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公務公共サービス労働組合協議会 地方公務員部会
2023年度 公務労協情報 No. 33

地方公務員部会が、全人連より要請の回答を受領-8/28

 公務労協地方公務員部会は、人事院勧告・報告後、各人事委員会が勧告作業に取りかかることを受け、8月10日に全国人事委員会連合会に対して「2023年給与勧告等に関する要請」を行い(別紙1)、8月28日に、全人連からの回答(別紙2)を受領した。

(別紙1)

2023年8月10日

全国人事委員会連合会
 会 長  中 西  充 様

公務公共サービス労働組合協議会
地方公務員部会議長 古矢 武士
(公印省略)

2023年給与勧告等に関する要請書

 各人事委員会の地方公務員の給与・労働条件の改善に向けたご努力に敬意を表します。
 さて、新型コロナウイルス感染症の拡大も一定収束する中、円安とウクライナ侵攻による資源価格の高騰等により、あらゆる物価が高騰し、職員の生活に大きな影響を与えています。
 一方、今年の春季生活闘争は、近年にない高い水準の回答が相次ぎ、賃金の引上げ傾向が鮮明となっています。
 このような中、職員が国民・住民の期待に応え、より質の高い公務・公共サービスを確実に提供していくためには、職員の雇用の安定、積極的な賃金の引上げ及び労働条件の改善が不可欠です。
 人事院は、8月7日、政府と国会に対して 2023年の官民較差に基づく国家公務員の給与等に関わる勧告を行いました。各人事委員会では、2023年の月例給および一時金に関する報告・勧告に向けた作業が本格的に進められているものと承知しています。
 職員の士気を確保し、良質な公務・公共サービスを提供していくためにも、専門機関としての機能を発揮いただくとともに、地方公務員が置かれている現状を十分踏まえ、下記事項の実現に最大限の努力を払われますよう要請します。

1.民間賃金実態に基づき、公民較差を精確に把握するとともに、勧告にあたっては給料表の改善を中心に公民較差を解消すること。
(1)月例給については、全職員に対する引上げ勧告を行うこと。

(2)一時金については、精確な民間実態の把握と公民比較を行い、支給月数を引 き上げるとともに、期末手当・勤勉手当への適正な配分を行うこと。

2.諸手当の改定については、地域の実情及び職員の職務や生活実態を踏まえ、組合との十分な交渉・協議に基づき進めること。

3.「社会と公務の変化に応じた給与制度の整備」については、その検討の動向を踏まえて、関係組合との十分な交渉・協議に基づいて対応すること。

4.各人事委員会の勧告に向けた調査や作業にあたっては、組合との交渉・協議、合意に基づき進めること。

5.会計年度任用職員をはじめとする臨時・非常勤職員の任用や待遇、休暇制度について、常勤職員との権衡をはかる観点から、人事委員会として改善に向けて必要な措置をはかること。

6.公立学校教員の賃金に関わり、引き続き、各人事委員会が参考としうるモデル給料表を作成・提示すること。また、作成にあたっては、関係労働組合との交渉・協議、合意に基づき進めること。

7.公務における働き方改革を着実に推進するため、厳格な勤務時間管理をはじめ、長時間労働の是正、ワーク・ライフ・バランスの実現に資する施策の構築など、人事委員会として必要な対応をはかること。とくに、人事院の「テレワーク等研究会」最終報告で示された「より柔軟な働き方」をはじめとした勤務時間等の検討について必要な対応をはかること。

8.実効性のあるハラスメント防止策を引き続き推進するため、積極的な対応を行うこと。

9.各種休暇制度を新設・拡充し、総合的な休暇・休業制度を確立すること。

10.公務職場における男女平等の実現を人事行政の重要課題と位置づけ、両立支援制度の円滑な活用や男女間待遇格差の是正など、必要な施策を講じること。

以上

(別紙2)

令和5年8月28日

要請に対する全人連会長回答

 8月 10 日の要請につきましては、早速、全国の人事委員会にお伝えしたところです。

 去る8月7日、人事院勧告が行われました。

 本年の官民較差は、民間における大幅な賃上げを反映して、民間給与が公務員給与を額にして 3,869 円、率にして 0.96%上回っており、この較差を埋めるため、俸給月額を引き上げることとされております。

 特別給につきましても、民間が公務を上回ったことから、支給月数を 0.10 月分引き上げることとし、引上げ分は期末手当及び勤勉手当に0.05 月分ずつ均等に配分することとされております。

 また、テレワーク中心の働き方をする職員の光熱・水道費等の負担軽減のため、在宅勤務等手当を新設することとされております。

 このほか、公務員人事管理に関する報告では、行政の経営管理力を高め、公務組織の各層に有為な人材を誘致・育成することが不可欠であることなどについて意見が述べられております。

 国家公務員と地方公務員の立場の違いはありつつも、人事院の勧告は、各人事委員会が勧告作業を行う上で、参考となるものであることから、その内容については、十分に吟味する必要があると考えております。

 今後、各人事委員会は、皆様からの要請の趣旨も考慮しながら、それぞれの実情等を勘案し、主体性をもって対処していくことになるものと考えております。

 改めて申すまでもありませんが、各人事委員会においては本年も、中立かつ公正な人事行政の専門機関として、その使命を果たしていくものと考えております。

 全人連といたしましても、各人事委員会の主体的な取組を支援するとともに、人事院、各人事委員会との意見交換に十分努めていきたいと考えております。

全国人事委員会連合会

会長 中西 充