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労働基本権確立・公務員制度改革

対策本部ニュース

No.194 2007年6月6日

公務公共サービス
労働組合協議会


衆議院内閣委で国公法改正法案が自公の賛成で可決(6/6)

−7日の本会議で可決し参議院送付予定−

 4月25日に国会に提出された天下りの行為規制・人材バンク設置と能力・実績主義人事管理の強化に関わる国公法等改正法案は、衆議院内閣委員会で5月連休明けから審議されてきたが、6日の同委員会で自民・公明党の賛成多数で可決され、7日の衆議院本会議に回されることとなった。7日の本会議でも、自民・公明党の賛成多数で可決され、参議院に送付されることとなる見通し。
 参議院の審議日程はまだ固まっていないが、与党は安倍総理の成立に向けた強い意向を受けて、11日本会議趣旨説明、12日内閣委員会での審議入りをねらっている。民主党を中心とした野党はこれにつよく反発しており、審議未了・廃案をめざして委員会審議に対応する方針だ。公務労協では、衆議院内閣委員会の審議が「天下り」問題に終始したことから、参議院では野党と連携し、公務員制度の抜本改革や能力・実績主義人事管理の問題点、労働基本権を含む労使関係の改革等の諸問題を追及し、政府提案の国公法等の改正法案を廃案にすべく取組みを強める方針だ。

 この国公法等改正法案は、1日の衆議院内閣委員会で与党が強行採決する方針であったが、野党の反発を受けて6日の委員会に採決が持ち越されたもの。
 6日午前9時から開かれた衆議院内閣委員会では、民主党・自民党・共産党の各委員が質疑を行った後、13時30分過ぎから採決に入り、まず、民主党提案の3法案を賛成少数で否決、政府提案を自民・公明党の賛成多数で可決した。採決後、自民・公明党が提出した付帯決議を両党の賛成多数(民主・共産反対)で採択した。
 6日、内閣委員会で自・公の賛成で採択された付帯決議は資料の通り。


資料−6日の衆・内閣委で採択された付帯決議(自・公賛成)
国家公務員法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議

2007.6.6
衆議院内閣委員会

 政府は国民に信頼される公務員制度を実現するため、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずるべきである。

一、本案に基づく能力・実績主義や再就職規制の導入のみでなく、優秀な人材の確保策や公務員の能力向上のための育成方針等、採用から研修育成、昇任、昇格等処遇、定年制度等に至るまでの人事制度全般について、実態を踏まえた総合的かつ整合的な検討を十分に行い、その実施を図ること。

一、公務員制度改革について、専門スタッフ職の実現、公募制の導入、官民人材交流の抜本的拡大を含めた採用から退職までの公務員の人事制度全般の総合的な改革案を早急に提示し推進すること。

一、「官民人材交流センター」の創設に当たり、制度設計の検討については、再就職ニーズに十分対応できる再就職支援機能の重点的強化を図るとともに、各府省からの中立性を徹底し、業務の透明性等を確保すること等の原則に従うこと。また、同センターの機能や在り方を常時、見直すことに務めること。

一、国家公務員の再就職に係わる規制及び監視体制の運用に当たっては、押し付け的あっせんや官製談合に対する強い国民の批判を踏まえ、国家公務員に対する国民の信頼を回復することができるよう、厳格かつ適切な運用を図ること。

一、近年の公務員志望者の減少化の中で、優秀な人材を確保するためには、公務員としての公務の使命や携わることの魅力を十分に明確にする必要がある。このため、公務員のキャリアパスを明確にし、人生設計に希望がもてるような人事制度となるよう、十分配慮すること。
 また、各府省庁間の人材交流を、なお一層促進すること。

一、「能力・実績主義」の運用に当たっては、単に短期的かつ形式的な成果によって昇進や昇給に反映させるのではなく、公務員としての育成、能力開発に資するものであって、国民に成果が還元されるよう制度運用について十分な検討を行うこと。

一、「官民人材交流センター」等の運用に当たっては、今般の改革の目的の一つが官と民と人材の相互交流の拡大にあることから、若手職員の交流を一層拡大し、相互に、バランス良く交流ができるように、その運用を検討し、実施すること。

一、総人件費削減等の今後の行財政改革の推進に当たっては、国家公務員の士気の低下を招くことのないよう、各府省庁の実態を踏まえた上で、全体の公務員制度改革との整合性を十分に検証し、その実施を図ること。

一、国家公務員が培った高度な専門知識や経験を長期間公務に活用できるようにするため、専門スタッフ職を創設し、そのための俸給表を早期に整備するとともに、公務部門の新陳代謝が阻害されることのないよう、また人員構成が高齢化しないよう、必要な定員・定数の配分についての特段の配慮を払うこと。専門スタッフ職の職員については、兼業規制の大幅な緩和を行うこと等により、知識、経験を大学等の研究機関や民間企業にも還元できるようにすること。

一、勤務条件や退職後の生活環境について、官民のイコールフッテイングを図るため、主要先進諸国の国家公務員制度の状況をも参考にしつつ、国家公務員の定年を年金支給開始年齢まで引き上げることも含めて検討するとともに、年金の支給額についても民間企業と同等の水準を維持できるよう制度設計を進めること。

一、労働基本権を含む公務員の労使問題については、行政改革推進本部専門調査会における審議を踏まえ、引き続き検討を行うこと。