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労働基本権確立・公務員制度改革

対策本部ニュース

No.81 2002年3月7日

連合官公部門連絡会


連合がILO結社の自由委員会への提訴に関し官房長官と会見
日本政府としてILOの要請に誠実に対応するよう求める

 連合は3月5日17時15分から、首相官邸で福田官房長官に会い、「ILO結社の自由委員会への提訴に当たっての小泉総理大臣宛要請書」(別紙)を提出した。会見には、政府側から福田官房長官のほか竹島内閣官房副長官補らが同席、連合からは、草野事務局長、村上副事務局長、対策本部から丸山本部長(連合副会長)、宮入副事務局長が出席した。
 冒頭、草野事務局長は、「公務員制度改革大綱」が閣議決定されたことに対し、連合と連合官公部門連絡会が共同でILO結社の自由委員会に提訴し、同委員会が「第2177号」事件として受理したことを説明。要請事項として、@ILOから見解が求められた場合には、迅速かつ的確・公正な報告を行い、審議に誠実に対応すること、A勧告が行われた場合は、その勧告を尊重し、直ちに必要な措置を実施すること、の2点について申し入れた。また、丸山本部長は、@「大綱」が決定に至る手続きにおいて当該組合と「誠実な交渉・協議」がなされなかったこと、A内容面も人事院の機能を大きく後退させ内閣と各府省の人事管理権限を強めるなかで、労働基本権の制約を維持していること、などを指摘し、いずれもILOの基準に違反していると訴えた。
 これに対し、福田官房長官は、「申入れの趣旨は分かった。ILOから要請があれば誠意を持って対応したい。また、政府としては、制度の具体化にあたり組合と真摯に話合っていくことが必要と考えている」との見解を示した。



(別紙)

2002年3月5日


内閣総理大臣
 小泉 純一郎 様

日本労働組合総連合会    
会 長 笹 森  清


ILO結社の自由委員会への提訴にあたっての要請


 連合および連合官公部門連絡会は、去る2月26日に、公務員制度改革に関する日本政府の結社の自由違反について、ILO結社の自由委員会に提訴しました。また、この提訴と並行して、ICFTU(国際自由労連)、PSI(国際公務労連)、EI(教育インターナショナル)、UNI(ユニオンネットワークインターナショナル)、ITF(国際運輸労連)、IFBWW(国際建設森林労連)など、多くの国際的な労働組合組織に共同提訴人となることを呼びかけ、既に快諾を得ています。
 日本の公務員法制が、ILO87号、同98号条約に適合していないことは、これまでに再三にわたって、ILOからの是正勧告が行われてきたことからも明らかです。
 昨年末に閣議決定された「公務員制度改革大綱」では、労働基本権の制約を「現行のまま維持する」とする一方で、代償機能を大幅に縮小し、使用者としての政府の人事管理権限を強化しています。また、労働組合との十分な交渉・協議を経ずに決定されました。こうした一連の対応は、すでに違反状況にあることに加え、さらなるILO条約への重大な違反を犯すものといわざるを得ません。
 私たちは、ILO結社の自由委員会において、早急に結論が出されるよう求めています。つきましては、政府として、以下の事項に沿ったILOへの誠意ある対応を行うよう、強く要請いたします。



1.ILOから日本政府の見解が求められた場合には、迅速かつ的確・公正な報告を行い、結社の自由委員会の審議に誠実に対応すること。

2.結社の自由委員会から勧告が行われた場合は、その勧告を尊重し、直ちに必要な措置を実施すること。

以上