2014年度公務労協情報 57 2014年8月8日
公務公共サービス労働組合協議会
 地方公務員部会

地方公務員部会が2014給与勧告等について全人連に要請−8/8

 公務労協地方公務員部会は、8日10時から、2014年地方公務員の給与勧告等について、全国人事委員会連合会に対する要請を行った。
 地方公務員部会側は、永井議長(全水道委員長)、川本企画調整委員(自治労書記長)、加藤事務局長、田中事務局次長および幹事が出席し、全人連側は、関谷会長(東京都人事委員会委員長)はじめ、都道府県人事委員会のブロック代表および政令市の代表者が対応した。
 冒頭、永井議長は、要請書(別紙)を手交し、「本年の給与改定については、月例給、一時金のいずれについても2007年以来の引上げ勧告となったが、給与制度の総合的見直しについては、人事院が十分な議論を尽くさないまま踏み切ったものであり、被災地を含む地域で日夜奮闘している公務・公共サービス労働者や高齢層労働者の賃金を引き下げ、その努力と意欲に水を差すものに他ならない。また、給与制度の総合的見直しは、全国単位での官民比較を行う国家公務員内部の給与配分の変更であり、この間それぞれの地域ごとに官民給与比較に基づく勧告、給与決定を行ってきた地方公務員給与に関して、そのままの形での制度導入には問題がある。地方公務員が置かれている現状を十分踏まえ、要請の実現に向け最大限の努力をお願いしたい」と要請の趣旨を述べた。
 続いて、加藤事務局長が「本年の人事院勧告・報告は、給与改定については月例給・一時金とも引上げ改定となったが、給与制度の総合的見直しについては明らかに俸給水準引下げありきであり、人材確保および職員の士気や組織の活力の維持・向上にはつながらない。各人事委員会での勧告作業では、地方の実情をきちんと踏まえたものとなるよう、組合との交渉・協議、合意に基づき進めていただきたい」と述べ、要請事項について説明し、全人連としての努力を求めた。

 こうした地方公務員部会の要請に対し、関谷全人連会長は次の通り回答し、要請を終えた。
<全人連会長回答>

平成26年8月8日

 ただいまの皆様からの要請につきましては、確かに承りました。
 早速、役員府県市を通じて、全国の人事委員会にお伝えいたします。
 さて、既にご承知のとおり、昨日、人事院勧告が行われましたので、改めてその概要について申し上げます。
 本年の官民較差は、ベースアップを実施した事業所の割合が昨年より増加するなど、賃金の引上げを図る動きが見られたことを反映し、平均1,090円、率にして0.27%、民間給与が公務員給与を上回るとしております。
 この較差を埋めるため、初任給を中心に若年層に重点を置いた俸給月額の引上げを行う一方、高齢層職員の在職する高位号俸等については改定を行わないなど、世代間の給与配分の観点から俸給表の改定を行うこととしております。
 特別給につきましても、民間事業所の支給割合と均衡するよう、勤勉手当を0.15月引上げることとしております。
 また、本年の勧告では、俸給表、諸手当の在り方を含めた給与制度の総合的見直しについて勧告するとともに、再任用職員に対しても単身赴任手当を支給することとしております。
 このほか、公務員人事管理に関する報告が行われ、能力・実績に基づく人事管理の推進や女性の採用・登用の拡大と両立支援の推進、勤務環境の整備等について意見を述べております。
 詳細につきましては、これから人事院の説明をうけますが、人事院の勧告は、必ずしも、これに従うべきものではないとは言え、今後、各人事委員会が勧告作業を行う上で、参考となるものであることから、その内容については、十分に吟味する必要があると考えております。
 今後は、皆様からの要請の趣旨も考慮しながら、それぞれの人事委員会が、主体性をもって対処していくことになるものと考えております。
 あらためて申すまでもありませんが、各人事委員会といたしましては、本年も、中立かつ公正な人事行政の専門機関として、その使命を果たしてまいります。
 全人連といたしましても、各人事委員会の主体的な取組を支援するとともに、人事院、各人事委員会との意見交換に十分努めていきたいと考えております。

