2015年度公務労協情報 19 2015年3月30日
公務公共サービス労働組合協議会

国家公務員の「夏の生活スタイル変革」実施方針(案)で書記長クラスが内閣人事局と交渉−3/26

 公務労協は、3月26日15時から、内閣人事局と「国家公務員における「夏の生活スタイル変革」(朝型勤務と早期退庁の勧奨)の実施方針(案)」(以下、実施方針(案))についての交渉を実施した。  公務労協からは、構成組織書記長らが出席し、内閣人事局は笹島人事政策統括官ほかが対応した。

 冒頭、笹島政策統括官が、「この間、2月12日の第189回国会における安倍内閣総理大臣施政方針演説をうけ、内閣人事局として、各府省や皆様からご意見をいただきながら検討を重ねてきた。明日、「夏の生活スタイル変革」に関する次官級連絡会議と女性職員活躍・ワークライフバランス推進協議会合同会議に実施方針(案)を提示したのち、公表する見込みである。本日は、実施に向けての意見交換を行いたい」と述べたのち、古賀参事官から説明がなされた。

 これに対し、吉澤事務局長らは次の通り統括官の見解を質した。
(1) 具体的な内容については申入れを行っており、今後、実施に向けた具体化にあたっては、申入れ内容を斟酌配慮していただきたい。
  その上で、国民運動としての生活スタイル変革するとのことだが、社会的・国民的理解を得ていくことが必要ではないか。国家公務員については明日公表されるとのことだが、国民への周知が不十分となり国家公務員のみが先行するとなった場合、謂われのない公務員批判につながりかねないため、政府全体として早急に周知徹底を図っていただきたい。
  また、これまでも公務員の働き方改革については議論してきたが、いまだ改善がなされていない。実施にあたって最も重要なのは、超過勤務の縮減とワークライフバランスの確保の実現であり、実効性のある取組となるようにしていただきたい。
(2) 地方も含めた各職場では、定員削減や仕事量の増加等により厳しい状況の中で業務に従事している。今後、職員はもとより各府省の実情に応じて取組が具体化されるが、各府省に任せきりになることによって、職員に不公平感が出ることのないよう、内閣人事局として対策を講じていただきたい。また、職場実態に即した取組が基本であるため、数値目標の設定等はせず、自主性を尊重していただきたい。
(3) フレックスタイム制との整合性はどうするのか。現場の職員が混乱しないよう適正な制度の運用を図っていただきたい。

 これに対し笹島政策統括官は次の通り応えた。
(1) 国民全体で長時間労働を含めた働き方を変え、超過勤務の縮減やワークライフバランスの実現等をめざすための一つの方策として今回の国民運動が展開されると認識している。国家公務員としては、ワークライフバランス推進強化月間の中で、働き方を含めた生活スタイル変革として実施するものであり、これを契機に、働き方改革だけでなく、適正な時間管理や超過勤務縮減策の具体化などにつなげていきたいと考えている。
  国民に対する周知方法等については、今後、政府として具体的検討を行う。
(2) 今後、実施にあたり、各府省において具体的取組が検討されることになるが、内閣人事局としても、超過勤務の縮減を含めた働き方改革に向けた効果的な取組となるよう、各府省を支援していきたい。数値目標等の設定はしないのが基本スタンスだ。
(3) フレックスタイム制との整合性について、勤務時間管理が難しくなるとのご指摘もあるが、個々の事情や生活スタイルに応じて必要な制度を活用し、ワークライフバランスの実現をめざすことが必要だと考えている。制度の運用等については、具体化された段階で、皆様とも意見交換しながら、意味のあるものにしていきたいと考えている。

 最後に吉澤事務局長が「実施によって、超過勤務が増加しては本末転倒となることは、お互いの共通認識であることを確認しておく。実施にあたっては、職員および職員団体との合意形成が必要不可欠であり、各府省、職場での丁寧な対応をお願いしたい」と強く要請し、この日の交渉を終えた。

以上