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公務公共サービス労働組合協議会 公務労協
2021年度 公務労協情報 No. 24

公務員法改正法案が可決・成立~定年引上げが実現へ-6/4

 6月3日に行われた参議院内閣委員会及び総務委員会における質疑・採決と附帯決議(別紙)の採択を踏まえ、本日の参議院本会議において、公務員の定年の引上げを措置する「国家公務員法等の一部を改正する法律案」及び「地方公務員法の一部を改正する法律案」が可決・成立した。
 なお、公務労協は、両法律案の議了を受け、次の通り事務局長談話を発出した。

 

2021年6月4日

定年の引上げに関する公務員法改正法案の可決・成立に対する談話

公務公共サービス労働組合協議会
事務局長 吉 澤 伸 夫

 本日の参議院本会議において、「国家公務員法等の一部を改正する法律案」及び「地方公務員法の一部を改正する法律案」が可決・成立した。これにより、60歳で定年を迎えた職員の多くが再任用短時間勤務への選択を余儀なくされるなど、年々不安定な状況が深刻化してきた雇用と年金の接続に関して、長年にわたる課題であった定年の引上げが実現することとなった。

 第204通常国会は、総務省幹部職員接待問題、政府提出法案等の誤り、出入国管理法改正法案などをめぐり与野党の対立が続くもと、新型コロナウイルス感染症対策を最大の焦点とした国会運営がはかられてきた。公務労協は、困難な審議日程と厳しい社会・政治情勢のもと、4月13日に行われた「国家公務員法等の一部を改正する法律案」の閣議決定・再提出を受けて、昨年の第201通常国会より継続審議となっていた「地方公務員法の一部を改正する法律案」とともに、与野党に対し速やかな審議・採決と成立を求め国会対策を強化してきた。

 両院内閣委員会及び総務委員会の審議においては、①定年年齢の引上げ期間中における新規採用の継続、②管理監督職勤務上限年齢制(役職定年制)により降任された職員の職務の在り方、③公務における65歳以降の雇用の在り方等について、政府(内閣人事局、総務省)及び人事院から一定の見解が明らかにされた。また、①地方自治体における関係条例の整備、②施行日が2023年4月1日に変更・修正されたことに伴い定年の引上げ年齢が繰り下げとなる職員の雇用と年金の接続、③定年前再任用短時間勤務の希望による選択等に関する議論が行われた。なお、参議院内閣委員会、衆議院及び参議院総務委員会においては、①公務員の働き方改革の一層の推進、②新型コロナウイルス感染症対策等に関する職員の安全確保と職務環境整備等に関する附帯決議が採択された。

 両法律案の可決・成立を踏まえ、今後は、地方自治体における関係条例の整備とともに、職員の定年に関して公務員法が適用されない独立行政法人及び公共民間職場等における定年の引上げが喫緊の課題となる。また、構成組織を主体として、両院内閣委員会及び総務委員会の審議経過と附帯決議等を活かした管理監督職勤務上限年齢制(役職定年制)や定年前再任用短時間勤務の導入等を進める必要がある。さらに、公務員連絡会による国家公務員法等の一部を改正する法律附則第16条に関する「国家公務員の給与制度等の検討」についての対人事院及び内閣人事局交渉の強化をはからなければならない。

 公務労協は、引き続き、新型コロナウイルス感染症対策をはじめとする国民生活における喫緊かつ最重要な課題に従事する公務公共サービス労働者が、その英知と情熱を持って職務に従事することを可能とする職場環境の整備と勤務条件の確保・向上等に向けた対応に全力をあげることとする。

以  上