日
 公務員労働組合連絡会

以上