みんなの力で、労働基本権の確立と民主的な公務員制度改革を実現しよう

労働基本権確立・公務員制度改革

対策本部ニュース

号外 2001年12月7日

連合官公部門連絡会


対策本部が石原行革担当大臣と交渉
「労働基本権は引き続き検討中」との不誠実な回答に強く抗議し「大綱」延期を申入れ

 連合官公部門「対策本部」の榊原・大原両副本部長らは、本日午前10時50分から、内閣府・大臣室において石原行革担当相と交渉し、労働基本権問題に対する回答を求めた。
 冒頭、榊原副本部長が「9月11日に申し入れた労働基本権問題についての回答を示されたい。また、『大綱』原案提示の日程、『大綱』策定に向けたスケジュールについて示されたい」と、回答を求めたのに対し、石原大臣は次の通り答えた。
(1)労働基本権については、非常に重要な問題であり、人事制度とも密接に関係していることから、早く固める必要があるものと認識している。
 議院内閣制の下で与党における議論も重要な要素であることから、現在、事務局及び与党において積極的な検討がなされているところである。新しい制度における内閣と第三者機関の機能の整理を行ったり、職員団体の皆様からヒアリングを行ったりしながら、結論を出すべく議論を行っているところだ。
 現在のところ結論には至っていないが、私としてもできるだけ早く結論が出せるよう努力していきたい。
(2)今月中に「公務員制度改革大綱(仮称)」を策定することとしており、そのためにできるだけ早くその原案を皆さんに提示したいと考えている。10日の週を目途に「大綱」の原案を提示できるのではないかと考えており、「大綱」の策定は20日前後を想定している。
 これに対し、榊原副本部長は別紙申入書を手交しながら、次の通り石原大臣・行革推進事務局の誠意のない態度に強く抗議するとともに、「誠意ある交渉・協議で『大綱』をとりまとめるタイムリミットは過ぎており、12月中の『大綱』決定は延期する」よう、強く申し入れた。
(1)9月11日に申し入れた労働基本権問題についての回答が、11月6日に続いて、またしても本日示されなかったことは、きわめて遺憾である。われわれも自民党行政改革推進本部と意見交換しており、その場で自民党側の考え方は明確に述べられているにもかかわらず、大臣が「検討中」とするのは納得できない。
(2)現在進められている「新人事制度の原案」についての交渉・協議も、労働基本権や賃金・労働条件決定制度の在り方が示されない限り、それに対するわれわれの賛否の態度が決められず、これ以上意味のある交渉・協議はできない状況に至っている。その一方で、行革推進事務局は「労働基本権を現行のまま」とした形で「大綱」原案作業を進めていると仄聞している。仮にそれが事実だとしたら、われわれを愚弄した誠意のない姿勢であり、決して認めることはできない。また、客観的にみても、本日現在、労働基本権問題の結論が示されておらず、来週には「大綱」原案の提示、20日前後には「政府決定」ということでは、あまりに一方的であり、これまで「まず人事・給与制度を設計し、それが労働基本権制約に抵触するか否かを検討する」としてきた政府側の主張にもそぐわないものである。
(3)本日、明確な回答が示されなかったことにより、国際公約ともなっている「誠意ある交渉・協議」に基づいて「大綱」を取りまとめるタイムリミットは過ぎたといわざるを得ない。したがって、「年内」というスケジュールにこだわらず、われわれとの交渉・協議が整うまで「大綱」の政府決定は延期してもらいたい。仮に、十分かつ誠意ある交渉・協議を経ずして一方的に「大綱」を決定した場合は、われわれとしてもその後の作業に強い姿勢で臨まざるを得ないことを付言しておきたい。
 こうした申入れに対し、石原大臣は「申入れの趣旨は承った。しかし、現段階では『大綱』策定時期を変更することは想定していない」との考えを示した。



2001年12月7日

行政改革・規制改革担当大臣
 石原伸晃 殿

連合官公部門連絡会               
労働基本権確立・公務員制度改革対策本部
本部長 丸山 建藏


公務員制度改革の「大綱」の取りまとめに当たっての申入れ


 公務員制度改革をめぐっては、現在、行政改革推進事務局との間で「行政職に関する新人事制度の原案」などをめぐって交渉・協議が行われていますが、労働基本権や賃金・労働条件決定制度の在り方が明らかとならない限り「新人事制度の原案」に対する賛否を明確にした交渉・協議がこれ以上できない段階に至っています。
 公務員制度改革の「大綱」を十分かつ誠実な交渉・協議によって取りまとめることは、日本政府の国際公約となっています。にもかかわらず、9月11日に貴職に対して申し入れた労働基本権をめぐる回答が、11月6日に続いて引き延ばされたことは極めて遺憾であり、誠意のない態度だといわざるをえません。本日、貴職から回答が示されなかったことにより、もはや残された期間からみて、誠実な交渉・協議を経て「大綱」を取りまとめるためのタイムリミットはすぎているといわざるをえません。
 以上のことからわれわれは、下記の通り、「12月中」というスケジュールにこだわらず、「大綱」の取りまとめ時期をわれわれとの十分かつ誠実な交渉・協議が行われるまで延期することを求めますので、貴職におかれてはその実現に向けて最大限努力されるよう強く申し入れます。仮に、「大綱」を十分な交渉・協議を経ずして一方的に決定(時期的にも内容的にも)した場合は、われわれとしてもその後の作業に対して強い姿勢で臨まざるをえない状況であることを申し添えます。



1.「大綱」の取りまとめ時期については、「12月中」というスケジュールにこだわらず、われわれとの十分な交渉・協議が行われるまで延期すること。

2.9月11日に申し入れた労働基本権の在り方については、「大綱原案」が提示される前に石原大臣から直接回答すること。

以上