2020年度公務労協情報 24 2020年9月1日
公務公共サービス労働組合協議会
公務員労働組合連絡会

人勧期要求をめぐり連絡会幹事クラスが人事院交渉−9/1
届け!奮闘する現場の声 〜2020人勧期署名を提出〜

 公務員連絡会幹事クラス交渉委員は9月1日13時30分から、2020年人勧期要求に関わり、練合人事院職員団体審議官との交渉を実施した。
練合審議官(左)に署名を提出
  交渉に先立ち、2020人勧期署名行動「ネットシグネ」の取組で、全国の仲間から寄せられた48万3,379筆の署名を提出した。
 森永副事務局長は、「本年は新型コロナウイルスの感染拡大により、公務員連絡会としても例年同様の人勧期の取組ができない状況にある。今回の署名を通じて、組合員から現場の実情などを集約し、人事院に届けるということで取り組んできた。是非、現場の職員の声に耳を傾けながら、今後の人事院勧告等にむけた作業をしっかりおこなって頂きたい」と述べた。

 冒頭、森永副事務局長が「8月5日に本年の人事院勧告に関わる要求書を人事院総裁に提出した。要求に対する現時点での回答を伺いたい」と求めたのに対し、練合審議官は「まず冒頭、新型コロナウイルス感染症をはじめ、自然災害が相次ぐなか、各職場で日々職務に奮闘されていることについて、心から敬意を表する」と述べた上で、次のとおり回答した。

