みんなの力で、労働基本権の確立と民主的な公務員制度改革を実現しよう

労働基本権確立・公務員制度改革

対策本部ニュース

No.12 2001年5月14日

連合官公部門連絡会

第3回対策本部会議を開催

「公務員制度の民主的で抜本的な改革の提言」を決定



 第3回対策本部会議が5月14日午後1時から東京・ホテルラングウッドで開催され、「公務員制度の民主的で抜本的な改革に向けた私たちの提言」(別掲)を決定した。会議では、政府・行革推進事務局に対し、この「提言」に基づいた交渉・協議と合意のもと公務員制度改革の「基本設計」をとりまとめるよう求めていくことを確認、合わせて、緊急署名活動やシンポジウム、6.14全国統一行動など6月に向けた運動の取り組みについて意思統一した。
 会議冒頭のあいさつで、榎本対策本部長は次のように訴えた。
@ 連合官公部門は、公務員制度改革について、公務員制度調査会での論議に参加してきた。
 しかし、政府はこのような経過を飛び越えて、3月27日に「公務員制度改革の大枠」を発表し、公務員制度改革が一気に政治のまな板の上に取り上げられた。
A 3月30日開催の第1回対策本部会議で、公務員制度の改革に向けわれわれの立場を広く国民に提示して政府と争っていくことを確認した。
B 「私たちの提言」は、国際労働基準を満たした近代的公務員制度を求めているが、公務員労働者の立場からだけの主張でなく、国民の視点に立った改革案として提示する必要がある。
 時間的制約のなかで慎重にかつ厳しい論議をしてきたが、本日の会議で決定していきたい。
 以上のあいさつに次いで、事務局から、労働基本権の全面的な確立と民主的公務員制度改革を柱とした「私たちの提言」について取りまとめた経緯を含め考え方を説明、合わせて連合の「21世紀の公務員制度・労働基本権確立の基本要求について」(素案)が示された。
 若干の質疑のあと、「私たちの提言」を全体で確認、この決定を踏まえ斎藤事務局長から「当面の取り組み」について提案した。そのなかで、小泉新政権発足後の政府・行革推進事務局と与党の動向を説明、推進事務局が「基本設計」に向け給与制度・退職手当制度の見直し、評価制度の設計を一方的に進めている状況に触れ、「今週中にも石原行革担当大臣との交渉が実現するよう申し入れている」とのべて緊急の課題として取り組む考えを示した。
 「当面の具体的取り組み」では、次にように運動課題を提起した。
@ 組合員・家族を対象とした緊急署名行動(5月中旬〜6月13日までの間実施、6月14日に政府に提出)
A 連合民間労組への第2次支援要請行動(5月21日〜6月8日までの間)
B 「21世紀の公務員制度のあり方を考えるシンポジウム」の開催(5月22日13時〜16時30分、田町交通ビル6階ホール、300人規模)
C 地方での集会・学習会の開催(5月中旬〜6月中旬までの間実施)
D6.14全国統一行動(職場集会の実施と決議文の採択・送付)、中央集会の実施(6月14日18時30分開会、日比谷大音楽堂、5,000人規模)
 こうした運動課題とともに、6月5日から始まるILO総会に対し連合と連携して対策していく考えを示した。
 対策本部会議では、これらの取り組みを全体で確認、「提言」の実現に200万組合員の総力をあげ闘うことを意思統一した。

公務員制度の民主的で抜本的な改革の提言(pdf 115k)