(別紙)全人連への要請書

2014年8月8日

全国人事委員会連合会 
会 長  関 谷 保 夫 様

公務公共サービス労働組合協議会
地方公務員部会議長 永井 雅師


2014年給与勧告等に関する要請書


 各人事委員会の地方公務員の給与・労働条件の改善に向けたご努力に敬意を表します。
 さて、人事院は、8月7日、本年の給与改定に関する勧告と給与制度の総合的見直しに関する勧告・報告を行いました。
 本年の給与改定については、月例給、一時金のいずれについても2007年以来の引上げ勧告となり、不十分とはいえ組合員の期待に応えたものであるといえます。しかし、給与制度の総合的見直しについては、2015年4月より俸給表を2%、高年齢層が多く在職する号俸について最大4%引下げ、その引下げにより生じる原資を地域手当やその他手当に配分することなどを主な内容とした勧告・報告を行いました。これは、人事院が十分な議論を尽くさないまま踏み切ったものであり、被災地を含む地域で日夜奮闘している公務・公共サービス労働者や高齢層労働者の賃金を引き下げ、その努力と意欲に水を差すものに他なりません。
 また、地方公務員の給与に関しては、総務省が立ち上げた「地方公務員の給与制度の総合的見直しに関する検討会」において議論が行われていますが、今回の総合的見直しは、全国単位での官民比較を行う国家公務員内部の給与配分の変更であり、この間それぞれの地域ごとに官民給与比較に基づく勧告、給与決定を行ってきた地方公務員給与に関して、そのままの形での制度導入には問題があります。
 各人事委員会は、今後、公民比較調査を踏まえた勧告作業に入りますが、地方公務員が置かれている現状を十分踏まえ、下記事項の実現に向け最大限の努力を払われますよう要請します。




1.民間賃金実態に基づき公民較差を精確に把握し、人事委員会勧告制度の下で地方公務員のあるべき賃金を勧告すること。公民較差については、当面、現行の比較企業規模を堅持すること。また、一時金の公民比較は、月例給と同様に、同種・同等比較を原則とするラスパイレス比較を行うこと。

2.各人事委員会勧告について、本年4月の公民較差がプラスとなる場合は、現行給料表を基礎として配分すること。
 また、人事院の給与制度の総合的見直し勧告・報告は、国家公務員内部の給与配分の変更であり、地方自治体で導入しないよう対応すること。

3.一時金の支給月数を4.1月分以上に引き上げること。引上げは期末手当とすること。

4.各人事委員会の勧告に向けた調査や作業に当たっては、組合との交渉・協議、合意に基づき進めること。

5.諸手当の改善については、地域の実情を踏まえつつ、通勤手当を引き上げるとともに、組合との十分な交渉・協議に基づくこと。

6.臨時・非常勤職員の任用や処遇改善に関わって、総務省通知「臨時・非常勤職員及び任期付職員の任用等について」を活用し、人事委員会として可能な対応を行うこと。とくに、臨時・非常勤職員に対する夏季における有給休暇の付与について、必要な措置を図ること。

7.公立学校教職員の賃金の見直しに関わり、各人事委員会が参考としうるモデル給料表を作成する際には、関係労働組合との交渉・協議を行うこと。

8.標準職務分類表については、現在の運用状況等について改めて検証するとともに、等級別基準職務表に関しては、組合との十分な交渉・協議に基づくこと。

9.雇用と年金の接続については、段階的定年延長の実現にむけて、具体的な対応を図ること。当面、再任用職員の生活水準を確保するため、必要な措置を図ること。

10.公務におけるワーク・ライフ・バランスを確保するため、年間総労働時間を早期に1,800時間程度に短縮し、引き続き次の事項の実現に努めること。
 (1) 厳格な勤務時間管理と実効性ある超過勤務縮減のための積極的施策の推進
 (2) 年次有給休暇取得の促進
 (3) 労働時間短縮のための人員確保等の施策の構築

11.各種休暇制度を新設・拡充し、総合的な休業制度を確立すること。とくに、家族介護を理由とした離職を防止するための介護休業制度の整備を図ること。また、リフレッシュ休暇・リカレント休暇の新設、夏季休暇日数の拡大を図ること。

12.公務職場における男女平等の実現を人事行政の重要課題と位置づけ、必要な施策の確立を図ること。また、「第3次男女共同参画基本計画」及び「新成長戦略」に基づき、2020年までに男性の育児休業取得率13%を達成できるよう具体的促進策を講じること。

13.実効あるセクシュアルハラスメント、パワーハラスメントの防止策を引き続き推進するため、積極的な対応を行うこと。

14.公務職場における障がい者、外国人採用の促進を図るため、職場環境の整備を含め必要な措置を行うこと。とくに、2013年4月から障がい者の法定雇用率が引き上げられたことを踏まえ、障がい者雇用を一層促進すること。

以上