2019年度公務労協情報 14 2019年2月22日
公務公共サービス労働組合協議会

2019春季生活闘争・公共サービスキャンペーンを開始-2/22

 公務労協は22日13時30分から、東京・全電通ホールで「2019春季生活闘争・公共サービスキャンペーン開始2.22中央集会」を開催した。
 この集会は、@連合の春季生活闘争への積極的参加と、各構成組織における取組の強化に向けた基盤を形成する、A引き続き、大規模災害からの復旧・復興・再生に向けて、公務・公共に従事する労働組合としての社会的責任と役割の具体化に向けて認識の共有をはかる、B2009年通常国会において成立した公共サービス基本法の理念に基づく国及び地方自治体における措置の具体化に向け認識の共有をはかることを目的に開催し、全国から約300人の仲間が結集した。
 この集会は、@連合の春季生活闘争への積極的参加と、各構成組織における取組の強化に向けた基盤を形成する、A熊本地震や東日本大震災などの災害への対応について、公務・公共に従事する労働組合としての社会的責任と役割の具体化に向けて認識の共有をはかる、B2009年通常国会において成立した公共サービス基本法の理念の対峙と国及び地方自治体における措置の具体化に向けて認識の共有はかることなどを目的に行ったものであり、全国から約300人の仲間が結集した。
主催者を代表してあいさつする岡島議長
 集会冒頭、主催者を代表して岡島公務労協議長は「連合は、2019春季生活闘争も引き続き「底上げ・底支え」「格差是正」「すべての労働者の立場に立った働き方の実現」に向けた闘争を展開する。公務労協としては、JP労組や協約締結権を有する組織に対する支援や情報共有を行うとともに、各組織の成果を人事院勧告期、確定期の闘争へとつなげていかなければならない。中でも最大の課題は超過勤務の縮減だ。職員は、各職場において自らの職務に励んでいる。しかし、人員不足等により超過勤務時間が縮減されないなど、勤務環境は非常に厳しい状況だ。労働力人口が減少している中、国民の安心と安全を支える良質な公共サービスを実現に向け、人材確保の観点を含め、安心して働くことができるよう勤務環境を整備、実効ある超勤縮減の取組を強化し、「働き方改革」をより一層推進していく必要がある。他方、政府における公的負担の最小化をめざす新自由主義的歳出削減路線が続いているが、私たちは、公務への歳出削減圧力に対立・対抗し、「公共サービス基本法」の意義と目的を重視した活動を進めていかなければならない。とくに、近年、多発している大規模自然災害からの復旧・復興・再生に向けては、公共サービスに従事する労働組合としての社会的責任と役割を果たすための取組を進める必要がある。本年も引き続き、岩手、宮城、福島の被災3県の地方公務労協との連携のもと、職場から、意見・要望等の集約を行い、これを要求化して対政府交渉につなげていくこととしており、その際、復興の基本方針の見直しについて、職場からの意見・要望等を反映していくことを重点としている。本集会において、私たちをとりまく情勢認識を共有し、構成組織、地方組織が連携を深めながら、2019春季生活闘争と2019良い社会をつくる公共サービスキャンペーンの取組をともに進めていこう」との決意を述べた。

 挨拶に続き、福島県公務労協の澤田精一幹事(自治労福島県本部書記長)より情勢報告を、復興庁の米澤朋通参事官より「東日本大震災からの復興の現状と課題」と題した講演を受けた。
澤田福島県公務労協幹事
 澤田幹事は、自治労福島県本部がおこなった「原発被災自治体職員(第二次)アンケート(対象:双葉郡8町村、南相馬市、飯舘村)」の調査結果をもとに、原発被災自治体で働く自治体職員の「働く上でのストレス」や「定年までの就労意向」等について報告した。澤田幹事は「東日本大震災から本年3月で8年を経過するが、正職員は既に震災後に採用された職員の比率が4割を超えている。職員の世代を問わず、知識・経験不足から働く上でのストレスを感じているとの結果が出ているのは、誰も経験したことのない震災・事故対応という業務を担っているからではないか。施設や設備のハード面での復興は進んでいるが、心の復興にはまだ時間がかかる。引き続き事態が改善するよう取り組んでいく」と現場実態の報告と今後の決意を訴えた。



米澤復興庁参事官
 米澤参事官は、東日本大震災からの復興の枠組みと被災各地の復興の経過について報告した後、「復興・創生期間終了まで残すところ2年となるが、被災県からは復興庁の後継組織のあり方を含め、復興期間の終了後も継続して支援を要望する意見が寄せられている。これを踏まえ、昨年12月に「復興・創生期間後も対応が必要な課題の整理」を行った。地震・津波被災地域については、生活インフラの復旧はほぼ完了し、産業・生業の再生は進展しており、復興の総仕上げの段階に入った。今後、被災者の見守りや心のケア、コミュニティの形成、被災した児童生徒への支援など、復興期間終了後も一定期間の対応をすることが必要である。原子力災害被災地域については、中長期的な対応が必要であり、期間終了後も継続して国が前面に立って取り組むこととしており、帰還促進のための環境整備、福島イノベーション・コースト構想を軸とした産業集積、風評払拭・リスクコミュニケーションなどについても対応が必要である。また、今年度中に「『復興・創生期間』における東日本大震災からの復興の基本方針」を見直すこととしており、引き続き、復興施策の進捗状況や効果検証等を踏まえ、復興・創生期間後も対応が必要な事業を整理し、後継組織のあり方を含めて一定の方向性を示すべく検討を進めている。今後も、被災地域の復興・創生に向けて全力で取り組んでいく」 と述べた。なお、復興庁から配布された「放射線のホント」という冊子に対する疑問および否定的な意見が参加者から出された。

団結がんばろうで意思統一
  最後に吉澤事務局長が、春季生活闘争をめぐる情勢・課題についてふれた上で「残された復興期間は2年だが、地方の当事者任せということになってはならない。国の責任において、国民全体で被災地を支える観点からも、公務労協として重点を置いた対応・対策を行う。春季生活闘争が始まるが、今年の楽観視できない情勢を共有しつつ、直接相場形成に参画できない立場だからこそ、民間組合との連帯を強めながら、この春季生活闘争を闘い抜こう」との基調提起を行い、全体の拍手で確認したのち、岡島議長の団結がんばろうで中央集会を締めくくった。




以上