人事院が月例給・一時金の引上げを勧告-8/7
人事院は本日、国会と内閣に対して月例給を3.51%、15,056円、一時金を0.05月引き上げる勧告・報告を行った。
また、公務員連絡会は代表者会議で「声明」を確認するとともに、本日の人事院勧告・報告を踏まえ、第3次全国統一行動として、勧告後速やかに各構成組織の実情に応じた行動等を実施することとした。あわせて、国家公務員制度担当大臣及び厚生労働大臣に対して、本年の給与改定勧告について勧告通り実施する閣議決定を行い、所要の法案を国会に提出すること等を求める要求書を提出することとした。
声 明
1.人事院は、本日、①月例給について、3.51%(15,056円)の官民較差に基づく引上げと、一時金の支給月数の0.05月分引上げ等の給与に関する勧告・報告、②公務員人事管理に関する報告、③国家公務員災害補償法の改正に関する意見の申出等を行った。
2.公務員連絡会は、6月17日に人事院総裁に要求書を提出して以降、全国の組合員参加による団体署名及び職場決議の実施とその提出行動、全国からWebを含め500人を超える参加者による7.22中央集会を背景に、幹事クラス、書記長クラスによる交渉を複数回実施してきた。
本年の人勧期における重要課題は、①真に生活改善につながるための全職員に対する月例給及び一時金の引上げ、②若年層~中堅層~高齢層のバランスの取れた賃金体系の確立、③連絡会との十分な交渉・協議を踏まえた「新たな人事制度」に関する「骨格」の提示、④長時間労働の是正、ハラスメントの撲滅、各種勤務環境の整備など働きやすい職場づくり等であった。
3.本年の給与に関する勧告は、職種別民間給与実態調査の段階から、全体の比較対象企業規模を「100人以上」かつ「事業所規模50人以上」とした上で、①月例給について、大卒初任給(総合職・一般職)、高卒初任給ともに、9,500円引き上げる一方で、「各組織の業務遂行において重要な役割を担っている中堅層以上の職員についても配慮した改定を行う」として、昨年を上回る引上げ、②一時金については、0.05月分を引き上げることとし(年間計4.70月)、今年度についても、12月期の期末手当及び勤勉手当に均等に配分し、来年度以降については、6月期及び12月期が均等になるよう配分する、等の内容となっている。また、再任用職員についても、いずれの役職段階においても、公務が民間を下回る状況にあることから、「近年の考え方に基づく改定率を上回る改定を行う」として、行(一)表で平均8.5%の改定を求める内容となった。
4.本年の勧告について、
①月例給に関して、公務員連絡会は、実質賃金が4年連続マイナスになっている全体状況のもと、全職員について、物価の上昇率を上回る賃金引上げを強く求めてきた。結果として、3.3%という行(一)表の平均改定率は、最低限の水準を確保できたものとして受け止める必要がある。特に、中堅・高齢層が多く在職する級・号俸において昨年を上回る水準での引上げとなったこと、再任用職員の引上げについて昨年を大きく上回る改定となったことは、連絡会の強い要求に人事院が応えたものと評価する。
②一時金に関しては、再任用職員も含め5年連続での支給月数引き上げとなり、本年も勤勉手当と期末手当に均等に配分されたことは、民間の考課査定割合との比較において当然のこととはいえ、この間、適正な配分を求めてきた立場として一定の評価ができる。
③手当等に関しては、ア)広域的な異動に対する給与上のインセンティブを更に向上させるため、広域異動手当の支給割合の引上げを本年4月に遡及する形で実施、イ)現行の単身赴任手当の加算額を分離・再編し、支給額の改善及び距離区分の追加を行った上で、転居を伴う転勤を行った職員を広く対象とする手当の創設、ウ)全ての職員を対象に、公務の運営に支障がない場合において、休暇の取得事由を問わない「無給休暇」(年7日間)の新設(勤務時間法の改正)、等が勧告された。これらは、未確定な部分も多くあるが、概ね評価できるものである。
④本府省幹部職員等を対象とする人事制度見直しについて、ア)現行の指定職俸給表を参考とした俸給表を新設すること、イ)人材獲得競争の観点から参照すべき民間の規模や対応する役職段階等を設定し、年間給与水準を決定すること、ウ)必要な判断をより適時適切に行うことを可能とするために勤務時間にとらわれない働き方ができるスキームとすること、等が方向性として示された。これらについては、本年は「骨格」の段階であり、未確定な部分が多いが、疑問点や懸念される部分もあるため、来年に向け、さらに人事院との協議を続けることとする。一方、今回対象となるポスト以外についても、2031年の定年の段階的引上げの完成を視野に入れ、必要な制度・運用の見直しを進めることが示された。この課題が、定年を延長した職員のみならず、再任用職員や、若年層・中堅層を含めた職員全体に影響を及ぼすことが想定されることから、「中高齢層職員の意欲の維持・向上と人材の確保」という観点で、人事院との協議を強化していくこととする。
5.以上のように、本年の勧告・報告は、公務員連絡会の要求に一定応えたものとは言えるが、前年同月比+3%に近い物価上昇率が続く中においては、引き続き「真に生活改善につながる賃上げ」を求めて行く必要がある。また、「65歳定年」が見えてきた中で、「若年層~中堅層~高齢層のバランスの取れた賃金体系の確立」の重要性も変わることがない。
その上で、まずは、政府に対して、勧告通り実施する閣議決定を行い、所要の法案を国会に提出することを求めるとともに、これから本格化する地方自治体や独立行政法人、政府関係法人等の賃金確定闘争に向けて、全力を尽くすものである。
2026年8月7日
公務員労働組合連絡会