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公務公共サービス労働組合協議会 公務員連絡会
2022年度 公務労協情報 No. 17

2022春季要求で書記長クラスが内閣人事局と交渉-3/14

 公務員連絡会書記長クラス交渉委員は、3月14日13時30分から、内閣人事局人事政策統括官との交渉を実施し、2022春季要求に対する現段階における回答を引き出した。
 冒頭、森永事務局長が現段階の回答を求めたのに対し、堀江人事政策統括官は次のとおり答えた。

1.2022年度賃金について
 国家公務員の給与改定に当たっては、国家公務員の給与を社会一般の情勢に適応させるとの原則の下、人事院勧告制度を尊重することが基本姿勢と考えている。
 今後も、給与改定については、人事院勧告も踏まえ、国政全般の観点に立って総合的に検討を行った上で方針を決定してまいりたいと考えている。その際には、皆様とも十分に意見交換を行ってまいりたい。
 なお、令和3年度の人事院勧告に基づく給与改定についても、同様の考えに基づき、人事院勧告を踏まえた給与法改正案を今国会に提出し、ご審議いただいているところである。
2.非常勤職員等の雇用、労働条件の改善について
 非常勤職員の処遇改善については、重要な課題であり、これまでも、各府省に対し必要な予算が確保されるよう働きかけを実施し、処遇の改善が図られてきたと認識している。
 今後とも、非常勤職員の給与等に係る具体的な基準を定める人事院と連携し、各府省における非常勤職員の処遇改善に向けた必要な予算確保がしっかりと行われるよう、適切に働きかけを実施してまいりたい。
 また、民間における「同一労働同一賃金」の原則については、国家公務員に直接適用されるものではないが、「同一労働同一賃金」の取組等について引き続き注視していきたい。
3.新型コロナウイルス感染症への対応について
 「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」(令和2年3月28日新型コロナウイルス感染症対策本部決定)や都道府県の要請を踏まえ、人事院とも連携しながら、各府省に対しテレワークや時差通勤等の活用により、感染拡大防止に向けた取組を依頼してきたところ。引き続き、関係機関と連携しながら、適切に対応してまいりたい。
 また、ワクチン接種については、ワクチン接種する場合及び副反応が生じた場合に職務専念義務の免除を行えるよう、当局から働きかけた結果、昨年5月に人事院により措置がなされているところである。さらに、昨年夏に引き続き、当局が全体の調整を行い、国家公務員を対象とした職域でのワクチン接種に関して、3回目の追加接種についても開始したところである。
4.労働時間、休暇及び休業等について
 長時間労働の是正と職員のやりがい向上のため、各府省は、昨年1月に改正した「国家公務員の女性活躍とワークライフバランス推進のための取組指針」等に基づき、取組を行っているところである。
 具体的には、勤務時間管理について、各府省等において、勤務時間の状況の客観的把握を、本府省では原則として昨年8月までに開始しており、地方支分部局等についても、業務に応じた勤務形態の多様性に配慮しつつ、最も効果的な方法を遅滞なく措置するよう進めているところである。今後とも、勤務時間などの基準を定めている人事院と連携して超過勤務の縮減に取り組んでまいりたい。
 また、超過勤務手当予算について、令和4年度当初予算において必要十分な額が措置されたものと承知しているが、予算があるからと超過勤務をさせてよいということではなく、既存業務の廃止・効率化をはじめとした働き方改革をしっかりと進めてまいりたい。特に管理職のマネジメントについては、研修の実施や人事評価で重点的に評価を行うことで徹底を図ってまいりたい。加えて、人事院で開催されている勤務時間制度等の在り方に関する研究会において、長時間労働是正に資する方策が取りまとめられるよう、当該研究会のオブザーバーである内閣人事局としても協力してまいりたい。
 なお、人手が足りないという部署については、なお不足する定員や、業務見直し・効率化やマネジメント改革を行うための定員を措置することとしている。
5.障害者雇用について
 「公務部門における障害者雇用に関する基本方針」に基づき、障害のある職員が意欲と能力を発揮し、活躍できる環境の整備に取り組んできたところ。
引き続き、関係機関と連携しながら、各府省において障害者雇用が適切に進むよう、取り組んでまいりたい。
6.女性公務員の労働権確立について
 男女双方のワークライフバランス及び女性職員の活躍については、女性活躍推進法及び「国家公務員の女性活躍とワークライフバランス推進のための取組指針」に基づき、引き続き各府省の取組のフォローアップ等により、男女問わず全ての職員のワークライフバランスを実現し、女性活躍の動きを更に加速してまいりたい。
 なお、昨年の人事院の意見の申出に沿って、育児休業の取得回数制限を緩和するための国家公務員育児休業法等改正案を今国会に提出し、ご審議いただいているところであり、これにより、男性職員の育休取得促進の効果も期待しているところである。
7.高齢者雇用施策について
 定年の段階的な引上げ期間中については、定年から65歳までの間の経過措置として現行の再任用制度と同様の制度を措置することとしたところであり、引き続き、適切に対応していきたい。
 また、令和5年度からの段階的な定年の引上げの円滑な運用が行われるよう、各府省の意見を聞きながら検討を行っているところであり、各府省における定年の段階的な引上げを見据えた計画的な取組を推進するため、来年度及び再来年度に重点的に取り組む事項等の指針を定める予定である。
8.福利厚生施策の充実について
 「国家公務員健康増進等基本計画」等に基づき、取組を着実に進めているところ。引き続き、各府省における基本計画の実施状況を把握し、必要な措置が講じられるよう取り組んでまいりたい。
9.公務員制度改革について
 これまで、勤務条件に関わる様々な課題について、ご意見を伺いつつ対応してきたところ、皆様とは、引き続き誠実に意見交換をさせていただきたいと考えているが、自律的労使関係制度については、多岐にわたる課題があり、慎重に検討する必要があると考えている。
 