1.勧告等について
(1) 勧告作業について
  今年の民間給与実態調査は、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響から、ボーナス等の調査を先行して実施し、月例給の調査については8月17日から実施しているところである。
  人事院としては、国会と内閣に必要な勧告・報告を行うという国家公務員法に定められた責務を着実に果たしていきたいと考えている。
(2) 賃金の改善について
  一時金については、現在、民調結果を集計中である。また、月例給与については、9月30日までの期間で調査中である。
  したがって、月例給与、一時金とも、今の段階では何とも言えない状況であるが、本年においても民調の結果に基づき、適切に対処したいと考えている。
(3) 諸手当について
  諸手当については、民間の状況、公務の実態等を踏まえ、職員団体の皆さんの意見も聴きながら、必要となる検討を行っていくこととしたい。
(4) 再任用職員の給与について
  再任用職員の給与については、民間企業における定年制や高齢層従業員の給与の状況、各府省における再任用制度の運用状況を踏まえつつ、職員団体の皆さんの意見も聴きながら、引き続き必要な検討を行っていくこととしたいと考えている。
2.新型コロナウイルス感染症への対応について
  新型コロナウイルス感染症への対応については、これまで、感染拡大防止に資するよう、柔軟な時差出勤のための勤務時間割振りの特例措置、出勤困難な場合の特別休暇の取扱いに関する通知の発出、職場における感染拡大防止対策や、妊娠中の女子職員の業務軽減等に関する取扱いの周知などの対策を講じてきたところ。また、新型コロナウイルスにさらされる業務に従事したため発症した疾病については、公務上の災害となるので、公務災害の認定等を速やかに行うこと等について各実施機関に対して周知をしているところ。
  さらに、職員が新型コロナウイルス感染症対策のための緊急措置に係る作業に従事した場合に特例的に防疫等作業手当を支給できるよう、規則改正を行った。
  今後も感染状況、感染症対策業務に関する状況等を踏まえつつ、必要な対応を行ってまいりたい。
3.労働諸条件の改善について
(1) 労働時間の短縮等について
(超過勤務の縮減、上限規制について)
  長時間労働の是正については、昨年2月、人事院規則を改正し、超過勤務命令を行うことができる時間の上限について、原則として1箇月について45時間かつ1年について360時間などと設定して、昨年4月から施行している。
  各府省において、上限を超えて超過勤務を命ぜられた者がいた場合には、その要因について整理、分析及び検証を行うこととしており、多くの府省においては、令和2年3月までの1年間の状況について、本年9月末までの間に整理、分析及び検証を行うこととなる。
  人事院としても、今後、各府省における検証等の結果も含め、制度の運用状況についてフォローアップを行い、必要に応じて各府省を指導していくなど、引き続き適切に役割を果たしてまいりたい。
  勤務時間管理については、超過勤務の運用の適正を図るため、課室長等による超過勤務予定の事前確認等を徹底させるとともに、超過勤務時間の確認を行う場合は課室長等による現認等を通じて行うものとし、客観的な記録を基礎として在庁の状況を把握している場合は、これを参照することもできる旨を職員福祉局長通知で規定したところである。
(休暇制度等の改善について)
  職員の休暇、休業については、従来より情勢適応の原則の下、民間における普及状況に合わせることを基本に、適宜見直しを行ってきたところであり、今後も社会情勢等を踏まえつつ、制度の改善や環境整備に努めていきたいと考えている。
(2) 障害者雇用について
  障害を有する職員が自らの希望や障害等の特性に応じて、無理なく、かつ、安定的に働くことができるよう、平成30年12月にフレックスタイム制の柔軟化等を実現するための人事院規則等の改正を行うとともに、公務の職場における障害者雇用に関する理解を促進し、障害を有する職員が必要な配慮を受けられるよう、「職員の募集及び採用時並びに採用後において障害者に対して各省各庁の長が講ずべき措置に関する指針」を平成30年12月に発出し、各府省に対して、当該指針に沿って適切に対応することを求めている。
  さらに、平成30年度及び2019年度に障害者選考試験を実施するなどしている。
  このほか、厚生労働省と連携して、各府省における合理的配慮事例の情報共有などの支援を行っている。今後とも、必要に応じて各府省への支援を行ってまいりたい。
(3) 女性国家公務員の採用等の推進について
  女性職員の採用・登用の拡大等については、政府全体で取組が進められており、人事院としても、女性を対象とした人材確保活動や女性職員の登用に向けた研修、両立支援策等により各府省の取組を支援してきている。
  人事院としては、今後とも、各府省の具体的な取組が進むよう支援していきたいと考えている。
(4) 福利厚生施策について
(心の健康づくり対策について)
  心の健康づくりについては、これまでも研修の充実・強化、心の健康相談室の運営、ストレスチェック制度の実施など、様々な取組を行い対処してきたところである。引き続き心の健康づくり対策にしっかりと取り組んでいきたいと考えている。
(ハラスメントの防止について)
  人事院は、本年4月、パワー・ハラスメントの防止等の措置を講じるための人事院規則を制定し、あわせて、セクシュアル・ハラスメント及び妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントに係る人事院規則についても、所要の規定の整備を行ったところである。各種ハラスメントの防止等のため、人事院規則において各省各庁の長は、研修の実施、苦情相談体制の整備等の措置を講じなければならないこととされており、人事院としては、各府省における取組状況を把握しながら、研修で活用するための教材の作成・提供や、各府省のハラスメント相談員を対象としたセミナーの開催などにより、各府省を支援するとともに制度の適切かつ円滑な運用に向けて指導を行ってまいりたい。また、苦情相談を含めた公平審査制度において、パワー・ハラスメントに関する事案についても人事院の役割を適切に果たしてまいりたい。
  なお、職員が担当する行政サービスの利用者からのハラスメントについては、その内容が様々であることから、実務に当たる各省庁においてその態様に応じてこれまでも様々な対処が行われていると承知している。人事院においても、各省庁の対処事例を収集するなど、その対応について研究してまいりたい。
4.非常勤職員制度等について
(1) 非常勤職員の給与について
  非常勤職員の給与については、平成20年8月に非常勤職員の給与についての指針を発出し、各府省において適正な給与の支給が行われるよう、必要な指導を行ってきている。平成29年7月には、常勤職員の給与との権衡をより確保できるよう指針の改正を行い、現在、これに基づく各府省の取組が進んでいるところであり、今後とも、指針の内容に沿った適切な処遇が図られるよう取り組んでいきたい。
(2) 新型コロナウイルス感染拡大への対応について
  新型コロナウイルス感染症に関し、出勤困難な場合の特別休暇は非常勤職員に対しても有給で措置したところであり、今後も感染状況等を踏まえつつ、必要な対応を行ってまいりたい。
(3) 非常勤職員の休暇等について
  非常勤職員の休暇制度等については、民間の状況等を考慮し、必要な措置を行ってきているところであり、今後も、引き続き民間の状況等について注視し、必要に応じて検討を行ってまいりたい。
(4) 期間業務職員制度について
  期間業務職員制度は、従来の日々雇用の非常勤職員の在り方を見直すため、職員団体をはじめ各方面の意見等を踏まえ、平成22年10月に導入したものであり、人事院は、各府省において、本制度を設けた趣旨に則った適正な運用がなされるよう、制度の周知徹底や指導助言を行うなどして取り組んでいる。
  
