2014年度公務労協情報 56 2014年8月8日
公務公共サービス労働組合協議会
 公務員労働組合連絡会

人勧取扱いで国家公務員制度担当大臣、厚生労働大臣に要求書を提出−8/7
−月例給・一時金の引上げを勧告通り実施すること等を要請−

 人事院勧告・報告が7日に行われたことを受けて、公務員連絡会委員長クラス交渉委員は、稲田国家公務員制度担当大臣、田村厚生労働大臣にそれぞれ要求書(資料参照)を提出した。
 要求提出の経過は次の通り。

<国家公務員制度担当大臣への要求書提出の経過>
 稲田国家公務員制度担当大臣への要求書提出は、17時25分から行われ、氏家議長ほか委員長クラス交渉委員が出席した。
 冒頭、氏家議長は、次の通り要請した。
(1) 人事院は本日、本年の給与改定のための勧告と給与制度の総合的見直しの勧告・報告を行った。本年の給与改定に関する勧告は、月例給、一時金のいずれについても2007年以来の引上げとなった。人事院勧告が労働基本権制約の代償措置であることや民間動向を踏まえたものである以上、勧告通り実施すべきものと考える。
(2) 他方、給与制度の総合的見直しに関わる勧告・報告については、被災地をはじめ、地域で全力で奮闘している公務員労働者の納得を得ないまま、しかもわれわれが少なくとも東日本大震災の集中復興期間終了後に改めて議論すべきと求めたのに対し、人事院が、本年勧告を行ったことは極めて遺憾である。よって、給与制度の総合的見直しの実施は見送るよう要請する。
(3) 大臣におかれては、新たに設置された内閣官房内閣人事局の意義を深く認識され、公務員の使用者としての責任において、われわれとの十分な交渉・協議、合意に基づいて、公務員労働者が意欲を持って職務に精励し、国民の期待に応えられるよう、要求内容の実現に向けて最大限の努力を要請する。

 これに対して大臣は、「本日、人事院勧告を受けとったところであり、速やかに給与関係閣僚会議の開催をお願いし、その取扱いの検討に着手したいと考えている。人事院勧告制度は、労働基本権制約の代償措置の根幹をなすものであり、政府としては、同制度を尊重するとの基本姿勢に立ち、国政全般の観点から検討を進めてまいる所存。人事院勧告の取扱いの検討に当たっては、皆様方の意見も十分にお聞きしたい」と、検討姿勢を述べた。

<厚生労働大臣申入れの経過>
 田村厚生労働大臣の要求書提出は、午後14時20分から、同じく委員長クラス交渉委員が対応した。
 冒頭、氏家議長は要求の趣旨を説明し、「大臣におかれては、公務員労働者が意欲を持って職務に精励し、国民の期待に応えられるよう、要求事項の実現に向けて最大限の努力を要請する」と求めた。

 これに対して大臣は、「厚生労働大臣の立場として、労働基本権制約の代償措置である人事院勧告は尊重されるべきと考える。今般の人事院勧告では、若年層に配慮し、初任給の改定が行われた。一定数の公務員は必要だ。この国が元気になっていくため、公務員をめざす意欲のある若い人を迎えられるような、魅力のある職場づくりが必要だ」との見解を述べた。


資料−政府宛要求書

2014年8月7日

内閣総理大臣
 安 倍 晋 三 様

公務員労働組合連絡会
議 長  氏 家 常 雄


本年の人事院勧告・報告に関わる要求書


 常日頃、公務員労働者の処遇改善にご努力いただいていることに感謝申し上げます。
 さて、人事院は本日、本年の給与改定のための勧告と給与制度の総合的見直しの勧告・報告を行いました。
 本年の給与改定に関する勧告は、月例給、一時金のいずれについても2007年以来の引上げとなり、不十分とはいえ組合員の期待に応えたものであり、人事院勧告が労働基本権制約の代償措置であることや民間動向を踏まえたものである以上、勧告通り実施すべきものと考えます。
 なお、一時金の増額が勤勉手当に配分にされたことから、育児休業期間中の職員や女性が多数を占める非常勤職員の処遇改善の観点から見て、社会的要請に関する配慮に課題を残すものです。
 他方、給与制度の総合的見直しに関わる勧告・報告については、われわれが見直しの必要性について明確で納得できる説明を求め続けたにもかかわらず、人事院が十分な議論を尽くさないまま踏み切ったものであり、到底認められません。
 この見直しは、被災地を含む地域で日夜奮闘している公務・公共サービス労働者や高齢層労働者の賃金を引き下げ、その努力と意欲に水を差すものに他なりません。
 貴職におかれましては、新たに設置された内閣官房内閣人事局の意義を深く認識され、公務員の使用者としての責任において、公務員労働者が意欲を持って職務に精励し、国民の期待に応えられるよう、下記事項の実現に向けて最大限努力されることを要求します。



1.本年の給与改定については、勧告通り実施すること。

2.給与制度の総合的見直しに関わる勧告・報告については、われわれと十分交渉・協議を行い、その実施を見送る方針決定を行うこと。


2014年8月7日

厚生労働大臣
 田 村 憲 久 様

公務員労働組合連絡会
議 長  氏 家 常 雄


本年の人事院勧告・報告に関わる要求書


 常日頃、公務員労働者の処遇改善にご努力いただいていることに感謝申し上げます。
 さて、人事院は本日、本年の給与改定のための勧告と給与制度の総合的見直しの勧告・報告を行いました。
 本年の給与改定に関する勧告は、月例給、一時金のいずれについても2007年以来の引上げとなり、不十分とはいえ組合員の期待に応えたものであり、人事院勧告が労働基本権制約の代償措置であることや民間動向を踏まえたものである以上、勧告通り実施すべきものと考えます。
 なお、一時金の増額が勤勉手当に配分にされたことから、育児休業期間中の職員や女性が多数を占める非常勤職員の処遇改善の観点から見て、社会的要請に関する配慮に課題を残すものです。
 他方、給与制度の総合的見直しに関わる勧告・報告については、われわれが見直しの必要性について明確で納得できる説明を求め続けたにもかかわらず、人事院が十分な議論を尽くさないまま踏み切ったものであり、到底認められません。
 この見直しは、被災地を含む地域で日夜奮闘している公務・公共サービス労働者や高齢層労働者の賃金を引き下げ、その努力と意欲に水を差すものに他なりません。
 貴職におかれましては、公務員労働者が意欲を持って職務に精励し、国民の期待に応えられるよう、下記事項の実現に向けて最大限努力されることを要求します。



1.本年の給与改定については、勧告通り実施すること。

2.給与制度の総合的見直しに関わる勧告・報告については、その実施を見送る方針決定を行うこと。

以上