 回答を受けて、森永事務局長は、「春季要求事項に入る前に、給与法等改正法案と退職手当について政府の考え方を確認する」として次のとおり、人事政策統括官の見解を質した。

(1)給与法等改正法案及び育休法等改正法案については、3月9日の衆議院内閣委員会での質疑採決を経て、10日の衆議院本会議で可決され、今後は、参議院で審議が進められる。
 現在、審議されている給与法案では、異例となる年度を超えた調整・減額という措置を講じているが、今回の措置は、特殊の状況下におけるあくまで例外的な調整の措置であり、少なくとも今後の前例としないことが不可欠だ。引き続き、民間準拠、人事院勧告による公務員給与に対する社会的評価という観点も踏まえ、国会審議等を通じて政府として、十分な説明責任を果たすことを強く求めるが政府の見解如何。また、減額調整される職員の範囲は11月の勧告取扱いに関する統括官交渉で回答したものと変更はないか。
(2)退職手当については、人事院による調査結果の公表及び見解の表明が、今後行われることとなるが、仮に見直すこととなる場合には、しかるべき時期にわれわれと十分に交渉・協議を行い、合意のもとに対応するよう求める。

 これに対して、堀江人事政策統括官は次のとおり回答した。
(1)給与法等改正法案について、100年に1度ともいわれるコロナ禍のもとでの経済対策をしっかりと行わなければならないといった経済対策との見極めから、今回の例外的な措置となった。国家公務員の給与については、国民の理解を得ること、職員の適切な処遇を確保するという観点から、上げる時も下げる時も官民比較に基づいて対応していくというのが原則的な立場である。
 減額調整がされる職員については、昨年の12月の一時金が支給され、本年6月の一時金が支給される者について減額調整を行わせていただく。再任用職員については在職期間が通算されているような場合は調整をさせていただく。また、非常勤職員については常勤職員との権衡を踏まえて、どのような場合に調整が必要なのか、現在人事院と相談中である。
(2)退職手当については、人事院の見解が表明された後に、対応が必要となってくる場合には皆様方のご意見を伺いながら、対応してまいりたい。
 