  回答を受けて、森永副事務局長は、今年の人事院勧告について、「例年であれば、8月上旬に人事院から職員の給与に関する報告・勧告、公務員人事管理に関する報告が行われる。今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、民調の開始が遅れ、賞与等の先行調査、現在、月例給の調査が9月30日までの期間で実施されているが、今後の勧告に向けた作業及び勧告日程等はどうなるのか」と質したのに対し、練合審議官は「現段階では、はっきりと申し上げられない。調査結果にもとづいて、国会及び内閣に必要な勧告・報告を行うべく、鋭意、検討・準備を進めている」と回答した。
  また、各交渉委員からの意見として、自治労・森本委員は「コロナ禍のもと、調査が例年より遅れていることは理解する。一方で、調査は人事委員会との共同調査で行われており、人事委員会も年に一度は勧告、報告を行っている中にあって、この先の日程感が見えずに苦労していると聞く。例年よりもスムーズな情報提供と、人事委員会からの意見をしっかりと聞いた上での対応を」と求めたのに対し、練合審議官は、「いただいたご意見は、担当にお伝えする」と答えた。

  森永副事務局長は回答を踏まえ、4点の課題について、さらに人事院の見解を求めた。
1.賃金要求について
(1) 民調の状況について
  7月末を期限とした賞与等の先行調査、郵送調査によって実施されたが、調査完了率はどのような状況か。8月17日から9月30日までの期間で実施されている月例給調査の状況如何。
(2) 国公実態について
  国公実態調査について、平均年齢や平均給与月額に関して、昨年と比較してどのような状況になっているのか。
(3) 月例給について
  連合、経団連の妥結回答状況及び厚労省などの調査結果の数字を見れば、昨年までの6年連続賃上げの水準からは後退している。また、4月の毎月勤労統計調査による一般労働者の所定内給与は前年同月と同水準にとどまっている。
  国公実態が明らかになっていないので何とも言えないが、いずれにしても、客観的な官民比較に基づいて、少なくとも月例給与の水準の維持を最低として、公務員連絡会との交渉・協議、合意による措置を求めておく。
(4) 一時金について
  各種調査結果などを見る限り、昨年冬は大きな増減は見られないが、今年の夏の民間状況は、相当厳しいと認識している。厳しい民間動向を踏まえ、要求にあるとおり、職員の生活を守る支給月数の確保を求めておく。
(5) 諸手当について
  賞与等の先行調査にあわせて、家族手当と通勤手当の調査を行っているが、調査結果も踏まえて、具体的に見直しを検討している手当があれば検討状況を明らかにすること。仮に見直すべき手当があれば、十分な議論と合意が不可欠である。
(6) 再任用の職員の給与について
  再任用職員の給与制度については、教育費をはじめとした経済的負担の実態や定年前職員との均衡を踏まえて改善すること。とくに、生活関連手当の支給を強く求める。

 これに対し、練合審議官は以下の通り回答した。
〇 特別給等についての先行調査について、調査結果については調査完了率も含めて精査中であり、現時点で申し上げることはできない。
  月例給調査の状況について、調査員から企業担当者に改めて連絡の上、感染予防等に十分注意しながら、調査をおこなっている。特段、問題が生じているとは聞いていない。
〇 国公実態調査については、現在、精査をしている。
〇 諸手当について、調査結果を精査しているところであり、仮になんらかの見直しを検討する際には、当然のことながら、意見を聴く場を設けたい。

2.新型コロナウイルス感染症への対応について
  この間の人事院のタイムリーな対応についてはその努力を多とするが、一方で、感染状況の収束の兆しが見えないなかで、各現場では、必死の奮闘が続いている。
今回、地域、職場からの声も踏まえて、追加要求(別紙)を取りまとめた。
  今後行われる、書記長クラス交渉委員と職員福祉局長との交渉の際に、追加要求に関して回答すること。
  
