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公務公共サービス労働組合協議会 公務員連絡会
2021年度 公務労協情報 No. 2

書記長クラス交渉委員が人勧取扱い等に関わり内閣人事局人事政策統括官と交渉-11/4

 公務員連絡会は、11月4日11時30分から、本年の人事院勧告・報告の取扱いに関する政府の検討状況を質すため、内閣人事局交渉を実施した。公務員連絡会は書記長クラス交渉委員が出席し、内閣人事局は堀江人事政策統括官らが対応した。
 冒頭、吉澤事務局長が、「10月7日に人事院の一時金に関する勧告が出され、同日、大臣に要求書を提出した。その後、先週28日には月例給を据え置くという報告を人事院が行った。一方で、26日から臨時国会が招集されたところ。要求に関わって、主な事項は、本年の給与改定の扱い、そして定年の引き上げ、2点について現時点での検討状況を明らかにされたい」と求めたのに対し、堀江統括官は次のとおり回答した。

(1) 10月7日に提出された要求書について、本日までの検討状況を回答する。
(2) 去る10月7日に人事院から国家公務員の給与のうちボーナスについての勧告があったことを受け、10月9日に第1回の給与関係閣僚会議が開催されたところ。また、10月28日に人事院から月例給については、改定の必要はないとする報告があったところ。
本年の給与改定の取扱いについては、労働基本権制約の代償措置の根幹を成す人事院勧告制度を尊重するとの基本姿勢の下、国政全般の観点から検討を進めているところであり、早急に結論が得られるよう努力してまいりたい。
(3) 国家公務員の定年の引上げについては、先の通常国会で廃案となった国家公務員法等改正案については、様々な御意見があったものと承知しており、そうしたことも踏まえながら、法案の提出について、改めて検討しているところ。

 これに対し吉澤事務局長は、給与改定について、次のとおり統括官の考えを質した。
1.人事院勧告・報告の取扱いについて
(1) 本年の給与改定の取扱いについて、「早急に結論」との回答だったが、どういう方向で結論を出すつもりなのか、認識を問う。
(2) 仮に勧告・報告どおりの改定となれば、年収ベースではマイナスになる。新型コロナウイルス感染症への対応のもと、先行きの見えないなか、業務量が膨大に増え、業務内容の質も変化するなかで、職員の必死の奮闘が続いている。使用者である政府として、給与改定に伴い職員の士気の確保をはかるためにも、謝意と激励の意思を明らかにすべきではないか。
(3) 今年は異例の事態のもと、現行の給与決定に関する課題が明確になったのも事実だ。人事院にも指摘をしたが、来年に向けた考え方や準備について、今年を教訓に考えるべきだと思うが政府としての認識如何。

 これに対し、堀江統括官は次のとおり回答した。
(1) 従来どおり、人事院勧告・報告を尊重する立場で検討している。プラスマイナスに関わらず、勧告・報告を尊重するという基本姿勢のもと、早急に決断する。
(2) 新型コロナウイルス感染症の感染拡大対策で、最前線で頑張っている職員の気持ちはわれわれも大臣も共有している。そういう点も折に触れてお示ししたい。
(3) 政府として、人事院勧告については、調査の設計や実施時期については第三者機関である人事院が責任をもって決めるものと考えている。人事院も様々な努力をしたとは思うが、非常に日程がタイトになったのも事実だ。人事院自ら、来年以降の調査方法等について検討していただけることを期待している。

 続いて、吉澤事務局長は、定年引上げについて、現在の検討状況等について次のとおり統括官の見解を質した。
2.定年引上げについて
(1) 7月の骨太方針においても、「公務員の定年引上げに向けた取組を進める」とし、政府が責任を持って対応をするものと捉えているが、菅政権のもと、改めて政府の認識を問う。
(2) とくに段階的に引き上がる過程で定年を迎える職員にとっては重大な人生設計に関わる。これまでの経緯に鑑みれば、政府側には極めて重い道義的な責任があると認識している。可及的速やかに結論を得て、国家公務員法を再提出するよう求める。

 これに対し、堀江統括官は次のとおり回答した。
(1) 骨太方針の記述もだが、国会でも大臣が答弁しているとおり、少子高齢化が進む中で、社会全体として高齢者の能力をさらに発揮することが重要であるとの考え方は変わっていない。国家公務員の定年引上げについて、先の国会で検察庁法について様々なご意見をいただいたので、現在検討している。法案提出の時期については、現時点において具体的に申し上げられる状況ではない。
(2) ご意見は承った。

 最後に、吉澤事務局長は、「大臣には、本年の給与改定の要求について、誠意ある直接の回答を求める」と述べ、本日の交渉を締めくくった。