2013年度公務労協情報 6 2012年11月16日
公務公共サービス労働組合協議会
公務員労働組合連絡会

人勧取扱いで総務大臣政務官交渉を実施−11/15
−特例減額期間終了後に向けて、来年中に結論を得ると回答−

 公務員連絡会書記長クラス交渉委員は、15日夜、稲見総務大臣政務官と交渉し、政府としての2012人勧の取扱い方針を質した。
 冒頭、吉澤事務局長が「本年の人事院勧告の取扱いについては、勧告の翌日8月9日に、大臣に要求書を提出し、昨年来の労使合意に基づいて、55歳を超える職員の昇給を停止するための給与法改正は行わないことを要求してきた。明日にも2回目の給与関係閣僚会議を開き、取扱い方針を決定すると聞いているが、その内容を政務官から回答して頂きたい」と質したのに対し、稲見政務官は以下のように回答した。
(1) 本年の人事院勧告の取扱いについては、去る8月8日に提出を受け、同月10日に給与関係閣僚会議を開催し、人勧制度尊重の基本姿勢の下、政府部内で真摯に検討を続けてきた。
(2) その結果、
・ 人事院勧告の指摘する昇給制度の見直しを含めた高齢層職員の給与水準等の見直しは重要な課題である。
・ 一方で、本年4月から、給与減額支給措置が講じられ、特に高齢層職員は若年層職員よりも相対的に厳しい減額措置を受けている状況にある。
・ これらを踏まえ、政府としては、人事院勧告で指摘されている昇給制度の見直しを含めた高齢層職員の給与水準の見直しについては、世代間の給与配分の適正化や雇用と年金の接続の観点から幅広く検討を行い、特例減額期間が終了する平成26年4月から実施する方向で同25年中に結論を得るものとする。
旨、明日予定されている第2回給与関係閣僚会議及び閣議において、政府としての方針が決定されるものと考えている。
(3) 給与改定・臨時特例法においては、地方公務員の給与について、同法附則第12条で「地方公務員法及びこの法律の趣旨を踏まえ、地方公共団体において自主的かつ適切に対応されるものとする」と規定されている。
 給与改定・臨時特例法が成立した2月には、総務省から「地方公務員法及びこの法律の趣旨を踏まえ、地方公共団体において自主的かつ適切に対応されるよう期待」する旨の技術的助言を行った。
 したがって、各地方公共団体に対し、今回の国家公務員に係る時限的な給与削減措置と同様の措置を実施するよう要請することや、強制することは考えていない。

 稲見政務官の回答に対し、吉澤事務局長は「いま、政務官から説明があったが、本年の勧告については、特例減額支給措置が終わる2014年4月に向けて来年中に結論を得るとのことであり、最終的な結論ではないが、この間の労使合意に則った当然の判断と受け止める」と述べた上で、以下の通り要請した。
(1) 高齢層職員の給与水準について、われわれも世代間の給与配分という問題意識は共有しており、あわせて年金支給開始年齢の繰上げに対応した雇用と年金の確実な接続も当面する最重要課題であると認識している。これらの課題も含め、政府が公務員連絡会と真摯に向き合い、労使間の交渉・合意に基づいて進めて行くことを強く要請する。
(2) また、地方公務員については財政上の措置を含め国家公務員の給与引下げの影響を遮断することが政府との約束であること、独立行政法人等については自主的な労使交渉・合意に基づくべきであることに留意してもらいたい。
(3) 他方、国家公務員の給与改定・臨時特例法が施行され、給与が減額されている中にあって、四法案が成立に至っていないことは極めて遺憾である。地方公務員に係る二法案については、地方六団体の反対をはじめとして多くの困難があったが、われわれとの信頼関係の下、閣議決定・国会提出が行われたことについては総務省の努力を多としたい。
(4) 公務員制度改革とくに労働基本権問題に係る民主党政権の基本的な姿勢は、四法案そして地方関係二法案において、明確に示されたものと承知している。そして、解散により廃案とならざるを得ないこれら法案を決して無にすることなく、引き続き、われわれとの信頼関係のもと、課題の解決に向けた努力を求める。

 これに対して稲見政務官は「皆さんのご要望は承った。皆さんとは、従来からの信頼関係の上に立って、今後とも一層の意思疎通に努めてまいりたい」との考えを示した。
 最後に吉澤事務局長が「本日の回答は、組織に持ち帰って報告し、公務員連絡会としての態度を決定する」ことを表明し、交渉を締めくくった。