  これに対し、練合審議官は「いずれも、皆さんのご意見、ご要望についてはしっかりと受け止め、検討してまいりたい」と回答した。
  また、各交渉委員からの意見として、自治労・森本委員は「現在、新型コロナウイルス感染症は感染症法では2類相当という位置づけにされており、見直しが検討されていると報道があった。仮に、位置付けが変わることで、この間人事院が措置してきた勤務条件等が変更されることはあるのか確認したい」と求めたのに対し、練合審議官は「見直しが検討されていることは報道で把握しているが、それ以上の情報はない。今後、状況に応じて、引き続き皆さんのご意見を踏まえつつ、検討してまいりたい」と答えた。

3.労働諸条件の改善について
(1) 労働時間の短縮及び休業制度等について
 @ 長時間労働、超過勤務の縮減については、改正人事院規則のもとで、節目となる1年が経過をした。とくにこの1年は、昨年秋の台風被害、今年になってからは、新型コロナや豪雨災害など、極めて異例な職場実態だったと認識している。
  その上で、
 ア 人事院として、各府省庁の超過勤務の実態を把握するための調査等、具体的な対応如何。
 イ この間、ICT等を活用した客観的で厳格な勤務時間管理を直ちに行うよう求めてきた。とくに、新型コロナ感染拡大防止の観点から、テレワーク、在宅勤務が行われており、勤務時間管理がおろそかになってしまい、ついつい長時間労働になってしまうことが想定されるが、人事院としての認識如何。
 ウ いずれにせよ、引き続き、平時とはいえない環境のもとにあっても、超過勤務の縮減に向けて、人事院として積極的に役割を果たすことを強く求めておく。
 A 介護休暇制度について、民間における先進事例も参考にして、介護休業制度の整備を含めて検討を行うこと。とくに、現場からは、介護が長期化する事例もあることから、現在の6ヶ月からの拡充を求める要望もだされている。
 B 出産・育児に関わる休暇制度については、職員が希望する妊娠・出産を実現できるよう、不妊治療にかかる制度の新設を含め改善するよう求める。現場からは、切迫流産で長期間休まざるを得ない状況に対応した制度の拡充を求める声もある。
 2020年度の人事院予算に、「治療と仕事の両立に係る諸問題についての実態把握」として、不妊治療等の継続的な治療と仕事の両立支援の観点から、職場として配慮すべき点などを有識者から聴取するとともに、職員へのアンケート調査を行い、公務における実態や職員のニーズを把握するための経費、が計上されているが、現在の取組状況等について明らかにすること。
(2) 福利厚生施策の充実について
  パワーハラスメントの防止対策については、新たな人事院規則が6月1日から施行されている。この間の、公務員連絡会との交渉協議においても指摘したが、人事院においては、職員向けの周知リーフレットを作成するなどして、職員に対する啓発にも力を入れていることは評価する。今後、組合としても、職場段階での労働相談などを通じて「ハラスメントのない職場」をめざして取組も強化していくが、引き続き、苦情相談、紛争解決における人事院の役割が極めて重要になることから、その役割を着実に果たすこと。改めてその決意を示すこと。

 これに対し、練合審議官は以下の通り回答した。
〇 超過勤務の上限規制についてのフォローアップであるが、冒頭申し上げたとおり、昨年度1年間の各府省の状況、上限を超えた超過勤務時間の状況については、各府省において9月末迄に整理、分析および検証を行うこととしており、人事院としては、今後、各府省における検証等の結果を含めて、制度の運用状況についてしっかりとフォローアップを行い、必要に応じて各府省を指導していく。
〇 テレワークのもとでの勤務時間管理については、テレワーク時の超過勤務予定の事前確認の徹底や客観的な記録がある場合にはそれを参照できるとした職員福祉局長通知が基本となる。ただ、各府省において、時差出勤やテレワーク等による出勤回避の取組が継続的に実施されている状況があり、柔軟な働き方に対応した勤務環境の整備が必要と認識している。
  民間の状況等を踏まえつつ、関連する勤務時間管理制度のあり方について必要な研究をしてまいりたい。
〇 介護との両立支援については、引き続き民間の状況を踏まえて必要な検討をしてまいりたい。
〇 不妊治療休暇については、昨年の勧告時報告において、民間の状況を注視しつつ、不妊治療を受けやすい職場環境の醸成等をはかると言及しており、それを受けて予算を計上したところ。現在、検討を行っている。
〇 冒頭申し上げたとおり、パワー・ハラスメントを防止するために人事院の役割をしっかりと果たしていく。

