2018年度公務労協情報 3 2017年11月16日
公務公共サービス労働組合協議会
地方公務員部会

地方公務員部会が公務員部長交渉を実施し、給与改定及び退職手当見直し等に関わる最終回答を引き出す−11/16

 公務労協地方公務員部会は、11月16日、地方公務員給与の改定等に関わり、野田総務大臣に提出した申入書に対する最終回答を引き出すため、総務省交渉を実施した。地方公務員部会からは福島企画調整委員代表(自治労書記長)ら書記長クラス交渉委員が出席し、総務省からは佐々木公務員部長らが対応した。
 冒頭、福島企画調整委員代表が、地方公務員部会の要求に対する最終回答を求めたのに対し、佐々木公務員部長は以下のように答えた。

(1) 地方公務員の給与については、地方公務員法の趣意を踏まえ、各団体の議会において条例で定められるものである。総務省としては、国民・住民の理解と納得が得られる適正な内容とすべきものとの考えに立ち、必要な助言を行っていく。
(2) 技能労務職員等の給与については、一般行政職と異なり、労使交渉を経て労働協約を締結することができる。その上で、給与の種類、基準については条例で定めるものとされている。一方で、職務の性格や内容を踏まえつつ、同一又は類似の職種の国及び地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与等を考慮することが法律上求められているもの。しかしながら、技能労務職員等の給与については、同種の民間事業の従業者に比べ高額となっているのではないかとの国民等の厳しい批判があるところ。したがって、各地方公共団体においては、給与に関する情報の開示を進めながら、住民の理解と納得が得られる適正な給与とすることが重要と考えている。
(3) 従来、制度が不明確であり、地方公共団体によって任用・勤務条件に関する取扱いが区々であったのに対し、統一的な「会計年度任用職員」制度が整備されることは、今後、適正な任用・勤務条件を確保していく上での制度的な基盤を構築するものと考えている。総務省としては、「会計年度任用職員」制度の定着状況や民間の動向、国家公務員に係る制度・運用の状況などを踏まえ、また、厳しい地方財政の状況にも留意しつつ、今後とも会計年度任用職員に係る適正な任用や勤務条件の確保に向け、適宜、必要な検討を行ってまいりたい。
(4) 退職手当は勤続報償を基本的性格とするものであるが、その見直しについては退職後の職員の生活設計に大きな影響を及ぼすことから、各地方公共団体において、職員の理解と納得を得ながら円滑に制度改正が行われることが重要と考えている。

 これに対し、福島企画調整委員代表は次のように意見・要望を述べた。
(1) 言うまでもなく、地方公務員の給与は、地方自治の本旨と地方分権の理念に基づいて、当該地方自治体の条例で定めるべきものであり、その自治体の自主的・主体的判断で決定されるべきものであり、その点を改めて強調しておく。
(2) 退職手当は、地方自治体に働く労働者の退職後の生活設計の根幹をなすものであり、その水準見直しは労働条件の大きな変更となる。今後、地方自治体においても、退職手当の見直しが検討されるが、地方自治の本旨に基づいた労使交渉・協議・合意に基づく実施を前提とするとともに、地方自治体の自主的・主体的な決定が尊重されるべきである。
(3) 臨時・非常勤職員の処遇改善、雇用安定について。5月11日に可決・成立した「地方公務員法及び地方自治法の一部を改正する法律」により、臨時・非常勤職員の任用根拠が厳格化され、会計年度任用職員制度が創設された。
  8月に示された「事務処理マニュアル」は、特に会計年度任用職員制度の整備について、留意事項等が詳細に記されており、地方自治体では、このマニュアルをもとに施行に向けた条例の整備などが進められている。
  臨時・非常勤職員制度改正の円滑な具体化や当該職員の処遇改善につなげていくためにも、十分な助言・支援及び全ての職員への周知を徹底するとともに、制度改正に係る条例改正や労働条件の設定等については、自治体における労使交渉・協議、合意の尊重が不可欠である。
  改正法案の成立により、課題の全てが解決するものではなく、引き続き、臨時・非常勤職員の課題の解決に向け、全般的かつ必要な検討に努め、適宜見直しを行うとともに、地方自治体において円滑な具体化が図られるためのていねいな助言及び支援、あわせて、厳しい地方財政の現状を鑑み、必要な財政の確保を強く求める。

 明日、第2回給与関係閣僚会議で本年の人事院勧告の取扱い方針について協議したのち、その後の閣議で、公務員給与改定の取扱い方針、給与法等改正法案及び国家公務員退職手当法改正法案が決定される見込みであり、この閣議決定後、地方公務員の給与改定等に関する取扱いについて、総務副大臣通知が発出される予定である。

以上