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労働基本権確立・公務員制度改革

対策本部ニュース

No.98 2002年6月14日

連合官公部門連絡会


ILO総会・条約勧告適用委員会の議長集約
労働側主張受け入れ、団体交渉による制度改革の決定求める

 開会中の第90回ILO総会・条約勧告適用委員会で、現地時間の6月11日、98号条約(団結権及び団体交渉権についての原則の適用に関する条約)に関わる日本案件(公務員制度改革問題等)の個別審査(95に掲載済)が行われたが、その議長集約が13日の同委員会で確認された(原文は英語)。
 議長集約は、公務員制度改革に関わって、ILOがこれまで示してきた認識を改めて明確に指摘し、日本政府にその改善を求めている。これは、政府に対して厳しい内容となっており、労働側の主張が受け容れられたものといえる。
 具体的には、@日本の公務員の賃金労働条件決定システム(人勧制度)が決定過程への公務員労働者の参加を大幅に制限していることに懸念を表明し、A日本では包括的・一律全面的に労働基本権が制約されているが、ILO98号条約は、国家権力の直接的な行使・国家の運営に関与しない公務員には適用されることを改めて指摘し、B政府に対して、今次公務員制度改革を通じ、公務員の雇用条件が団体交渉によって決定されることを目標とし、社会的パートナーとの十分な協議を行うよう強く希望し、Cそのための具体的な施策と結果の詳細な報告を次回に行うよう求めている。
 議長集約(仮訳)は、次のとおり。


 委員会は、政府代表の声明とそれに続く討議に留意する。

 委員会は、専門家委員会が、反組合的な差別待遇に対する保護に関する第98号条約第1条と、団体交渉の促進に関する第4条についての問題を取り上げたことを想起する。

 委員会は、この点に関して、国立病院セクター及び国営企業における前向きな進展を歓迎し、政府が病院セクター労働者の団体交渉権を全面的に確保するための方策を取り続けるよう奨励する。しかしながら、委員会は、公務員が自らの給与の決定に参加することが、大幅に制限されていることに懸念を持って留意する。
 条約は、国家の運営に関与しない公務員には適用されることを想起しつつ、委員会は、現在進行中の公務員制度改革を利用して、関係ソーシャルパートナーとの全面的な協議に基づき、団体交渉を奨励かつ促進し、これらの方策によって条約が適用される公務員の雇用条件が決定されるよう政府が努めることを強く希望する。

 委員会は、政府が次回の報告において、この点に関する進展状況についての詳細な情報、とりわけ、制度および実態の両面における条約の全面的な適用を保証するために採られた措置および予定されている措置について報告するよう要請する。


京都でも決起集会、全国統一行動に呼応し街頭宣伝・署名活動計画

 6月10日、連合京都官公部門連絡会は、公務員制度改悪反対決起集会を開催した。集会は京都市内のラポール京都会議室で午後6時過ぎから始まり、100人が参加した。
 冒頭、連合京都の羽室会長は、「民間労組は、賃下げ・雇用不安など大変な状況が続く中で支援している。公務員を時の政府のいいなりにしようとする公務員制度改革を許してはならない。民間の仲間にも理解されるよう官公部門連絡会は精一杯運動を進めよう」とあいさつした。
 連合官公部門対策本部から岩本伸一事務局次長が中央の取り組みについて報告。岩本次長は、「労使交渉もなしに大綱が決定された。ILOへは国際労働団体と共に提訴し日本の公務員法制の国際基準違反を訴えている。国内では連合の民間単産の協力を得て1千万署名運動を進めている。21世紀臨調やマスコミでも公務員制度改革に疑問がだされるなど運動の効果も広がりつつある。2003年の通常国会を射程に運動を一層推進しよう」と訴えた。

 11単産で構成する連合京都官公部門連絡会は、この間、3月に春闘決起集会を開催し、公務員制度改革大綱の撤回を求めて闘うことを確認。5月には連合京都加盟民間単産への署名協力要請行動を実施した。一方、構成組織内では,1千万署名の成功に向けて組合員オルグをはじめ、退職者会、友好団体、組織内議員等への要請に取り組み、5月末の第1次集約として約4万人の署名を集めている。
 連合京都官公部門連絡会は、引き続き組織内外での署名運動に取り組むと共に、6月28日には全国統一キャンペーン行動に呼応して、京都市内で街頭宣伝・署名活動を展開することにしている。

以上