 次に、春季要求項目について、森永事務局長は次のとおり人事政策統括官の見解を質した。
(1)2022年度賃金、給与改定については、これまでの政府の基本的な姿勢は何ら変わりないことを確認するが見解如何。
(2)非常勤職員の給与について、昨年7月の「非常勤職員の給与に関する指針の改正」を踏まえ、本年6月の一時金の期末・勤勉手当の支給実態をはじめ、各府省の申し合わせに基づいた対応状況について、政府として調査する必要があると考えるが、政府の認識如何。
(3)労働時間の縮減について、『勤務時間の見える化』に向けて、職員の在庁時間について、原則として令和3年8月までに客観的把握を開始することとされていたが、内閣人事局として各府省庁等の取組状況をどのように把握しているか。また、『勤務時間管理システム』の導入に向けた進捗状況如何。
 今後の超過勤務の縮減に向けて、現状の課題をどのように捉えているか。また、最優先に取り組まなければならない措置等についてどう考えているか。
(4)令和5年度からの国家公務員の段階的定年引上げに向けて、来年度及び再来年度に重点的に取り組む事項等の指針を定める予定とのことだが、検討状況如何。
定員に関しても考え方を今後整理していくとのことだが、他方で、先ほど議論した職場における長時間労働の是正においても、職場における定員配置のあり方等含めて不足する定員を措置していく必要がある。昨年10~11月にかけて公務労協国公関係部会で実施した生活実態調査において、「職場の要員状況」に不満があるとこたえた割合が約6割にのぼっている。
 このような職場の実態も踏まえれば、定員確保に向けて速やかに具体的な対応を図る必要があると考えるが、政府の見解如何。

これに対して、堀江人事政策統括官は次のとおり回答した。
(1)人事院勧告を尊重するという姿勢に変わりはない。
(2)非常勤職員の給与について、人事院において指針が改正されたので、基本的には人事院で今後のフォローアップがなされると考えているが、非常勤職員の適切な処遇が確保されるよう、我々としても人事院と必要な連携を図ってまいりたい。
(3)本府省については、昨年の8月からパソコンのログ等による勤務時間の客観的な把握を開始していると承知している。出先機関においてはそれぞれの職場に応じた方法で客観的な把握を進めていただきたい。いずれかの時期に各府省の検討状況等について確認をしていきたい。勤務時間の客観的な把握ののちには、システム化を通じて、実際に働いた時間を確定する、超過勤務についてしっかりと命令を出す、テレワークの手続きを行っていく等が次の取組であると考えている。システム化についてもデジタル庁と連携してしっかりと進めてまいりたい。
 我々の開発した勤務時間管理システムについては、希望をする各府省においては導入支援をしており、実際に使用されている省庁もある。本年度の人事管理運営方針で各府省にシステム化の方針を策定いただくこととしているので、フォローをしていきたい。
長時間労働の要因は職場ごとに異なり一般化はできないが、業務の見直しを行い、時代に応じた新しい仕事の進め方に集中していただくことが必要であると考える。また、職員間の業務負担が平準化するようなマネジメントをしていただくことも重要だと考えており、マネジメント改革として、管理職にマネジメント研修をしっかりと受けていただく。また、人事評価においても管理職員の評価項目としてマネジメントに関する目標をたてていただくなど、マネジメントを強化していくことを中心に超過勤務の縮減を図っていきたい。
(4)定年の段階的引上げについて、制度導入のスケジュール感を各府省間で共有していくことが重要である。特に役降りをした職員にどのような仕事を担っていただくか等、各府省においては60歳以降の働き方について更に具体的な検討を進めていただきたい。
定員等について、どのような仕事をしていただくのか、短時間勤務を希望する方がどれくらいいるのかということを各省には把握をしていただく必要がある。そのうえで、一定の時限的な措置も必要になると考えている。職務と定員について、制度官庁と査定官庁の検討状況を把握しながら整合的に進めていくよう考えているところ。
 政府としては必要なところには必要な定員を措置するという立場である。仕事の見直し、業務の見直しをしっかり行ったうえで必要な定員は措置してまいりたい。

 その後、交渉委員から、「高齢者雇用施策に関わって、現状希望どおりのフルタイムでの再任用が実現していない。定年延長が導入され新規採用が抑制されないようしっかりと定員措置をお願いしたい」と要望があり、堀江人事政策統括官は「現状でも年齢構成等で偏りがある中で、個別の事情をしっかりと見ていかないといけない。真に必要な採用を継続的に果たせるよう進めていきたい」と答えた。

 最後に、森永事務局長は「出口がなかなか見えてこない新型コロナウイルス感染症対策をはじめ、極めて厳しい状況にあって、職務に奮闘している組合員の切実な要求であり、改めて要求に沿った前向きな検討を重ねていただき、後日、二之湯大臣から直接回答をいただきたい」と強く要請し、交渉を終えた。