 また、各交渉委員からの意見として、全農林・渡辺委員は「上限規制が施行されて1年が経過し、各府省の整理・分析・検証を踏まえ、人事院がフォローアップするとのことだが、その日程感はどのように考えているのか。この間上限規制については何度も議論を重ねて導入されたが、やはり各府省での運用状況や特例業務の取扱いに府省間での差異がないのかなどを把握すべきだ。その上で、どのように各府省を指導するのか、人事院の責任は重い。指導等がなければ、特例や上限時間等、各府省の都合のいい解釈のまま運用されてしまい、結果として超過勤務の縮減は実現しない。労使共通の目的である超過勤務の縮減を果たすためにも、人事院の決意を問う」と求めたのに対し、練合審議官は、「日程については9月末までの各府省の検討状況を踏まえつつ検討するため、現時点でお伝えできる状況にはない。フォローアップの方法については、単に数字を把握するだけでなく、運用状況や上限時間を超えた背景も含めてヒアリングで把握し、指導を行っていく」と答えた。続けて、自治労・森本委員から「9月末以降の指導についてはあくまで昨年度のものであり、今年度のコロナ禍の状況については、来年の検証になるとは思うが、これまでにない超過勤務時間となっていることが想定される。また、大規模な自然災害も続いており、職員は現場で過酷な長時間労働に従事することも増えており、その後の健康管理対策をしっかりと行うべきだ」と求めたのに対し、練合審議官は「現在でも月100時間以上となった場合は医師の面接指導を義務付けており、80時間超についても医師の面接指導の対象としている。いずれにしても職員の健康管理は重要なことであり、いただいたご意見はしっかりと担当に伝える」と答えた。

4.非常勤職員等の制度及び待遇改善について
  とくに、非常勤職員の休暇制度について、無給休暇の有給化を強く求めるが、具体的な検討を行っているのか。

  これに対し、練合審議官は「皆さんからの強い要望は認識している。民間の状況を注視して必要な検討をおこなってまいりたい」と回答した。
  
 最後に、森永副事務局長が「新型コロナウイルスは、いまだに収束の兆しを見せないなかで感染拡大防止と社会経済活動の両立は困難を極めている。職場では、「新しい生活様式」「新しい日常」での対応が求められるもと、懸命の奮闘が続いている。このような状況において、職員の給与、勤務条件を適正に確保するという人事院の役割は、これまで以上に重要になってくる。今後の人事院勧告に向けたスケジュールについても今日の段階では明らかになっていないが、引き続き、前広な情報提供を強く求めるとともに、給与局長、職員福祉局長との交渉では、公務員連絡会の要求に沿った具体的な回答を求めておく」と要望し、本日の交渉を締めくくった。


(別紙)

2020年9月1日

人事院総裁
 一 宮 なほみ 様

公務員労働組合連絡会
議長 柴山 好憲


新型コロナウイルス感染症に関する勤務条件等の追加要求

1.これまで人事院が対応した措置事項について、各府省庁における職員の取得・適用状況等を調査し、適切な対応をはかるよう指導すること。また、関係する通知等を整理の上、人事院のホームページへ一括して掲載するなど、職員への周知に関する配慮をはかること。

2.感染により重症化することが指摘されている基礎疾患を有する職員については、職員本人の意向を尊重し、在宅勤務の従事や感染リスクの低い業務に従事させるなどの人事上の措置を講じるよう、各府省庁を指導すること。

3.妊娠している職員に対しては、産前・産後休暇を拡充すること。また、「医師等による指導を受けて職員が請求」との要件を省略し、当該職員の意思を前提として、在宅勤務を命じるようにすること。なお、当該職場において、他の職員の理解を得るよう努めること。

4.職員の健康管理に万全の体制を講じるよう各府省庁への指導を徹底すること。とくに、メンタルヘルス対策に万全を期すこと。

5.引き続き、今後の感染状況等の推移を踏まえ、職員の感染防止、健康確保のため、公務員連絡会との交渉・協議、合意により、適宜、必要な措置を講じること。

以上