TOP 公務労協情報 月例給改定なし、一時金0.15月分引下げを勧告-人事院-8/10
公務公共サービス労働組合協議会 公務員連絡会
2021年度 公務労協情報 No. 31

月例給改定なし、一時金0.15月分引下げを勧告-人事院-8/10

 人事院は本日、月例給の改定は行わない一方で、一時金の支給月数を0.15月分引下げ、年間4.30月とする給与に関する勧告・報告と公務員人事管理に関する報告、国家公務員の育児休業等に関する法律の改正についての意見の申出を行った。
 公務員連絡会は、代表者会議を開催し、別紙の声明を確認するとともに、人事院勧告・報告を踏まえ、第3次全国統一行動として、本日以降速やかに、各構成組織の実情に応じた行動等を実施し、勧告・報告内容を報告し、今後の取組に備えることとした。あわせて、国家公務員制度担当大臣及び厚生労働大臣に対して、勧告及び意見の申出の取扱いを検討するに当たっては、公務員連絡会と十分交渉・協議し、合意することを求める要求書を提出することとした。

別紙

声  明

1.人事院は、本日、月例給の改定は行わない一方、一時金の支給月数を0.15月分引下げる給与に関する勧告・報告と公務員人事管理に関する報告、国家公務員の育児休業等に関する法律の改正についての意見の申出を行った。

2.公務員連絡会は、6月30日に人事院に要求書を提出し、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が収束しないもとでの厳しい社会経済情勢を踏まえ、具体的には、①月例給の水準の維持を最低とすること、②一時金については、精確な民間実態の把握と官民比較を行い、職員の生活を守る支給月数を確保することを求め、われわれとの十分な交渉・協議、合意に基づいて勧告作業を行うよう人事院に求めてきた。そして、2021人勧期署名行動「ネットシグネ」に取り組み、7月13日に50万6074筆の署名の提出、幹事クラス交渉委員による職員団体審議官交渉、書記長クラス交渉委員による職員福祉、給与両局長交渉を行うなど、人事院との交渉・協議を最終盤までねばり強く取り組んだ。

3.本年の給与に関する勧告・報告において、①月例給の官民較差が△19円(△0.00%)と極めて小さく、俸給表及び諸手当の適切な改定が困難であるとし、月例給の改定を行わなかったことは、民間実勢や国家公務員給与実態を反映した公平・公正で客観的な官民比較に基づくものであるが、公務員連絡会の要求に基づく交渉・協議の結果と受け止める。②一時金について、昨年に引き続き、2年連続での引下げとなったことは、民間賞与の客観的な支給実態に基づくものとはいえ、生活確保の観点から極めて不満な結果である。なお、支給月数の引下げ分を民間の特別給の支給状況(考課査定分の配分状況)等を根拠に機械的に期末手当から全額差し引くとしたことに対して、本年は、とくに民間における業種間の支給実態に増減を含めた差異があることを踏まえると、現在の調査方法そのものの適正さについて改めて課題があることを指摘する。

4.妊娠・出産・育児等と仕事の両立支援制度の改正は、育児休業の取得回数を原則2回までとすること等を法改正する意見の申出を行ったが、人事院として主体的な責任をもって法律改正まで努力することを求めておく。また、非常勤職員に対する育児休業等の在職期間要件の廃止について、人事院規則事項として、地方自治体における対応を含め、民間法の施行時期に遅れることなく改正することを求めておく。不妊治療休暇の新設は、給与の取扱いについては評価するが、期間の問題など課題が残ることを指摘する。

5.非常勤職員の休暇については、この間、人事院との間で無給休暇の有給化を含めて休暇制度全般に関わって検証・協議を行ってきたが、今般、配偶者出産休暇・育児参加のための休暇を有給休暇として新設、産前休暇・産後休暇の有給化がはかられたことは、少子化対策・両立支援の観点から評価するが、引き続き、有給化の拡大等、休暇制度の改善を求めていく。

6.長時間労働の是正及びハラスメント防止対策の課題については、超過勤務手当の全額支給や新型コロナウイルス感染症対策などの取り巻く情勢の変化を踏まえ、引き続き、人事院との協議を継続していく。

7.以上のように、本年の勧告・報告は、2年連続で一時金を引き下げる厳しい勧告となるなど、われわれの要求にあまねく応えたものとはいえない。
公務員連絡会は、政府に対して、勧告等の取扱いを検討するに当たって十分交渉・協議し、合意に基づく対応を求めていくこととする。
そして、これから本格化する地方自治体や独立行政法人、政府関係法人等の賃金確定闘争に向けて、全力を尽くすものである。

 2021年8月10日
                                          公務員労働組合連絡会