《 構成組織内教宣:機関紙用記事 》 (見出し等は独自につけて下さい。)
「公務員制度の民主的で抜本的な改革に向けた私たちの提言」の概要について

(A)
 連合官公部門連絡会は5月14日、「21世紀社会にふさわしい公共サービスの担い手をめざして」と題する「公務員制度の民主的で抜本的な改革に向けた私たちの提言」をまとめた。
 「提言」は、公務員制度改革の視点として、@特権・閉鎖型から中立・公正、透明、分権の参加型へ「民主主義的改革」、A入口選別・年功序列から公正な基準による昇進・処遇へ「人材確保とライフステージの確立」、B労使対等原則に沿った労働基準と市民的権利保障へ「国際労働基準の確立」、の3点を提示、制度改革の具体策を打ち出している。
 「提言」は冒頭で、「公務員への国民の厳しい批判を真摯に受け止め、特権的・閉鎖的な公務員像から脱却し、21世紀の社会にふさわしい公共サービスの担い手として自己改革をめざしたもの」との立場を示し、「中立・公正で透明な行政と民主的な公務員制度の確立」に取り組む決意を示している。
 「総論」では公務員制度の改革課題として、@キャリア制度の廃止A人材確保とライフステージの確立B労働基本権の確立C分権社会にふさわしい地方公務員制度の確立、を掲げている。
 これを受け「各論」では、「国家公務員の行政職」を中心とした提言と限定したうえで、キャリア中心の現在の公務員制度を「特権的な官僚制度」と規定し、これを「打破」する立場から見直しを主張、政府の「大枠」で提起していた「国家戦略スタッフ群」等は特別職の政治任用職として限定し、一般職については、直接公権力を行使するものや使用者の立場に立つものを除き民間労働者と同じように労働基準法・労働組合法を適用する「労働契約に基づく公務員」とするよう求めている。そうしたうえで、@T種試験制度とその採用者を幹部候補として扱うキャリア制度を廃止し、採用試験区分を高卒・大卒の2種類に改めること、A新たな人事評価システムの確立を前提に公平・公正、透明、客観的な基準に基づく昇進・処遇制度の確立すること、B非常勤・パート職員の均等待遇確保と「短時間公務員制度」を創設すること、C雇用保障については、整理解雇4原則、手続きを法律で明記すること、などを掲げている。
 また、いわゆる高級官僚の「天下り」については、政府の「大枠」がいう各府省大臣の承認制を「特権官僚の『天下り』を容認するもの」と厳しく批判し、「政官財のゆ着を解消し中立・公正な行政を進めるためにも全面的に禁止する」としている。そのため、「事務次官であれ、局長であれ、長期に在職する人事システムを作るべき」との考えを示した。
 一方、 公務員の労働基本権問題について、3月に政府が示した「大枠」では「十分検討」として踏み込んだ考えを示していないが、「提言」では、国際労働基準に大きく遅れているとして、@すべての「労働契約に基づく公務員」に団結権・団体交渉権・争議権の労働3権を保障すること、消防職員は3権付与の対象とし警察職員・刑務官等は団結権・団体交渉権を検討、A現在の人事院勧告制度を廃止して労使対等の団体交渉による賃金・労働条件決定制度とすること、その際、賃金の交渉基準として「民間準拠の原則」を確認、B管理運営事項等を含め幅広く意思疎通をはかるための労使協議制度を法制化すること、C労働組合が参加する苦情処理制度を各府省毎に整備すること、を求めている。
 連合官公部門連絡会では、今週中にも石原伸晃行政改革担当相に会い、「提言」を「基本設計」に反映するよう求めていくとしている。(トメ)

(B)
 連合官公部門連絡会は5月14日、「公務員制度の民主的で抜本的な改革に向けた私たちの提言」をまとめた。
 「提言」は、「民主主義的改革」「人材確保とライフステージの確立」「国際労働基準の確立」「分権社会にふさわしい地方公務員制度の確立」の4つの視点から制度改革の具体策を打ち出している。
 「提言」は冒頭で、「公務員への国民の厳しい批判を真摯に受け止め、21世紀の社会にふさわしい公共サービスの担い手として自己改革をめざしたもの」で「中立・公正で透明な行政と民主的な公務員制度の確立」に取り組む決意を示している。
 具体的には、「国家公務員の行政職」を中心とした提言と限定したうえで、キャリア中心の現在の公務員制度を「特権的な官僚制度」と規定し、これを「打破」する立場から見直しを主張、一般職については、直接公権力を行使するものや使用者の立場に立つものを除き労働基準法・労働組合法を適用する「労働契約に基づく公務員」とするよう求めている。そうしたうえで、@T種試験制度とその採用者を幹部候補として扱うキャリア制度を廃止し、採用試験区分を高卒・大卒の2種類に改めること、A新たな人事評価システムの確立を前提に公平・公正、透明、客観的な基準に基づく昇進・処遇制度の確立すること、B雇用保障については、整理解雇4原則、手続きを法律で明記すること、などを掲げている。
 また、「天下り」については、「大枠」の各府省大臣の承認制を「特権官僚の『天下り』を容認するもの」と厳しく批判し、「政官財のゆ着を解消し中立・公正な行政を進めるためにも全面的に禁止する」としている。
 公務員の労働基本権問題については、国際労働基準に大きく遅れているとして、@すべての「労働契約に基づく公務員」に団結権・団体交渉権・争議権の労働3権を保障すること、A人事院勧告制度を廃止して労使対等の団体交渉による賃金・労働条件決定制度とすること、B管理運営事項等を含め幅広く意思疎通をはかるための労使協議制度を法制化すること、C労働組合が参加する苦情処理制度を各府省毎に整備すること、を求めている。
 連合官公部門連絡会では、今週中にも石原伸晃行政改革担当相に会い、「提言」を「基本設計」に反映するよう求めていくとしている。(トメ)

以上