筑波大学で組合結成、日教組・日大教に加盟決議

 1973年の開学以来28年間、労働組合のなかった筑波大学(茨城県つくば市・北原保雄学長)で5月31日に教職員100人が参加して「筑波大学ユニオン」結成大会を開き、初代執行委員長に今橋盛勝社会科学系教授を選んだ。「独立行政法人化への対応など、今後の組合運営、大学や文部科学省との交渉を考えた場合、強力な全国産別との協力は不可欠」という立場から日教組、日大教への加盟を決議した。
 国立大学の独立行政法人化をめぐる政府での動きが早まる中、これに対応した新しい労働組合が国立大学に結成されるのは初めて。こうした新たな労働組合が連合に参加する日教組への加盟決議をあげたことは、独法化、公務員制度改革のうねりに直面する国家公務員の労働現場における新たな労使関係の枠組みを創っていく上で大きな契機になるともいえる。
 日教組では昨年4月から国立大学をはじめとした文部科学省関連の独立行政法人移行組織での労働組合組織化の専門機関「日教組UPIセンター」を設立し、オルグ配置をしているが今回の組合結成はこのとりくみの一環としてなされたもの。
 大会では@大学側との話し合いの窓口確立A独立行政法人化に対応した交渉ルールの確立とユニオンとしての大学改革案の提示Bゆるやかな横の連帯の復活。「活動グループ」による自主的な運動の重視C会員(組合員)の拡大を図るなどの運動方針を確認。当面は筑波地区3300人の教職員の1割の組合参加を目標とし、早急に過半数の会員組織化を展望していく。
 大会翌日の6月1日には大学側に組合結成通告を行い、北原学長との交渉を要求した。
 今橋新委員長は「筑波には28年間の空白がある。この中で作られてきた教職員の意識を変えていくのは容易ではない。しかし、開かれた横の連帯意識を取り戻していかなければ、大学の改革もない。今後の円滑なユニオンの運営を図っていく上でも経験の豊富な日教組の協力をいただきたい」と抱負を語っている。

新役員(三役)は以下の通り
執行委員長    今橋盛勝(社会科学系教授)
執行副委員長   西田正規(歴史人類学系教授)
事務局長      松本聖子(芸術学系技官)